3.今まで発売された作品(著作で現在絶版、品切れのもの)

・『花ひらく家庭天国』(漫画)
花ひらく家庭天国
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版176頁/発行年月日・1983年8月20日
収録作品・青春むせび泣き、Go Go向こう見ず、負けず嫌いの逆襲、ママと呼ばれて三ヶ月、貞操の光、男の街角、泪の中の純情、続・泪の中の純情、一徹の恩返し、ドルフィン、ツッパリの初恋、花ひらく家庭天国
装幀・湯村輝彦+ステレオスタジオ

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 これと次の『固い絆のブルース』は初めて描いたマンガでいきなりデビューした自分にとっては練習作品集というところ。この辺は随分、中学の同級で根本のこういう類の才能を最初に認めた男、高木順に助けられた。

・『固い絆のブルース』(漫画)
固い絆のブルース
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版176頁/発行年月日・1985年1月1日
収録作品・エジプト、愛情ブルース、太陽に抱かれたい、父さんは星になった、老人と子供のポルカ、パパは白鳩さん、ハニーハニー、人生賛歌、魚の生活、鳥の生活、もぐらの生活、ミクロの生活圏、幽霊一家、果実の生活
解説・嵐山光三郎/装幀・湯村輝彦+ステレオスタジオ

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 「老人と子供のポルカ」はとうじ魔とうじ氏のお気に入り。ここでの村田が文殊の知恵熱のメンバー、松本秋則氏とどこか重なり、そこがとうじ魔さんの琴線に触れるらしい。「生活シリーズ」は当時近所のボロアパートに住んでいた井口真吾氏の部屋で雑談しつつ考える事が多かった。根本らしくない詩的な言いまわしの多くは井口氏のものだ。

・『Let's go 幸福菩薩』(漫画)
幸福菩薩
根本敬著/JICC出版局(現・宝島社)/820円/A5版200頁/発行年月日・1985年4月1日
収録作品・シュラクジャック、新人を消せ、南から来た用心棒(前・後編)、私ハ歩ク肛門デス、謎の腹話術師、くまちゃんタロちゃん、スポーツマン桃太郎、しう松くん、鳥の暮らし、ウルトラマン、花咲く街角、青春特殊、あいつは超能力者、象から生まれた孝行息子、極楽劇場(159頁から200頁までの袋綴じ死体漫画)
写真・伊鳥薫/装幀・安斉肇

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 二宮金次郎(後の尊徳)の銅像石像にマジックインキでバカ、ウンコ、オナラと落書きをする。そんな小学生の頃の気持ちを大切にして描いた漫画を集めた。JICC出版局(現・宝島社)にまだ、故・植草甚一翁の屁の臭いぐらいはかすかに嗅ぎ取れた時代、当時「ニューウェーブ」とくくられた漫画家・イラストレーターを集めた出した「どマンガ」シリーズの一冊。

・『生きる』(漫画)
生きる
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版192頁/発行年月日・1986年6月20日
収録作品・「生きる/村田藤吉寡黙日記」(47話)
装幀・湯村輝彦+ステレオスタジオ

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 『平凡パンチ』連載の単行本化。妊婦が故障したエレベーターの中で出産する「こんにちは赤ちゃんの巻」は後に現実の出来事と化して三面記事を賑わし、「新たなる出発」は85年の時点で既に北朝鮮の拉致問題をネタにしていた。

・『学ぶ』(漫画)
学ぶ
根本敬著/河出書房新社/780円/A5版120頁/発行年月日・1986年6月25日
収録作品・廃盤学園、無口な転校生、みんな仲よし、出世男節、学園人気者、竹馬の友、ぼうふらエッセイ(1&2)、父さん星、田口ひとみ、迷信と姉妹、初恋福祉篇、この道が続く限り、父兄参観日
解説・手塚能理子/装幀・久住昌之

