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◎ アンケート回答 ご紹介 3

「ご意見を自由にお書きください」に答えて

3、事件について

会報47号に既報の、在宅人工呼吸器の患者さん(40歳)の母親が、人工呼吸器を操作して息子を死に至らせ、自殺(未遂)を図るという事件がありました。裁判にもなったこの事件に、自分の体験を重ねてのご意見が多いようです。
  苦しい時を乗り越えて現在――75歳の在宅人工呼吸の男性の妻
 会報を拝見してびっくりしましたが、私も気管切開当初のことを思い出すと他人事ではないと胸が痛くなりました。呼吸器を外したらどうなることかということは承知しながら、落ち込んでいる時は心の中で呆然と何かを考えていたことがありました。いま初めて口外いたしますが、恐ろしいことを考えたものだと。今になれば苦しい時を無事乗り切って現在のあることを感謝しています。

それに母親とつれあいの違いも多少はあるのではないでしょうか? 我が子の苦しむのを見ておられたお母さんの気持ちは想像を絶するものがあり、疲れも頂点に達していたのでしょう。ただ「気の毒」とか「かわいそう」ですまされるものではありません。胸が締め付けられる程痛みます。決して他人事ではないのですもの。

(介護者にとって一番必要なことは何ですか ? )

在宅での生活のリズムが出来上がっているため、今の状態で私はいいと思っています。入院すると、車に乗れないのでバスの不便なこともありますが、私の身体自体、歩くのがきつくなりましたので、家に居てくれることが一番です。
○ 他人事ではない
 
スーパーマン役の俳優に介護が必要になったとき、お医者様から「奥様を介護者にしないように」と言われたそうです。患者さんは本当にお気の毒ということはわかっていますが、介護をする家族もそれと同じくらい大変なのだということをわかってほしいと思い、会報を読んで涙が止まりませんでした。他人事ではなく、お気の毒でなりません。
○ 毎日が闘い
 
患者は家族を巻き込み、毎日が闘いです。24時間、仮眠状態でがんばっているのです。21世紀のこの時代に、いまだにこんな事件が起きる事が許せません。1日も早く体制が整う日が来る事を願っています。
○ 収入面での不安
 
大切な家族なのでできるだけのことをしたいと思いますが、介護する側もストレスや、将来の不安を感じたり、体力的にもALS患者の介護は大変です。しっかり受け止めてくれる人や施設が周りにたくさんあれば、不安や心配は少しでもやわらぐと思いますが、どうすれば良いのか私にもわかりません。介護しながら収入を得ることができれば、物質的での不安も少なくなると思うのですが。事件に関しては本当にショッキングであり、他人事ではありません。私も主人(発症して4年、気管切開・胃ろう造設)の介護をしていて、介護の大変さを身にしみて感じています。私はこの患者さんと同じような年齢ですが、介護者が母様となると相当な負担もあったと思います。そうした中、懸命に頑張ってこられたお母様のお気持ちを考えると涙が止まりません。二度とこんなことがないように、充実した公的サービスがとても重要な課題だと思います。
   相談できるシステムを――44歳在宅人工呼吸の男性の妻
  患者が哀願したり、他の家族がいても孤独に感じたり、精神的に参っている時は無意識のうちにしてしまうのではないかと思う時がありますが、残された家族(子供)の事を思うとどこかで歯止めがかかります。「従来の家族介護でなく、他人に、プロに任せないと、自分が持たない」と思うと少し楽になります。もう少し、行政や保健師やケアマネジャーに相談しやすいシステム、受け入れがあったらこのような不幸な出来事にならなかったのではと痛感します。

主介護者が心身共に疲れ切ってヘロヘロになった時に話を聞いて欲しい、理解して欲しいと患者に訴えても、余裕のない患者は主介護者の疲れたつらい顔を見ると「迷惑をかけている」「安楽死したい、難病の子どもに臓器移植をして役に立ちたい」等々。主介護者は「もう十分迷惑をかけている」「出来る限りのことはやっている」「これ以上何を要求するのか…」とまったく歯車がかみ合わない状態になる。「疲れた。こっちが死にたいくらい…」「こっちが先に死んでしまうかも…」。人はたくさんいるのにラッシュアワーのホームに残された者や、孤島に追いやられた者の気分。今まですぐに解決の糸口が見つからなくても話を聞いてくれる患者会や訪問介護のメンバー、友人などがいたから、やっと在宅4年目まで続けて来られたと思っています。今回の件は誰もが起こす可能性があると思いました。

頻回の吸引や訴え、体力のいる介護、心身ともに安定していない時は逃げ出したいと思うのが本音です。いろいろな制度やサービスがうまく作用していない状況や、先の見えない介護は共倒れになる可能性も高く、親子であれ、夫婦であれ、兄弟であれ、離れてみて良さを再認識できる機会を作ることにより、もう少し頑張れたり、お互いにやさしくなれるのではと思います。制度として、必要な人に安心して利用できるショートスティを切に望みます。

ショートステイについて:
 
