連載第2回―人工呼吸器・ケア大家族
〜想い めぐらせて〜
姫路市 大多和清子
姫路ALS交流会に参加しました

姫路ALS交流会が、’09年11月4日(水)に行われました。場所は、姫路市の北保健福祉センターで、10時から11時まで行われました。

 その日は、この秋1番の寒波が去った翌日でした。朝の冷え込みは厳しく、少し不安でしたが、昼間は暖かくなりそうで、ひと安心。介護タクシーを使いましたが、進行方向と頭が反対で、乗り心地は最悪でした。片道20分だから我慢できましたが、遠出は難しいと思いました。

 北保健福祉センターに着くと、ヘルパーのMさんが待ってくれていました。

 夫と3人で会場へ入りました。まだ誰も来ておらず、保健所のスタッフだけでした。早速、レッツチャットを車椅子に取り付け始めました。現在、使っているスイッチは電圧式のもので、会場には100Vのコンセントがなく使用が困難なため、以前使っていたチャットに内蔵している乾電池でも対応できるスイッチを持ってきていたので、急遽それに付け替えることにしました。

 そうしているうちに三三五五と参加者が集まってきました。私のところへ訪問看護師のYさんが、忙しい合間をぬって駆けつけてくれました。

 チャットの調整が終わらないまま、保健所の方の進行のもと自己紹介と近況報告が始まりました。
井上尚武さん 3度目の出会い

患者の方は、男性3名・女性3名の参加でした。家族の方、そして訪問看護師・ヘルパー・ケアマネージャー・保健師……と介護に携わっている方たちの参加を嬉しく思いました。スタッフも含めて総勢26名でした。

 歩ける方、喋れる方または困難になりつつある方、車椅子の方、酸素をつけている方、人工呼吸器を装着している方など、様々な症状の方々でした。

 参加者の中に井上尚武さん(会報第58号掲載)がいました。3度目の出会いです。1度目は、’05年の近畿ブロックの総会。2度目は8月、音楽の集い(西播地域)。そして今回です。いつも元気で、口から食べることもできて、羨ましく思います。

 保健所の方が、私の会報の投稿文を読んでいない方のために、コピーをして渡してくれました。私の投稿文が少しでも参考になれば幸いです。
同じ病気の人に会えてよかった

本当の意味での交流会が11時から始まりましたが、チャットの調整は間に合いませんでした。女性の方が私の所へ来てくれましたが、お互いの年齢をYさんを通して教え合っただけで残念でした。

 ようやくチャットの調整ができ、井上さんに共通の訪問看護師からの伝言を伝えることができました。夫は、熱心に人工呼吸器について患者の方に教えていました。

 あっという間に、交流会は終わりに近づき、最後に参加者全員で記念撮影をしました。保健所から参加者のアンケート結果が届きました。

 ・同じ病気の人に会えてよかった

 ・皆さんの症状が様々で、もしその症状になったときの心の準備ができると思った

                               (ALS患者交流会だよりから)
姫路ALS交流会 記念撮影 ^−^ (前列向かって一番左)

ぜひ毎年、季節のいい頃に開催してほしいと思いました。

 私と一緒に参加してくれたYさんとMさんが「参加できてよかったです。ぜひ、次回も行きましょう。」と言ってくれました。私も次回は万全を期して参加したいと思います。

 外に出てみると、秋のやわらかな日差しが、私を優しくつつんでくれました。
私にとっての訪問看護師

現在、姫路市に登録している訪問看護事業所は、約30ヵ所です。

 訪問看護事業所4カ所が私の所に入っています。’04年12月に初めて(歩くことができていた頃)事業所が入りました。その後、気管切開をしてから、2ヵ所目の事業所が入りました。3ヵ所目と4ヵ所目の事業所は、人工呼吸器を装着してからケアマネージャーが探してくれました。訪問看護事業所はたくさんあるけれど、看護師は、少ないのが現状です。大きな規模の事業所は、それでも人は集まりますが、小さな規模の事業所はなかなか人が集まりません。矛盾を感じています。