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 今まで出した中で一番厚さの薄い本。石川次郎君は「父兄参観日」を当時『ガロ』で見て、自分も漫画を描こうというキッカケのひとつになったと言っていた。嬉しい話だ。

・『生きる・2』(漫画)
生きる・2
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版192頁/発行年月日・1986年10月30日
収録作品・「生きる2/村田藤吉寡黙日記」(21話)、「村田藤吉生々流転」(9話)
装幀・湯村輝彦+ステレオスタジオ

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 『生きる』は一応自分なりに控え目にやったが、この『生きる・2』(一度連載が終わり、半年ほどブランクがあった)はハナから自分らしい案配で飛ばしていた。結果、キオスクの作る倫理ナントカ委員会から、2度ほどクレームを受け、連載が終わった。『月刊現代』連載の「村田藤吉生々流転」も併録。

・『ディープ・コリア』(読み物)
ディープ・コリア
幻の名盤解放同盟共著/発行・ナユタ出版、発売・星雲社/新書版/発行年月日・1987年12月1日
絶版(が、実は星雲社の倉庫に数百冊眠っているという噂あり)

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 社長の意向で制作途中(版下もすべて自分たちでやっていた)、突然新書サイズに変更される。発売当時は韓国を「マヌケ」だとか、「スットコドッコイ」だとか正直に語る事はまだ日本のメディア全体に対韓国・朝鮮贖罪意識が蔓延してたので、それなりに画期的な本として一部でとらえられた。
 が、発表間もなく、会社(そういったって事実上社長一人)が家庭の事情で大分県の国東半島へ転居する事に。それを知った同盟が版元を訪ねると社長は淋しそうな笑いを浮かべつつ、「これも廃盤でしょう」と言って、本田路津子のレコードを聴いていた。数日後、『ディープ・コリア』他、版元がこの1〜2年で出した本が段ボールに詰められ、「ご自由にお持ち下さい」と貼り紙されて、六本木の交差点に置かれた。

・『天然・甲篇』(漫画)
天然・甲篇
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版192頁/発行年月日・1988年6月28日
収録作品・「天然」(『ガロ』85年5月号〜86年12月号連載分に加筆修正)

・『天然・乙篇』(漫画)
天然・乙篇
根本敬著/旧・青林堂/850円/A5版192頁/発行年月日・1988年9月10日
収録作品・「天然」(『ガロ』86年12月号〜88年4月号連載分に加筆修正)

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 『ガロ』で連載していた長編野球マンガ。当時担当、福島県郡山出身、山ノ井靖氏の方言指導がとにかく光る。

・『怪人無礼講ララバイ』(漫画)
無礼講
根本敬著/旧・青林堂/880円/A5版192頁/発行年月日・1990年3月3日
収録作品・怪人無礼講1〜6、峻道一代、好色無頼、「タケオの世界」(『ガロ』89年2・3月号〜90年1月号掲載分に加筆修正)、コラム・少年ぼうふら情報
解説・呉智英/装幀・原口健一郎

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 表紙画はファンカテリックの「ゴズミックスロップ」を横に置きながら描く。デザイナーの原口さんがファンガ御用達画家、ペトロ・ベルに根本さん影響を受けると思ってましたというので、そんなつもりはなかったのだが、「ほんじゃあ一丁やってみるか」と影響されてみた。湯浅が米国でPファンクのファンクラブの会長だが何だかに会った時、ジョージ・クリントンに渡してくれと一冊そいつにやったという。

・『亀ノ頭のスープ』(漫画)
亀ノ頭
根本敬著/マガジンハウス/1000円/A5版160頁/発行年月日・1990年7月5日
収録作品・21世紀の精子ん異常者、生きる(懸賞大当たりの巻)、嵐を呼ぶ負けず嫌い、さゆり、ハウマッチ、「ミクロの精子圏」(『ガロ』90年5月号〜8月号連載分に加筆修正)
装幀・湯村輝彦+マイク関根

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 精子3部作の1部と2部はほぼ続けざまに、世に送り出されたのではあるが。

