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2000年6月28日
個別指導の場での特別なニーズ教育 LD ADHD 高機能自閉・アスペルガー
通常の学級の先生方へ
LD、ADHD、
高機能自閉症やアスペルガー症候群の
子ども達の理解と指導の為に
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通常の学級の中にいるはずのこれらの子たちについて学級担任には、
なかなか正しい情報が入ってこない事が多い。
昔から、
「できるのにやらない怠け者」
「躾のできていない子」
「我が儘な子」
「風変わりな子」
と周囲から非難されながら通常の学級の中で過ごしてきた子ども達は存在した。
これらの子が、実は、決して上述のような怠け者や我が儘な子なのではなく、
「中枢神経システムの機能や器質に起因する発達障害」
のある子だとわかってきたのは、つい最近のことである。
彼らは、その障害の課題に見合う適切な配慮や指導がなされれば、本来的な力をもっともっと発揮できるであろうと言われる子ども達である。
しかし、逆に、
それらの配慮がされず、努力不足や躾の問題、我が儘な性格の問題と決めつけられ責められる事が重なれば、自己調整力も弱まり、対人や社会性のトラブルを増幅してしまう危険性もある子ども達でもある。
これが、いわゆる二次障害とも言われるものである。
以下は、それぞれの課題についての一般的な事である。個々に応じた配慮と指導については、その状態像や検査等の結果に応じて、検討されるべきものであると考えられる。
定義
「 基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが聞く、話す 読む、書く、
計算する、又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい
困難を示す様々な状態を指すもので ある。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害が ある
と推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、
環境的な要因が直接の原因となるものではない。 」
視覚認知
見て理解する過程の問題
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図と地の混乱・・
中心になるものと背景になるものの見分けが困難
立体視・注視・追視の困難
空間認知の困難・・
位置関係(上下・左右・前後・東西南北・遠近・縦横)
の把握
視覚的な注意力・把持・短期記銘力の弱さ
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読
む
書
く
計
算
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よく似た文字を読み間違う。
文字を追えない。
行を飛ばし読みする。
ひらがながなかなか覚えられない。
文字の構成能力が弱い。
反転や回転をする。
漢字のへんとつくりの混乱をする。
漢字の細部が不正確。
文字の大きさや列がなかなか整わない。
書いた文字が重なる。
写し書きができない。
板書ができない。
視空間認知力が未熟で大きさを比較することが困難な為、量概念や数概念が理解できない。
一対一対応ができない。
筆算で桁がそろえられない。
九九が覚えられない。
よく似た図形が見分けられない。
立体がわからない 。
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聴覚認知
聞いて理解する過程の問題
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図と地の混乱・・
中心になるものと背景になるものの聞き分けが困難
聴覚的注意力・音の選択性・弁別力の問題
聴覚的把持・短期記銘・長期記銘力の弱さ
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話
す
聞
く
読
む
書
く
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語彙が少ない。
助詞がうまく使えない。
話している内に話題がずれる。
ことば(声)と他の雑音が同じ強さに聞こえ、声だけの聞き取りが困難。
多くの声の中から、話し手の声だけを聞き分ける音の選択性の力が弱い。
語音を聞き取る力(弁別力)が弱い。
集団の中で、集中し指示を聞き取ることが困難。
指示された事を覚えられない。
内容を記憶しながら、一連の話を理解していく力が弱い。
語調にふくまれる意図や感情を聞き取る事が弱い。
特にかな文字をなかなか覚えられない。
特殊音節の習熟に時間がかかる。
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統合
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整理
関連づけ
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聞
く
話
す
読
む
書
く
計
算
推
論