胃ろう交換のため2日間入院した在宅人工呼吸の40代男性の妻は、「準夜は3人、深夜は2人の看護体制のため、対応してもらうのは難しく、公立病院であるが、同意書を提出して、夜間は事業所の介護ヘルパーに依頼した。入院翌日の早朝も、看護師は患者とコミュニケーションを取れないので、早く来てくださいと電話がかかってきた。結局は24時間の付き添いが必要だった」。現在は往診により胃ろうチューブの交換をしているので、2年間入院していない。
    家内の涙を見て我に返る――55歳の男性患者。
 発症7年在宅人工呼吸3年。他人事としてすまされない思いです。私も進行につれ機能が除々に失われていきます。その時々の体調等によって思いは様々です。意思伝達がうまくいかないとき、数時間、誰の顔を見るのもいやになり、自分自身がいやになります。訪問看護、介護、リハビリ等、ありがたく感謝すべき事でも、時間に追われストレスになることもあります。また、その間家内は他の用事をし心身が休めているように思えません。めったにありませんが、家内の疲れた顔を見るのが辛く、不安です。そんな時、自分がいなければ、なぜここまで辛い思いをして生きているのかわからなくなります。家内の涙を見て我に返り、妻、家族に甘え、また、たくさんのご支援を受け頑張ろうと思い直します。患者本人、家族介護者両方にとって本当に過酷な病気だと思っています。ひとつ間違うと心を病んでしまいます。

○ 24時間365日の介護――47歳鼻マスク式人工呼吸の男性の妻
 個々の意見は十人十色、むずかしくて答えが出せない。患者の生きる権利もわかるし、介護者のひとりの人間としての自由がない生活の苦しさ、先の見えない24時間365日の介護のつらさもわかるし…!! でも毎日少しでも主人が楽しく暮らせるように頑張ってきて、あっという間に2年が過ぎました。先々の事は考えられないのが現状ですね。

    明るい方へ気持ちを修正――73歳の男性在宅人工呼吸の妻
 私も70歳になり、体力的にも気力的にも介護するお母さんの気持ちがよく伝わります。明日は我が身かと他人事ではありません。特に患者と2人で雨天の時など、どうしてこんなに苦しいことをしているのか、早く楽になりたいと思っているのかなど、思ってしまいます。じっと見つめる目は菅野さんの心と同じと47号を読んで思います。でも明るい方へ気持ちを修正しているつもりです。近畿の機関誌は血が通っていて励まされます。
    同じ状況を経験――52歳の在宅人工呼吸の男性の妻
 事件は他人事ではない。全く同じ状況を経験している。死なせてくれと懇願された事は、同病の介護者なら少なくないだろう。周期的に繰り返される。とても辛い。今回の事件については本人は知っているかどうか知らない。あまりに生々しく身近な話で、この件についての意見は求めていない。
    からだが疲れてくると…――
 60歳の在宅人工呼吸の夫を介護する妻  まだ若い男性だから他人の世話になりたくなかったのでしょうね。まわりに説得する人がいなかったのかしら。お母さんの大変さは身につまされます。からだが疲れてきて、頭がボーッとしてきたら、いま何をしようとしているのか、何を言っているのか、発した言葉でハッとしたりして、自己嫌悪に陥ったりします。でも孫の顔を見てガンバッてます。(発症後8年経過)
    10年という時が経過
 心の痛む事件ですね。私の心は今落ち着いています。家にいるばかりで介護の日々、うつ病などになるのでは……と思った時期もありましたが、10年という時があきらめと思いやりにかわり、娘に交替してもらい、自分の好きな時間を過ごすすべを見つけました。お母さんにも女性の相談する方が身内の中でおられなかったのでしょうかね。ALSになった家族にしかこの苦しみはわからないと思います。*(発症11年、在宅人工呼吸9年、夫、妻とも60代。現在のストレス解消法は、「友達や妹たちと食事会やカラオケ、コンサートに行きます。帰りはスッキリした気分です」)
    介護に疲れてなかったら事件は起きなかったか ?

家族(妻)として――お母さんは介護に疲れていたから息子の呼吸器を止めてしまったのか?介護に疲れていなかったらこの事件は起きなかったのだろうか? 確かに介護体制が整っていれば、この事件が起きる確率はずっと低くなっていたと思う。この患者さんのHP「福寿草」を見せてもらったけれど、前向きに生きていこうとしていたのに、病気の進行と共にどうにもならない絶望感にとらわれてしまった。そして母親は息子の絶望感とシンクロし、一体化した結果ではないか。母親と息子という関係も見逃せないような気がする。

