| ◎ アンケート回答 ご紹介 1 |
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「ご意見を自由にお書きください」に答えて
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| 1、用紙の裏まで数枚に書かれた3人の方のご意見 |
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| 娘のAさん 78歳の母親を介護しています |
| 呼び出しベルの合間に記入 |
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進行の早さ
家族として、菅野幸男さんの件については、これからもずっと考え続けなければならない課題だと感じています。
母は現在78歳ですが、頸部の不調を訴え始めたのが一昨年の6月頃でした。それまでは現役の歯科医として元気に診察に携わっておりました。昨年7月にALSと診断され、その後は急速に進行して、10月に胃ろうを造設し、本年2月に人工呼吸器を装着しました。現在は右手指先と足がわずかに動くのみになっています。横で見ていても一週を待たずに病状が進行していくのがわかりますから、当人にしてみれば、日々
刻々自分の体の変化を感じていることと思います。 |
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人工呼吸器の装着について
人工呼吸器の装着にあたっては、高齢であることと球麻痺から始まっていて四肢はまださほど冒されていなかったこと、介護者が私1人であることなどから、当初は否定的で、24時間365日の介護が必要なこと、療養が長期に渡るだろうこと等念押しされ、とりあえずNIPPV(鼻マスク式人工呼吸器)を使ってみてはどうかと勧められました。胃ろう造設と同時にNIPPVを導入しましたが、鼻閉などから乗り切れなくなり、ぎりぎりの呼吸不全の状態で気切しました。その後は在宅に向けて、病棟の看護師長さんや在宅看護相談室の室長さん等にアドバイスを頂きながら、人材確保と環境整備に奔走し3ヶ月かけて在宅に移行することができました。
現在は平日の午前中と、土・日の夕方は准看、介護福祉士の資格のあるヘルパーさん3名と、平日夕方4.5時間と土・日の午前に訪問看護師さん8名の交替で看てもらっています。
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介護に携わってみて
実際介護に携わってみて、私の気持ちが、昼間の数時間と夜間8時半から翌朝9時までとはいえ、その間はずっとしばられた状態で、トイレも食事もままならぬ状態が休みなく続くと、精神的な疲労がたまってきて、余裕がどんどんなくなってきてしまいます。本人も恐怖感や不安感で押しつぶされそうになっていて、うつ状態になったり、様々な神経症的な要求が出てきたり、体調の変化になって出てくるので、メンタルな面での介護が本当は一番大事なのでしょうが、こちらに余裕がなくなってくると、そういうフォローができなくなってきてしまいます。
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家族の休養のための短期入院=レスパイトの必要性
往診医の先生や訪問の看護師さんなどにレスパイトを考えるように助言されていたのですが、コミュニケーションの難しさや本人の精神状態の不安定さからなかなか踏ん切りがつかずにおりましたが、今回たまたま胃ろうチューブが抜けるトラブルがあり、再造設で入院することになりました。病院の主治医の先生も師長さんもレスパイトの必要性をよくわかっておられ、10日間の入院中はゆっくり休むことができました。1人になれる時間を持てたことで、もう一度、母のこと、自分のこと、家族のことや介護のことを見直すことができました。
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お互いに距離を置くための時間が必要
本人にとっても24時間常に誰かがそばにいるという家庭介護から一担離れることで甘えの気持ちから一寸離脱したように見えます。お互いに距離を置くことで視点が変わり、見えなかったものが見えてきたように思います。
病状が進行すればするほど閉じこもりになってしまう病気であり、介護者もまた共に深みにはまってしまいやすいのですが、介護者が自分を見失わぬためにも、外の空気に触れること、距離を置くための時間を持つことはとても重要なことだと感じました。 |
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レスパイトの難しさ
しかし残念ながら、こういったレスパイトを目的とした入院をさせてもらえる病院や施設が現在はほとんどありません。レスパイトの必要性がわかっていながらも、他に入院加療の必要な患者が多く、ショートスティをとり止めた病院もあるようです。また人工呼吸器装着者を受け入れ可の施設があっても、医療面を含めてALSの場合扱いが難しく、十分な対応をしてもらえるか不安もあります。コミュニケーションに問題があり、体の自由もなくして些細なことにも過敏に反応してしまうこともあり、介護者との慣れや信頼関係は大変重要です。
また移動上の問題もあり、あちこちを転々とすることはできません。長期に渡る療養の間には介護者が病気になる事もあるでしょうし、その他の理由で介護が不能になる事もあるかも知れません |
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ALSに対応できる体制、相談できる窓口
難病患者が在宅で安心して暮らして行く為には、地域でどんな事でも相談できる人材に恵まれ、在宅支援が得られることと、柔軟に対応してもらえる病院施設は欠かせないものです。訪問看護ステーションやヘルパーステーション等も数多くありますが、それぞれに向き不向きもあるようで、どのような人を対象に活動をしているのか、ALS等の疾患に対応できるのかどうか、また往診医や病院などとの連携はどうかなどの情報を得る窓口も必要です。大塚先生の書かれている通り幅広いネットワークづくりと十分なサポート体制があることが在宅療養には欠かせないものだと思います。
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本人の価値観や精神力
ただし、まわりでどれだけサポートしても、手をさしのべても、最終的には本人の価値観や精神力が事を左右するのではないでしょうか。置かれた状況や今までの生きてきた道筋や、生まれ持った性格などによってもとらえ方は様々に変化するものだし、「子が親をみる」のか、「親が子をみる」のかによっても、状況は異なります。
