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☆総会講演

自動吸引装置の開発と

    ALS患者の人工呼吸器療養について

        山本 真 先生(大分協和病院 副院長)

吸引が自動でなされたら、患者も家族も1日中の頻繁な吸引から解放されることになります。吸引をヘルパーさんに頼みたいのに、引き受けてくれる人が少ないという現実も問題ではなくなるのではないか。吸引が自動でなされたら、多い人では1日50回前後も必要とする吸引のたび、呼吸器のアラームと吸引器のバリバリ音にいらだった患者さんと家族の神経も和らぐのではないか。山本先生の自動吸引装置への期待に満ちて、会場は例年より3割増しの300人の参加者の熱気に包まれました。

山本先生はかねて、ハイボリューム・ベンチレーション(呼吸器の1回換気量の設定を増やして肺炎を防止する)の考え方によって、ALS患者の人工呼吸器療養に大きな問題提起をされました。今回の総会講演では、日ごろの人工呼吸器療養の実践から得られた集大成のお話をしていただきました。(会報49号に掲載の山本先生の「自動吸引装置の開発とALS患者の人工呼吸器療養について」もあわせてお読みください。)

合併症を減らす「ハイボリューム・ベンチレーション」

皆さん、こんにちは。

大分から来た山本です。

今日、私に与えていただいた演題は、「自動吸引装置の開発とALS患者の人工呼吸器療養について」でございます。どちらも大きなテーマですが、まず一番問題になるだろうと思われる呼吸管理について、じっくりとお話しをさせていただきたいと思います。スライドを使ってご説明します。

私たちは今、九州の大分市でALSの在宅医療に取り組んでおります。十数年間やってまいりましたけれども、その中で一つ提唱させていただいているのが「ハイボリューム・ベンチレーション」、大きな換気量による人工呼吸管理で合併症を減らそうということを、まずやってまいりました。

大分での10年間の業績

(スライド1)これは大分で在宅されている方々のスナップ写真です。今から3年前に熊本ALS協会事務局長が大分に来られたときに説明させていただいたときのものです。鼻マスクの方もいらっしゃいますが、人工呼吸器装着で初代の会長の本田昌義さん、それからご主人が事務局長をしておられる土居喜久子さんです。大分で呼吸管理を必要とする神経難病の方々を診させていただいています。

(スライド2)多くの方がALSですが、中には脊髄損傷の方が1人、脊髄小脳変性症の人工呼吸器管理の方が1名いますが、ほとんどの方々が大分で在宅ができています。ごく一部、まだ在宅に移行できないとか、在宅が破綻して入院になっている方がいらっしゃいますけれども、少なくとも大分市においては、在宅での人工呼吸器による療養というのは決してめずらしくないという状況であります。ただし、今から10年前はこれがゼロだったわけです。うちの病院は大分市内の中心部からちょっと離れていて、患者さんが市内全域に点在しているような状況がありまして、これを往診で週1回ずつサポートさせてもらっているという状況です。

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