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| ペンギンおやじのカフアシスト体験記 | |
| ペンギンおやじこと中江と申します。ALSの告知を受けて4年目を迎えます。 今回は私が使用していますカフアシストについて、徒然なるままに筆を走らせてみました。カフアシストは今年も保険適用の認定審議会では、候補に挙がったものの誠に残念ですが認定は見送りとなったそうです。マスク式呼吸器【バイパップ】も登場してから保険適用までは時間がかかったと聞きました。そのバイパップの次に保険適用を受けるのがカフアシストだろうと予想されましたが、思いのほか時間がかかっているようです。この投稿が患者・家族様だけでなく一般の方の目に触れて、カフアシストの認知度が少しでも上がるといいなと思っています。 |
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なぜ痰が??? |
写真1 上はバイパップ下がカフアシスト |
| 「ALSが進行すると痰の吸引が必要となります。」多くの医学書やインターネットの情報ではよく書かれていることですが、私も自分自身で除痰出来る間はそのしんどいことはなかなか理解し難いものでした。昨年春まで座位がとれ椅子に座って食事も取れたので、痰が出ても無意識のうちに唾液と共に飲み込んでいたんだなと思いました。そして夏、頭の怪我で緊急手術、あと1ヶ月半の入院、退院後に自宅に戻った私の体の状態は入院前とは比べものにならないくらい悪くなっていました。介護ベッド・リクライニング機能付車椅子・バイパップ・吸引機・オプティカルオキシメーター【光学血中酸素濃度計】、家の機械化は一気に進みました。オキシメーターの数値は | ![]() |
| 95〜96%を示していたのですが肺活量が思いのほか落ちていて、その為か痰の切れが悪くなっていました。入院して初体験は鼻チューブからの経管栄養摂取と痰の吸引でした。吸引の最初はなかなか思うように取れません、そのうち吸引してもらう患者側の方も、鼻の穴に吸引のカテーテルが入って来た時はいやな顔を見せずに咳払いをしたり、口に入って来た時は咳き込んで痰を吸引してもらい良い位置まで持って来る気構えと努力が必要だとわかりました。入院時、手術後から痰のからみは気になっていたのですが、その頃は3〜5回くらい咳をすると痰がいい位置まで上がって来たのですが、しばらくすると5回では出なくなりその回数も増えるいっぽうでした。そのうちに回数ではなく分単位で休み休み10分くらい咳き込んでやっと出る感じになるようになり、これが一日に数回こなすだけで私にとってかなりの重労働となりました。それでも咳き込もうと思い咳がタイミングよく出せるうちはよかったのですが、そのタイミングも思いの意のようにならなくなって来て、看護師さんが吸引カテーテルをかまえて「はい!咳き込んで!痰を上げて下さい。!」努力していますがそう言われても、状態で少し悩んでいました。その時主治医の神経内科クリニック、川上先生からカフアシストの紹介があり、私の除痰イメージにピタリとあてはまるものでした。 | |
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カフアシスト??? |
写真2 真ん中が陰陽圧力計、その下に吸排気の圧力・時間調整ツマミが並ぶ |
| カフアシストはその名のごとく「カフ=咳」、と「アシスト=補助する」の造語ですがその機能は人の咳のイメージどおりの動きをします。肺に空気を吸い込み溜めて、そして溜めた空気を一気に出す咳、この動作をカフアシストは機械的に再現します。簡単に説明すると吸気機能用に空気を送り出すコンプレッサーと排気機能用に空気を吸い出す掃除機を合体させたような機械ですが、しかしカフアシストは咳を再現させる為に吸気・排気共に空気の圧力と量をそれぞれ個別に正確に設定出来るのが特徴です。 | ![]() |
| カフアシストは単に咳を補助する為だけのものではありません。主治医の川上先生からカフアシスト導入のねらいとして下記3点の説明をいただきました。 @ 吸気時、送られる高い圧力の空気で肺を広げリハビリ効果 A 本来の使い方、痰を取る除痰効果 B 唾液や経口摂取で誤嚥した物を排気機能で取り除く誤嚥防止効果 以上それぞれの効果共に肺炎の原因となる因子を含んでいる為に、カフアシストは肺炎を未然に防ぐ肺炎防止機器と言えるのではないかと思います。 |