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話や指示したことの意味を取り違える。
語義語用の間違い。
話が一方的で流れにそった話ができにくい。
考えをまとめて話すことができにくい。
状況の説明が困難で質問に対しては的外れの答え方をする。
単語や文節で区切って読めない。
文字は読めても状況や登場人物の心情の読み取りが困難。
経験したことを順序を考えながら書くことが困難。
自分の気持ち等を書く作文や日記が苦手。
計算の手順を追うことが難しい、又は覚えられない。
量と数を結びつけられない。
量は分割されても不変であることがわからない。
量と順序の違いがわからない。
要素をひとまとめにして、集合としてとらえることができない。
数字の読み方と空間的配置の関連がわからない。213→20013
21→12
思い出しながら考えたり筋道立て話をしたりするのが困難。
論理的な思考が困難。
複数の課題を順を追って解決することが困難。
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学習障害児等の理解と指導Q&A へ
個別指導の場での特別なニーズ教育(LD)へ
ことばと発達の学習室LDのコーナーへ
ADHDは、脳内神経伝達物質のドーパミン代謝の異常を疑われる障害で
ある。周囲の環境に合わせて自分自身をコントロールする事ができにくく、
日常生活様々な場面で困難にぶつかる事が多い。
診断は、医師によってなされる。診断基準では、
「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが評価項目としてあげられている。
こうした子供は、学齢期の児童の5〜8%ともいわれている。
不
注
意
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物事に対して綿密な注意を向ける事が出来にくい。
不注意な過ちをおかす。
その注意力を 持続することが困難。
話しかけても聞いていないように見える。
わかっている指示内容も やり遂げることが困難。
順序立てて課題を成し遂げることが困難。
精神的努力の持続を要する課題を避ける。
飽きっぽくてすぐに次の事に注意が移る。
なくしものが多い。
少しの刺激ですぐに気がそれる。
毎日の活動も忘れてしまう。
興味のもてる事には、難なく注意を向けることが出来るという面もある。
好きなことにしか集中できないのだという説もある 。
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多
動
性
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身体活動の多い幼稚園、保育園では目立たなくても、就学の段階で
は問題が大きくなる子もいる。
離席 立ち歩き 座っていられない。
座っていても、常に足や体を動かし続ける。
筆箱で遊んだり他のもので音をたてたりの手遊びが多い。
多弁でまとまりのない話しをする。
いつもと違う状況、環境では余計に動きが多くなる。
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衝
動
性
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その瞬間の行動を抑制できず、考える前に行動に移ってしまうといっ
た状態がみられる。
飛び出し。
質問が終わらないうちに答えてしまう。
順番が待てない。
会話やゲームに干渉する等、他人を妨害し、邪魔をする。
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など、行動上の問題が多く見らる。
「衝動性」だけでなく「対人的、社会的認知能力」の弱さや二次的な問題とし
ての「情緒的な不安定さ」と重複すれば、突発的な行動、対人的トラブルも起
こしやすいという事にもなる。
親の過干渉や放任がもとで、行動のコントロールができず、我が儘勝手をして
いる子とは、区別して考えなければばならない。
勿論、これらの反応は多かれ少なかれ、低学年の子には良く見られるもので
もある。その誰もがもっている部分がその年代にしては過剰,頻繁であったり、
長期、継続的、広範囲に渡ったりするなど、 診断基準を充たしてしまう場合に、
ADHDという診断を受ける事になるわけである。
ADHDとLDは、かなり合併することが知られている。
LD児の30〜50%がADHDを持つ。
またADHD児の50〜80がLDを持つとも言われる。
不適切な対応の中ではADHDの本来的な問題以上に深刻なのは二次障害が
起こってくることへの懸念である。
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カナーによって自閉症がはじめて報告されたのが1943年。この50年余りの間
に自閉症の考え方が目まぐるしく変わった。
自閉症は、情緒の障害や精神障害ではなく知覚や認知の処理過程の発達障害であり、その為、独特の偏りや遅れがあるのだという事が明らかになって来た。
たとえば 聞いたことばが脳の中で単なる雑音や騒音としてしか成立しなかっ
たり、成立しても、その意味を知り理解する事の処理がうまくいかなかったり
といった状態であると言われる。それら、意味理解力の発達が、偏っていたり