・『豚小屋発犬小屋行き』(漫画)
豚小屋発犬小屋行き
根本敬著/旧・青林堂/1200円/A5版320頁/発行年月日・1991年9月20日
収録作品・絶版となった初期3作品集からの自選に未収録作品を加えた。
 極楽劇場(死体漫画)、象から生まれた孝行息子、シュウラクジャック、こじきびんぼう隊、スポーツマン桃太郎、南から来た用心棒(前・後篇)、鳥の暮らし、一徹の恩返し、吉外家の人々、貞操の光、エジプト、老人と子供のポルカ、ツッパリの初恋、減っていったあいつ、増えていったあいつ、魚の生活、鳥の生活、もぐらの生活、ミクロの生活圏、幽霊の生活、果実の生活、私ハ歩ク肛門デス ケン太の夏休み、コラム・コミック雑誌はいらない、中年愛への誘い
解説・石野卓球(電気GROOVE)/装幀・スージィ甘金

・『饅邁(という字によく似た造語)』(漫画)
饅邁
根本敬著/トムズボックス/1200円/B6版140頁/発行年月日・1992年9月22日
収録作品・根本敬のイラスト・コラージュ・コミックなどが混沌と放り込まれた闇鍋的「絵本」。根本の脳味噌の断片を見るような奇本である。因みにタイトルの漢字は根本の創造によるもので、読み・意味不明。

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 尚、トムズボックスのこのシリーズは会員になるとどの人物にも出来上がった新刊が自動的に送られ、返品は不可というシステムだが、この根本のものだけは返品OKという事で送付された。

・『お岩』(漫画)
お岩
お岩(根本敬+マディ上原)著/旧・青林堂/3980円/B5版84頁/発行年月日・1993年8月末日
収録作品・『ドッキリ投稿写真』にカラー連載していた、ユニットお岩による「お岩」をオールカラーで収録。
装幀・湯浅輝彦

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 まあ、デタラメ、ヒドイ、テキトー、というところでは過去・現在・未来のマンガ界で群を抜いてはいるだろう。でもマディさんはインテリだから、その辺に救いがある…って事もないか。

・『ディープ歌謡』(読み物)
ディープ歌謡
幻の名盤解放同盟共著/ペヨトル工房/2500円/四六版484頁/発行年月日・1993年6月25日
収録作品・同盟の活動の原点、廃盤星取表や「幻の名盤解放大学」、廃盤事件簿など、とにかく隙間なくギッシリと詰め込まれた同盟の活動(音楽部門)の集大成。
装幀・湯浅学+根本敬+ミルキイ・イソベ

・『ディープ歌謡』(読み物)
ディープ歌謡
幻の名盤解放同盟共著/ペヨトル工房/1800円/四六版/発行年月日・1996年8月15日
装幀・湯浅学+根本敬
同作の新装版

・『夜、因果者の夜』(読み物)
夜
幻の名盤解放同盟共著/ペヨトル工房/1800円/四六版256頁/発行年月日・1997年8月25日
収録作品・「夜、因果者の夜」、座談会・良縁ニュース、ハニーハニー人生相談、昭和的熟女歌謡の研究、港雄一インタビュー、平田さつきインタビュー
装幀・湯浅学+根本敬

・『定本ディープ・コリア』(読み物)
ディープ・コリア
幻の名盤解放同盟共著/旧・青林堂/1500円/四六版352頁/発行年月日・1994年10月20日

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 釜関フェリーで30回か40回は玄界灘を渡っただろう。釜山を起点に名もない地方めぐり。恨(ハン)…耐えながら騒ぐ民族のスットコドッコイな街から街へと歩きまわりつつ、下らない事の中に真理があると提唱する、旅行記風思想書。合い言葉はケンチャナヨ(気にするな、かまわねえ、さすけね)。ソウル五輪へ向け、国をあげてダッシュする84年から93年太田(テジョン)万博までの記録。