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カフアシスト−−−インタビュー |
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ここからはペンギンおやじの主観的な考えや想像が入ります、痰の位置などは内視鏡やレントゲンで確認したわけではありません。あしからず。 |
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| @ リハビリ効果−−PTの先生が行う胸郭が固くならないようにするために肋骨を左右から押して動かしてくれますが、カフアシストは空気の圧力で押し広げます。カフアシストをやってもらう訪問看護師さんが「よくふくらんでいますよ!!」と言ってみんなが驚愕の声を上げます、私の使用感はよく空気が入った時は肺がメリメリと音がしそうなくらい広がります。使い始めて9ヶ月肺活量は落ちることなく維持出来ています。−−−非常によかった | |
| 落丁部 以下の文章が 会報誌59号 P32の次ページとなります。 | |
| A 除痰効果−−痰が気管支や声帯に溜まりゴロゴロと言い出すと、本当にイライラさせられる。出そうで出せないジレンマとゴロゴロ音が、長時間私を悩ませる。そこで吸引で痰を取ってもらうのですが、喉の奥の痰は口からのカテーテル挿入で、口蓋垂【のどちんこ】の裏の痰は鼻からのカテーテル挿入で取ってもらえます。 しかしそこから、気管支にあるような痰にはカテーテルが届きません、正確に言うと看護師さんが気管支にカテーテルを挿入しようとすると、挿入の苦しさから患者の体がかってに拒否反応を起こし入りません、私も何度かチャレンジしましたがうまくは行きませんでした。このような痰や肺の心深部の除痰には有効です。また気管切開の患者さんにも使えるらしいので使用される人は広がると思います。−−−たいへんよかった | |
| B 誤嚥防止効果−−私と胃ろう君、経管栄養摂取とのつきあいは入院時からですが、退院時の診察で舌の動きが悪いと言われ絶飲絶食令が出ました。退院したのは8月の盛り、夜暑さと寝汗で目が覚める。誰かが冷蔵庫の扉を開けて麦茶を注いだ、ゴクゴクと音が聞こえる。おもわず飲みたいと思ってしまう。口から何も取らなくなって半年近く、カフアシストがやって来た。そして先生の診察後、看護師さんの管理のもと少量ながら経口摂取の承認をいただきました。最初に何を口にしたか?それは麦茶です。一口入った麦茶は驚くほど香ばしく、そののどごしは冷たくおいしいもので、まさにビールにも勝るとも劣るものではありませんでした。次回は泡の出る麦酒をひそかにたくらむペンギンおやじです。口から味わえるのは味覚だけではありません。ベッドの上は季節感は少ないものですが、その季節を感じることが出来るのです。たとえば果物、夏の桃・スイカ秋のリンゴ冬のミカン、ミキサーを使うので形と食感はなくなりますがそこは昔の記憶を引っ張り出して、口の味と風味を合体させるのです。いろんな物を食べてみたいという食欲は、楽しみとなり明日の希望へとつながります。このことで私のQOL【クオリティー オブ ライフ】の数値は一気に跳ね上がりました。−−−すばらしくよかった | |
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カフアシストへの思い |
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| 訪問看護師さんがカフアシストを使っているのは私しか知らないと言います、しかしカフアシストを奨めたい紹介したい痰で苦しい思いをしている人はたくさん知っていますとおっしゃいます。 医師や看護師さん達も多くの患者を見ながら保険適用の認可を受けていたらと、はがゆい気持ちを持ち続けていると思います。 カフアシストが早く保険適用の認定機器となり、多くの本当に必要としている人々が使えるようになることを望みます。 2008年8月 |
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