最初のページです
平成196月、奈良県立医科大学の看護学生さんに、
そして12月に桜井保健所
ALS患者・家族会で講演した内容を、
現在時点に変えてご紹介します。

私は川向武彦(かわむかい・たけひこ)と申します。

昭和17年(1942年)生まれの65歳です。よろしくお願いします。

住所は奈良市の田原、

河瀬直美監督の『もがりの森』の

舞台となった奈良市の東の方です。
平成15年(2003年)9月にALSの宣告を受けました。左肩が上がらなくなり、握力がなくなりました。ゴルフの飛距離が極端に落ちました。整形外科や内科へ通うが良くなりませんでした。マッサージするも駄目でした。病気はどんどん進行していきました。

食事が食べづらくなったため○主治医は腸ろうを勧めました。2004年8月(診断から1年後)、私は腸ろうの手術をしました。

当初2~3週間の入院予定だったのですが、腸閉塞を起こしたため105日間入院しました。それからは入院せず、ずっと家で過ごしています。在宅療養3年余り経ちました。

ある金曜日の一日をご紹介します。

午前7時過ぎ目がさめます。

BSで朝ドラを見ます。だいたい8時半頃、妻に起こしてもらいます。妻はベッドから車いすへの移乗がうまいものです。着替えは半時間ほどかかります。

次に、顔や手を拭いてもらいます。口腔ケアをしてもらいます。

ちなみに私は1日5回口腔ケアをします。

朝の身だしなみが終われば次は食事です。腸ろうから750ccのエンシュアと沸騰した湯を冷ましたものを300cc入れます。約2時間半かかり1050ccを入れてもらいます。栄養は毎日1250キロカロリーを腸ろうからとっています。

口からはプリン、お粥、ジュース、豆腐、野菜、ヨーグルトなどトロミを入れてもらい、鳥のように上を向いて丸呑みしています。朝食はお粥、ヨーグルト、ジュースです。口腔ケアと食事に約1時間かかります。疲れます…。
ここで、俳句を一句!

裏山に 

鶯(うぐいす)鳴きて 

朝餉(あさげ)食ふ

友くれし  

鉢一杯の 

小菊かな

リハビリは11時頃から始まります。4年前からお世話になる先生です。約45分かかります。金曜日はPT(理学療法士)の先生と強力なヘルパーさんです。

『うんこカレンダー』

我が家には『うんこカレンダー』があります。時間や大便の量とともにスケッチ絵を書いています。私は大便を便座に座ります。面白い絵です。日に3度便座に座りうんこをすれば「ハットトリック」と言います。

トイレも済んですっきり。その後手足の屈伸、肺、首、指などの運動をします。身体が軽くなります。

昼食と口腔ケアをヘルパーさんに世話になります。そして、そのあとマッサージをしてもらいます。午後から注入はエンシュア(ミルク)は500cc200ccの湯を入れます。

入浴サービスはベッドの横に浴槽をセットします。

湯は自宅の風呂からホースを入れます。

3人で来られます。

1人は看護師で体温、血圧など測ります。

愉快な3人です。

皆さんは1週間に何回お風呂に入りますか?¿?

私は1週間に3回です! 楽しみにしています。

月に1回、風呂の前に散髪をしてもらいます。近所の理髪店が出張してくれます。

車いすのまま散髪していただきます。サッパリした気分です

風呂のない日は足浴してもらったり、


新聞を読んだりしてすごします。

疲れました。

午後5時にベッドに入ります。ヘルパーさんに手足の屈伸、尻を動かしてもらいます。

気持ち良いです。至福の時です。

6時になりヘルパーさんのお帰りです。その後はプロ野球を見ます。

阪神タイガースが弱いので心配しています。

夕食は午後8時前から始まります。

口腔ケアと合わせて約1時間半です。

約1時間はパソコンで日記をつけます。意思を伝える唯一の手段です。文字盤では細かい思いが伝わらないです。
パソコンや文字盤は気持ちを伝えるために大切な手段です。

寝る前に口腔ケア、清拭をお願いします。寝るのは11時半ごろで、ヘルパーさんに手足の屈伸、ストレッチをしてもらいます。その間に眠くなります。夜中に尻や背中、手足がしびれます。息苦しいです。

ここで、俳句を一句!

田植え済み 

夜通し鳴くや

蛙かな

川柳を、一つ!

起こすまい 

妻の寝息を 

聞きながら

 患者の気持ちになってください

私はヘルパーや看護師へのお願いごとを文章にしてます。

私が書いたものを妻が、やんわりとした表現に変えて、

みんなが共通して見る連絡ノートに書いてくれます。

患者より「よろしく頼みます」

1 爪を伸ばさないでください。何故なら爪は患者にとって凶器です。

2 臭いと煙に弱い、息苦しいです。煙草。

3 患者から目を離さないでください。

4 汗や唾をかけないでください。

5 ベッドや車椅子にがつんと当たらないでください。

6 ベッドや車椅子の中央に位置を置いてください。

7 ケアをする前に何をするか声をかけてください。

8 その他、物を投げないでください。

最後に

私は嚥下が悪くなりました。

私は言葉を失いました。

四肢は動きません。

夜は吐く息が止まり息苦しいです。

将来、人工呼吸器をつける予定です。

尊厳死には反対です。

他人に生死を決定されたくないです。

1日でも1時間でも長く生きたいです。

お読みいただきありがとうございました。川向武彦

ページトップ