私は夫を殺さないけど、息子が同じような状況になったらどうするかわからない。

 患者として――今回の事件についていえば、介護体制が整っていれば起きなかったとは言い切れないと思う。自分自身も死なせてほしいと頼むかもしれない。
    在宅のバックアップ体制は必要
 菅野さんの件、新聞を見た時ショックでした。私たちも告知を受け4年目です。病気を受け入れる余裕もなく、若いゆえ進行が早かったこと、人工呼吸器をつけお母さんも24時間介護がどんなに大変だったことか。主病院はどうしてもっとケアできなかったのか? 在宅療養にとって病院、地域社会のバックアップ体制は最期まで必要です。
    何でも話して気持ちを軽くする(60代の男性・呼吸器装着、介護の妻も60代)
 私も主人が180pあり、結構がっちりしているので一人で介護は大変です。この度の事件、お母様は一人でお苦しみになったのだと思います。私はヘルパーさんや訪看さんに相談して何でも話して気持ちを軽くすることができます。二度とこのような事件が起きないように、もっと周囲が理解してほしいと思います。
    ひとり残されるなんて考えたくない(夫婦60代の2人暮らし)
 最近、死にたいと言うようになり、10年もこのような状態で本人の気持ちもわかるのですが、たくさんの人にお世話になり、自分ももう限界やと思う時もあり、それでも一生懸命頑張っているのに、もう少し前向きに残っている機能を使って挑戦してほしい。やはり妻としては一日でも長く一緒に暮らしていきたいし、一人残されるなんて考えたくない。目がさめているとずっと呼びつけて、食事も最初から最後まで座ったまま済ませたことがない状態ですが、皆さんも同じでしょうか。

○  同じ悩みにぶち当たるかも(発症2年目の60代のご夫婦)
 会報47号を読み、本人(夫)も介護者も他人事ではないと思いました。お母様の気持ちは痛いほど理解できます。これから私共も、もしかしたら、そんな悩みにぶち当たる可能性を持っているかも……と考えました。

○ この先何年介護ができるか*(夫70歳 呼吸器装着 闘病11年)
 私も67歳となり、今年は肩の腱盤(?)が切れ手術、その後に指の関節症となり節々が痛く、吸引と体位交換は力がなく困っています。この先何年介護ができるか不安です。

○ 無理をせず我慢せず泣きながらがんばる
 会報読ませていただき、涙があふれ、何度も何度も泣きました。私も1人で介護していますので、いつあのような事件を起こしかねないかもしれません。でも幸い主人は元気なので介助しやすいです。おとなしい主人なので、私も一生懸命無理をせず、我慢せず、主人の前で泣きながら頑張りたいと思います。*(発症から半年で呼吸器装着、夫60代、妻50代、在宅人工呼吸2年目)
○ 行くところがありません
 本当にお気の毒だなと思うと同時に、他人事ではない、いつか自分たちにもそんなことがあり得るのかもしれないと思いました。今は身体障害者療養護施設でお世話になっていますが、本人の精神状態がもたず、近いうちに退所することになりそうです。そうなれば行くところがありません。病状もそうですが、環境も数ヶ月先がわからないし本当に大変です。誰に相談していいかもわかりません。*(一人暮らしの義父の世話をする息子の妻)

    1年余で、進行早く余裕がない
 他人事とは思えない。公的な支援を増やしてほしい。患者や家族へのケアが不足。病院、医師は期待できない。告知後1年余で、上下肢不能、構音障害進行、経口摂取不能、進行が早く、患者・家族ともおたおたしています。しかも腸ろう造設がうまくいかず腸閉塞を併発し、80日以上に入院が長引く中で歩けなくなり、構音障害も進みました。入院前にはどうにか食事もし、ぼつぼつ歩いていたのにと思うとたまりません。パソコン(足で入力できる)の練習も始めていたのに中止したままです。会にもメールなどで相談したいことは多々ありますが、入院付き添いで時間も余裕もありません。
   ひと任せにできない(夫73歳・呼吸器装着 介護の妻69歳)
  症状が悪化して病院に入院している時でも主人の事は私が一番分かっていると思い、そばを離れられない気持ちで、看護師だけにはまかせられない、となるべく時間をとって付き添ってきました。今は、患者は無理なことは一切言えなくなりましたが、何でも自分でしないと気がすまない私ですので(人任せにできない)、これ以上の負担が増してくれば私も同罪になりかねないと思う時もあります。
    「死にたい」に、つらくて泣いた(夫50代 呼吸器装着)
 主人も以前は「死にたい、楽になりたい」と、毎日私に訴えていましたから、それが辛くてよく泣きました。だから菅野さんの親子の気持ちがよくわかります。お母さんがかわいそうで涙が止まりませんでした。
   同じ事件が繰り返される前に家族様々な事情があり、人数が少ないなど身内での介護には限界があり、絶望的な状態になる前に社会制度を組まなければ、また同じような事件が繰り返されると思う。*(呼吸器装着の60代後半の母親を介護する別居の娘)
   なぜ他人に任せられなかったのか――女性患者
 24時間365日、主におひとりで介護をされ、心身共に限界の状態で支え続けたお母さんの苦労を思うと心が痛みます。と同時に、介護を受ける側も誰よりもそれを感じるところですし、想像をはるかに超えた辛い状態だったと思います。なぜお母さんの介護のみでなければならなかったのか。他人に任せられなかったのか。今の介護のあり方など鑑みると、経済面や介護力、患者、家族に対するメンタルケアの欠如、不備な現在の社会保障制度、ひとりの人間として尊重された環境では決してないことなど…、更なる悲劇を懸念します。早急に具体的な対策を願いたいと思います。*28年の闘病、車椅子利用。経口から食事。長く無年金状態にあったが、4月に助成手続きをとった。)
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