私の場合は、母をみているので、私よりもはるかに多くを見聞し、生き抜いて来たことに敬意をもって、一人の人格をしっかり位置づけることができますが、親が子を看る場合は「かわいそう」の気持ちに発した悲観的な思いを持ちながらなのではないかと思います。また子が小さく成長過程ならば、親もわずかなことにも喜びを見出し、前向きに生きていけるかもしれません |
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安楽死、答えは出ない
安楽死についても随分以前から討議されていることですが。永遠の答えの出ないテーマのような気がします。歴史や現在地球上で起こっていることをみると、こうして人間一人の生死を深く考えられることは幸せなのかも知れません。
母をみていて、病状の進行が早く気持ちがついて行かぬことも多々あるのですが、今出来ることに目を向け、一日、一時を大切に過ごしたいと思っています。 |
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| 息子のBさん 70代の母親を介護しています |
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住む市町村によって格差があり過ぎる
母親は発症後すぐ呼吸器装着、在宅人工呼吸8年。この間介護中心の生活を送っている。週の訪問看護利用時間4時間。支援費も何度交渉しても却下。支援費制度について「介護保険以前から介護人制度を利用していた人は支援費利用可で、そうでない人は不可。介護者の人数、経済的事由、病気の進行度等々、家庭の状況も見ないで決めつける市自体が病気。各市町村により格差がありすぎる。
親(患者)が年金もなく、支援費制度も認められないので、介護者は就労することもできず、生活保護の条件にも合わない。患者・介護者は一体どうしたらいいのでしょう。これを書きながらもあきれ果てて笑っています。 |
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延命の条件は二つ
事件の息子さん(患者)の死にたい気持ちは、立場は違いますがわかります。私自身この病気になれば延命行為はしないでしょう。でも条件が2つ整えば考えるかもしれません。
一つ目は家族がいろんな意味で余裕をもって介護できる状況にあることです。患者の病気のつらさもさることながら、介護者のつらそうな姿をみるのは患者にとって耐え難いものだと思います。
二つ目は愛する人がそばにいる。配偶者であったり、子供や孫であったり、恋人であったり。そしてその人が自分のために生きていて欲しいと懇願した場合です。
この病気になって死にたいと思うのは当然のことだと思うのですが、死への恐怖、生への執着があるとも思うのです。愛する人がそばにいてくれれば、その人の成長、行く末をずっと見ていたいという気持ちが生きる方へと導いてくれるように思うのです。ただ生きているという事だけで、その人の役に立つと思えば生存することの意味や価値も深く、高くなると思います。 |
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「生きる」という仕事を担ってもらう
私は母には「生きる」という仕事を担ってもらっています。母が生きているだけでうれしく幸福を感じます。「私のために長生きしてくれ」と抱きしめて頼むとゆっくりですがニッコリした顔になります。それを見ると私自身も負けてられないと思うのです。3年までは私がノイローゼになり母に暴言を吐いた事もあります。すると母も頭が少し変になり訳のわからないことを言ったり、死んでしまいたいと言ったり。不思議なもので、患者と介護者は、気持ちや体調がうつるんです。そんな時、呼吸器のスイッチを切れば二人共楽になれるのかなぁなんて想像したこともあります。
神奈川で起こった事件のご家族は、こういう時期だったんだろうと思うのです。人工呼吸器療養をしている家庭ではどこでも起こりそうな事なのです。特に菅野さんのところは、高齢の母が介護者で息子さんが患者と逆転していたため、お母様の心労は計り知れないものがあったと思います。難病患者・家族の精神的、肉体的、経済的ケアのシステムを確立して欲しいと強く望みます。 |
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| 夫(67歳)のCさん 60代の妻を介護しています |
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介護保険制度は事業者の言うなり
介護保険制度が始まるまでは無料だったのに、介護保険制度が始まって、患者負担があり出費が多くなった。何事にも規制があり、希望が通らず、ヘルパーステーションや事業者の言うなりになるしかない。訪問看護は、週4時間以内と言われた。
ヘルパーさんに吸引してもらわないと、せっかく来てもらっても、常に家族が立ち会わなければならず、仮眠や外出ができない。早くできるようにしてほしい |
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短期入院の問題点
ショートスティ42日間入院、介護者の狭心症により。行き届いた介護がなされないために家族が自主的に付き添いに行かざるを得ない。(言葉が通じない)病院も迷惑気味で、他に入所できるところを探してほしい、またはソーシャルワーカーと相談するよう促がされた。探してもなかったので、かなり介護者は疲労している。
また入院するたびに病棟と看護師がかわるのでいつまでもお互いになれず不便。
入院先がいくら受け入れてくれると言っても、同じ病棟病室に徘徊する人がいたり吸引できるスタッフが極端に少なかったりすると、安心して頼めない。 |
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患者として
残酷な進行に負けて、また介護者の夫の発病(心臓病)などが重なり、死を選ぶ権利もあると思い渾身の力を込め舌を2回かみましたが、しびれと進行と自己嫌悪だけが残りました。どうかその男性のお母様への寛大な処置をお願いします。
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家族として
家族は介護で手いっぱいで生活に追われ、患者の生き甲斐や精神的ケアを十分にしてやる時間がない。また介護者が疲労すると患者についつい当たってしまうこともある。もう少し、制度制度と規制せず、個々の状況にあった社会的ケアや受け入れを整えてほしい。ヘルパーの吸引、ショートスティ先の確保をしてほしい。介護者、患者と病院が対等でありたいし、介護者、患者両方の生活のゆとり、生き甲斐がほしい。
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