歪んでいたり等、独特の状態であるわけである。
自閉症の特徴は、
■社会性の障害
■コミュニケーションの障害
■想像力の障害とそれに基づく行動の障害
自閉症のうち、知的発達の遅れのない高機能自閉症や、知的発達もコミュニ
ケーション(ことば)の遅れもないアスペルガー症候群の子どもたちは、
一見、他の子どもと変わりなく見える事も多く、通常の学級にいることが多い。
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情報処理
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・入力の弱さ
知覚の雑音の除去ができない状態。
自分の体内の感覚が強すぎて、視覚・聴覚等からの情報が入りにくかったり、選ぶことが困難であったりする。
言語的な情報と、非言語的な情報の どちらが入りにくいかによって出てくる問題が違う。
感覚、知覚が極端に敏感又は鈍感である。
聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚等々、通常の感覚では推し量れないような困難さがある。
・統合の弱さ
知覚認知した物に意識が占領されてしまう等、自己との心理的な距離が取りにくい状態。
情報の入力や処理に余裕が欠ける状態であり、同時に処理したり、結びつけたり、並び替えたり、視点の変換をしたりといった事が難しい。
情報をまとめてその全体的意味を認知することが困難で、全体より細部の方の処理が優先されてしまいがちになる。
結果として、情報はいつまでも個別的で般化ができにくく慣れが生じなといったことも起こる。
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■社会性の障害(社会的相互交渉の障害)
幼児期は親を求めず、平気でどこかに行ってしまう。目が合わない等の特徴的な行動がある場合もある。
推測の困難
・次に起こること
・他者の立場(にたって考える事)
・自分の言動が他人に及ぼす影響
・時間、空間的なつながりの中での相手
の心の動き
・言葉や表情からの相手の心の動き
上記の推測の困難の為、ふさわしい対応を取ることができにくい。
↓
周囲の状況、場の雰囲気がわからずその場にそぐわない行動をとってしまう。
相手が知らない人でも幼児でも大人でも同じ調子で話しかけてしまう。
自己像、他者の像をとらえ、自己の社会的存在を認識したりすることも困難。
自閉症の子のバイバイは手のひらが逆になる。
疑問文のオウム返しの応えも同じ構造。
情報の処理の困難から、結果を単純に二分化してしまう傾向がある。
良いか悪いか、成功か失敗か、勝ちか負けか等々、その中間の存在を容認する柔軟性に乏しい。負けることを「悪」と捉え負けることを嫌い、楽しいはずのゲームを楽しめないといった事もありうる。
■コミュニケーションの障害
言葉の遅れ。
コミュニケーションとしての指さしや、手振りにも遅れがある。
言葉が出てきてもオウム返し、疑問文による要求、会話の困難。
「行く」と「来る」などの受動態と能動態の言葉が逆になるなどの、文法上の問題を持つ子どももいる。
言語(文法、語彙、単語の意味付け能力)自体には障害があることも、ないこともある。
抽象的な言葉の概念理解が弱い。
特定の場で聞いた記憶を頼りに、場に応じた発語もある場合もある。
文の中の1、2語にのみ反応してその他を無視してしまったり、文字通りの解釈をしてしまったり、字面以上の意味や言外の意味の理解の困難がある。
言語能力が高い場合も比喩や冗談がわからない事もある。
会話による気持ちの交流が困難等の特徴がある事もある。
人の表情・身振り・行動の意味を、読み取ることの困難や不自然な口調と声量調節のできにくさもある。
等々、コミュニケーション機能そのものの弱さがある。
■想像力の障害とそれに基づく行動の障害
想像力を駆使する遊びは苦手
人と自分の立場の違いを認識しながらの想像力を必要とする遊びは、苦手である場合が多い。
空のコップの中にジュースが入っているつもりで、飲む真似をする遊びも想像力を必要とする遊びでもあり、その延長線上のごっこ遊びも苦手。
「ふり遊び」は困難でも、そのものになりきっての「ファンタジー遊び」は得意分野である。
常同行動
回りで起きていることを理解できない段階の混沌とした世界の中でのくるくるまわる等の自己刺激行動の反復遊びを好む。
興味の限局
マークや記号、アルファベット、数字等、認知認識しやすいものに大きな興味を持つ。
同一性保持行動
順番やものの位置への固執。
見通しが付かないため、道や方法が違う事に不安。これから何処に行くのかという事を、言葉以外のわかりやすい手段で教えることで安心できる。
自己刺激、興味の限局、そして順序等へのこだわりへ
異国の街中をフラフラと歩いていて、そこに日本語の看板が遠くにあれば、他のことは見えずそこにまっしぐらに向かうようなものだと解釈すればわかりやすい。
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最近の調査では、自閉症は広い裾野を持ち、自閉症グループは百人に1人ぐらいいることが、又、知的障害を持たないものの割合も4割近くに達することが明らかになってきたという報告もある。
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