 私にとっての訪問看護師は、安心を与えてくれる存在です。

 ケアは迅速かつ丁寧にしてくれます。勘がよく、気づかいがよくできています。ALS、人工呼吸器などの知識が豊富です。そして、私の目線に立っての看護ができています。

 これらのことは、私にとって安心を与えてくれるのです。

 ALSの人工呼吸器装着患者の看護は、大変です。ケアをしていても、常に人工呼吸器に気を払わなければなりません。それを怠ると「あってはならないこと」が起こる確率が高くなります。現在、私のところに入っている訪問看護師は、各事業所から選ばれた優秀な方たちなので、安心して看護を受けることができます。

 ケアをしながら話しかけてくれて、要所要所で吸引をしてくれるので、チャットをあまり打つことはありません。ケアは90分と決められていて、内容も多岐にわたるので、あうんの呼吸で行われています。

これは、一朝一夕ではできません。看護師とは、安心と信頼で繋がっていると思います。
私にとってのヘルパー

ヘルパー事業所は、姫路市に約100ヵ所登録されています。私の所には、吸引のできる事業所は6ヵ所、できない事業所が1ヵ所入っています。(会報62号参照)

 ’05年から入っている事業所に、吸引をお願いしましたが断られました。長いつきあいだったのでショックでした。気管切開した頃から入ってくれていた事業所にお願いしてみると、承諾してくれました。これを皮切りに比較的大きな事業所から決まっていきました。

 吸引のできる事業所が見つかってからが大変でした。夫が、吸引指導をしてくれました。ヘルパーにとっては赤の他人の吸引をするのですから、緊張の連続だったことでしょう。

 あるヘルパーは、廃棄する吸引カテーテルを事業所に持ち帰り、みんなで練習をしたそうです。また、あるヘルパーは自宅でストローを使って練習をしたそうです。ヘルパーのノートを見ると最初の頃は、なかなか思うように吸引ができないと不安な様子が。慣れてくると、ようやくできるようになったと安堵の様子が。そして、完全にOKが出ると喜びの様子が綴られていました。

 ヘルパーの努力の甲斐があり、夫の職場復帰が少し早くできるようになりました。

 ヘルパーは、素直で、口吸引では癖が出ることもなく、吸引指導を夫から受けていましたので、あとはそれを維持していけるかを私が見守ることでした。

 吸引のできるヘルパーを探すことができても、夫がきちんと吸引指導ができなければ。ヘルパーもそれに答えて努力をしなければ。そして、私がしっかりと受け止めなければ成立はできなかったでしょう。三者が一つの目的に向かって頑張った成果だと思います。

 私にとってのヘルパーは、見守ってくれる存在です。
《声をかけて下さい》

ヘルパーの1日での見守り時間は約40%を占めます。見守りの時は、私の顔が見える位置に待機して、合図(口を大きく開ける)をすると「大丈夫ですか?」「吸引しましょうか?口?両方(気切・口腔)?」と聞いてくれます。

 以前は、私がチャットで「吸引」と発信をして、吸引をしてくれていましたが、昨年の11月に行われたサービス担当者会議で、メッセージに《声をかけて下さい》とお願いをしたところ、ほとんどの方が実行してくれるようになりました。

 喋れる人が喋ることのできない人に「声をかける」、ごく当たり前のことが私にとっては、ありがたく思い、嬉しく思い、幸せに感じます。

 いつまでも、この幸せが続きますように……。
スタッフみんなが  ヘルパーMより

平成2110月、会報第62号に大多和様の連載第1号が掲載されました。

 そして……休む間なく今回の原稿作成に取りかかられました。

 季節はちょうど11月〜翌年2月上旬……寒い日もありましたので、時には体調を崩されたり、しんどい日もあったに違いありません。ですが、決して弱音を吐かずに一生懸命な大多和様。そんな大多和様の前向きな姿にたくさん元気をいただきます。

きっと、こうやって頑張っておられる姿を拝見し、掲載を楽しみに待っている、訪問させて頂いてるスタッフみんなが感じ取っていることと思います。少なくとも私もそのうちの1人です。

しかし、私自身「ALS」という病気の知識がまだまだ足りず。訪問看護師の方のように大多和様との間が「あうんの呼吸」になるには、信頼関係ともう少しの時間が必要かもしれません。ですが、ALSをはじめとした難病と向き合い、私自身がお手伝いできることがあれば……と思います。

 いろいろな方より「読むのが楽しみ!」というお声をいただきます。大多和様のペースに合わせ第3号、第4号、と続けられればと願います。

 連載第2号完成、おめでとうございます。
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