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心象スケッチ32
ヘルパーさんがいない
          奈良市 杉本孝子さん
ヘルパーさんがいない

ヘルパーさんがいない。ヘルパーさんが突然消えたわけではありませんが、介護者の人材不足です。最近、特に困ったことのひとつです。介護施設なども人手が足りないと聞きますが、在宅でも同憂です。条件のよいところに就かれるのでしょうか。

私の療養生活は早朝7時〜夜間タイムまで、訪問看護、介護のケアで維持できている日中独居です。人材確保は死活問題に匹敵です。当節、おそらくホームヘルパーの資格を持つ方はけっこういると思うのですが、扶養範囲内で、子供が学校に行っている昼間帯に働きたいと考える主婦ヘルパーは多いようです。確かに低学年や幼児を抱えて無理だと思います。核家族や家族の協力が得られないなど働きたい人が働けない社会構造であったり、或いは地域性もあるのかもしれません。一概にはですが、独身の若い方は家事などの生活支援を必要としない介護施設に就職されるとも耳にします。在宅派にとっては在宅介護職としてフルに働きたいと思ってもらえるとうれしいですね。
やりがいのある魅力の職種

近所の一般の訪問介護事業所ではこちらが希望する曜日、時間帯に対応できるスタッフがいないと断られます。毎日入りの要介護度の高いALSのような利用者は少ないでしょう。なにを優先するかですが、そのような個人の問題を真剣に取り合ってくれる事業所探しは宝くじに当たるより難しいです。            

 実際、誰でもすぐにケアに入れるわけではなくて、私のALS語も理解してくれる方でないと困りますし、何回か研修をする必要があり、研修の途中でやめる方もいます。個々のニーズは多様です。対応できなければ意味をなしません。人と向き合って人を介護することは決して楽ではないと介護を受ける側も感じますが・・・。

 本来、病める人と接する介護職は責任のある職種であり、やりがいのある魅力の職種だと思いますが、心身ともに負担も大きく見合うものがなくては続きません。看護師不足も同じかもしれませんね。看護も介護も人材を確保するのは容易ではないです。他の職業に就いていて失業したから介護職にと言われる方もいますが、こちらに人が大勢いるからあちらにとは本末転倒です。

 若い人達はこの仕事では収入の面で、家族を養っていけないから結婚もできないと・・・腰かけ介護職となり、将来に期待できなくて別の職種に転職されると聞きます。一時期、介護福祉士を養成する学校も盛んでした。厚生労働省のHPには介護職の質の向上を記述していますが、取りあえず間に合わせ的なやり方では本当に介護職を目指す人の育成はならないと思うばかりです。それなりの保障もされるべきですが、ますます待遇は鈍化しています。
毎月、綱渡り状態でようやく

今私は、毎月、綱渡り状態でようやく回転している介護者不足の境遇に陥ってしまっています。ケアは休みなく、慢性疾患に慢性的に人手不足です。特に、土曜日や日曜日、早朝や夜間のヘルパーさん不足で、私と同じように困っている方がきっとおられると思っています。長期療養となって介護者の高齢化もありますが、不自由している曜日や時間帯に入れる介護者は限られます。一部の介護者に負担が集中すると持続しません。

 ALS患者の大変な介護は今に始まったことではなく、ALSだけでなく、介護の人手不足はずいぶん前からすでに言われています。深刻化しても、対応策は考えられているようにも思えません。いかにものんびりだと思ってしまいます。

 それぞれに理由もあるのだと思いますが、私の苦手な介護施設などでは好んで夜勤等を希望される方もいてそれなりにメリットがあるようです。在宅の介護者にもメリットを設けてもらえたらよいと単純に考えます。今年度(4月から)の、利用者に負担を課す介護報酬の改正は社会的弱者いじめのようなものですが、介護者にも反映されるような報酬改正でなければ意味がありません。
元から少ない時間数では問題外

今年の4月から介護保険と障害福祉サービスの介護報酬が改定されています。介護保険は利用者負担が増え、障害福祉サービスの自己負担額は変わらず基本単価が高くなっています。これは少し上乗せされていますが、以前の単価に戻っただけです。

 改善されない! なぜ? 私個人のことからですが、現場の状況はわかっていないのでしょうか? なぜそうできないのでしょ? 何度も疑問を感じてきました??の疑問符です。

 介護面でも問題点をひとつひとつ改善されて然るべきと思いますけれど、ALSは胃ろうの注入になれば長時間。吸引が必要になれば24時間です。そうでなくてもひとりで居ることは避けたいことです。何かあれば対処できません。

 重度訪問介護は長時間の見守りを含むと言いますが、私の重度訪問介護でのケアスケジュールは短時間の集中型です。身体介護的な計画は妙だと我ながら感じていますが、少ない時間数ですから毎日、長時間は無理な部分もあります。私の介護ができるヘルパーさんがいなきゃ話にもならないし、前途多難です。当該事業所など重度訪問介護のサービス提供責任者の基準緩和も図られているようですが、元から少ない時間数では問題外です。
介護者の人手不足は蔓延

在宅は家族が同居していれば家族に介護負担は不思議と当然のごとく発生します。介護保険は家族で介護するのは大変ですから社会で担っていきましょうと介護が必要な人のために設けられた制度。介護保険制度がはじまったころの理念と今は大きくくい違っています。

 私の愚痴にしかならないのでしょうか、糸は絡み合ったまま、問題解決の糸口も見つかっていない状態ですが、問題提起をしないと現状でよいとされてしまいます。常々、思うことですが。

 また逆に、自主防塞! 自分でできる範囲でするしかないと意志強固にも思ってしまう厄介な性分です。

 「あした天気にな〜れ」と天に舞上げた片方の上履きはアーチをえがいて青空に舞う。そして、まだその行方は知れず。頭をかしげ、思案をしても、解決策は見出せない私がそこにいます。

 五月晴れのよい季節にこれまた荒天のごとく新型インフルエンザが蔓延しそうな状況です。このような事態に介護者の自宅待機なんてことになれば・・・Wパンチ! 介護者の人手不足はすでに蔓延していると思う昨今の私です。
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