2000年8月22日

個別指導の場での特別なニーズ教育
高機能自閉症やアスペルガー症候群


自閉症の特徴は、
 ■社会性の障害           
 ■コミュニケーションの障害      
 ■想像力の障害とそれに基づく行動の障害



社会の中でうまく人と関わっていく為には、
 具体的な行動のルールやマナーを身につける。
 社会や人を認識し、それらと折り合いをつけていく術を身につける。
事が必要である。それがソーシャルスキルの学習である。


■社会性の障害(社会的相互交渉の障害)
下記の推測の困難の為、場の雰囲気や状況がわからず、その場にそぐ
わない行動をとったりしてしまう。
 
 時間、空間的なつながりの中での相手の心の動き
 言葉や表情からの相手の心の動き
 自分の言動が他人に及ぼす影響
 他者の立場
 場面や物の状態と人の心の動きの関連づけ
 次に起こること
    
弱さを補う為に以下の指導が考えられる。

社会的に許される範囲の行動の認知の学習
・外ではしてはならない事と、家でならしてもよい事の区別。

・何故いけないのか具体的な学習。

・その行動をとってしまった理由を自分の言葉で説明する事とその重要性。



トラブル等の状況や気持ちを理解する練習
・絵図やロールプレイなどの活用。


相手に応じた話し方の学習
・知っている人、知らない人、友達、小さな子等。


表情や感情を読みとる学習
・絵や写真などの活用。


人と自分の立場の違いを認識する事も目的とした楽しい遊びやゲーム
・ルールの理解。

・順番を守ること、協力することの意味の理解。

・役割をもち責任を果たす経験。

・人の行動を見たり、意見を聞いたりする経験。

・ゲームの駆け引きや、勝負、意外性などへの気付き。

・勝つ事だけがゲームを楽しむ事ではない事への気付き。



次を予測する学習
・絵カード、プリントを使用。
  絵カードの順番を考える。
  ○○すれば、どうなってしまうのか。
  □□の時は、どうすればよいのか。



筋や登場人物の心の動きを読みとる学習
・配列絵カード、4コマ漫画、せりふを考えるプリント、お話しカード、
 生活文、説明文、文学等。



お話作りの学習
・空間的同時的知覚情報処理の力を活用。

・文字、絵、写真カード等の使用。



概念形成や抽象化や般化の学習
・反対語、公共施設やお店の分類、物の仲間分け。

・スリーヒントゲーム。
 「はがつきます。その中にたばこの灰をおとします。たばこのすいがらも入
   れます。」等   



視点の移動の学習
・絵を描く(視点を変えた時の物の絵。相手から見た物の絵)

・文作り(二人の関わりを示す絵を見て、主語を入れ替えた文作り)

・気持ち(二人の関わりを示す絵を見て、双方の気持ちを考える)

■コミュニケーションの障害
会話による気持ちの交流が困難等の特徴がある。
相手の心の読み取りの困難もさることながら、乳幼児からの経験の中で自然
に学ぶはずのコミュニケーションのスキルやルール等も身についていないこと
が多い。般化も困難なので、さまざまなパターンやケースを想定し繰り返し教
えていく必要がある。
なお、言語能力が高い場合も言語の裏に隠された意図などの読みとりは困難
で比喩や冗談もわからない事も少なくない。
 


生活上の基本的なマナーやコミュニケーションスキル
・人の心や身体を傷つける言動や行為。

・断り方、謝り方、御礼の言い方。

・約束、お願い、質問の仕方。

・挨拶の仕方。

・友達との具体的な付き合い方。
 誘う、断られた時、謝る、譲る等の場面
 


ことばの指導
・疑問詞(5W1H)

・受動態と能動態の言いまわし
 
・助詞
 
・比喩や慣用句、ことわざ



人に何かを説明をする練習
 得意なジャンルの事で
 ロールプレイング等で機会を意図的に作り、自分の意思も伝える方法を学
 ぶ。

■想像力の障害とそれに基づく行動の障害
人と自分の立場の違いを認識しながらの想像力を必要とする遊びは、苦手で
ある場合が多い。
自閉症児は、環境条件の意味を統合することが困難である。
常同行動やこだわり、同一性保持行動と呼ばれるものは、混沌とした環境の
中で自分を安定させたり、またその環境を理解していくための糸口の役割を
果たしていると考えられる。


従って、それらを生活の中に適度に組み込れる事は、少なくともその部分は苦
手な領域の手順や結果を考なくてすむと言う事でもあり、ストレスを大巾に減
らす事にもなるわけである。そこに費していたエネルギーを他に回せるという
効果もある。
マークや記号、アルファベット、数字等などへの限局した興味も、趣味や特技
等につなげていけるよう配慮していきたい。



・こだわりには場所、時間をきめ、やって良い時悪い時を教えていく。

・こだわりの類似のものにも興味を導き興味の範囲を広げて行く。

・マークや記号、アルファベット、数字等など本人の興味のある事を活用した
 遊びや学習に導く。


・興味や関心を持っている事にも取り組み、自信を持たせる。

LD、ADHD、
高機能自閉症やアスペルガー症候群の
子ども達の理解と指導の為に