| 心象スケッチ36 | |||
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| 私の膀胱炎物語 | |||
| 奈良市 杉本孝子さん | |||
| 角を曲がればトイレね | |||
| 私は今年の夏、思いがけない膀胱炎(ボウコウエン)症状に襲われました。 というより、正確には以前から同じような症状があり、膀胱炎と気が付かずにいたのです。 たびたび襲われていたその症状は、行きたい時にはすぐに行きたくなり、時には「いま行ったばかりなのに???」といった具合です。振り返ると、他にも思い当たる症状はいくつかあり、自然治癒しては再び発生して、ずいぶん前から繰り返していたのだと思います。 そこそこ該当する症状はあっても、排尿時の痛みが伴わないことから、不審に思いつつ年齢から来るものかもしれないと自己診断。どこか頭の片隅で気になりながら、「これが普通?」と、まさかのまさかで今夏まで来てしまった感じがします。神経性もあるでしょうけれど、もともと、排尿の間隔は短くて、「かどを曲がればトイレね!」と言われたくらいです。日常の生活サイクルや習慣などにより、1時間後、30分後等はよくあることだと聞きます。それが普通なのでしょうか。普通とはあいまいで、良くもとれて便利な言葉ですね。 しかし、膀胱炎らしき兆候は日増しに濃くなり、不快な違和感、残尿感。 頻尿。切迫した尿意。しばしば深夜にまでおよび、普段にない事態です。 外見からはわからない生理現象です。致し方なしですが、真夜中はヘルパーさんはいませんし、日中、仕事に出ている家族に頼るしかありません。深夜に失敗してしまい、朝方まで右往左往。まさに上を下への大騒ぎです。家族は 心象スケッチ 36ダウン! この状態がこれからも続くようであれば介護の方法や何らかの対策を考えねばなりません。 この局面を打開するため、看護師さんやヘルパーさんたちに、一昨夜、昨夜と、連夜の異常と思う、かつてない症状を説明すると、「それ、膀胱炎じゃない?」と。私は「?」。みなさんよりの情報が私の「?」を解決。痛みがなくても膀胱炎はあるのだとわかったのです。 |
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| 思うようにいきません | |||
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膀胱炎は女性に多いと耳にします。出入りする看護師さんやヘルパーさん、ケアのメンバーは女性です。職業柄でしょうか、尋ねた7割くらいの方が罹られていて、実際、そんなに多いのだと知り驚いた次第です。 みなさんから教えてもらうまでは、対岸の火事とは思わないですが、やはり嫌なことは拒否反応です。 薬は「けっこう、きつい」と聞きますが、薬を飲むと早く回復すると。背に腹は代えられぬです改善するには処方された薬を飲みきるとも。かいつまんだ話ですが、水分を十分に摂取して排尿の回数を増やし、膀胱の菌を流すようにと医師の指示。私は思うようにいきませんでした。 今年は熱中症も心配されて水分補給を言われましたが、日頃、ようやく摂れている水分を、膀胱炎のために大量に摂ることは難しく簡単に飲むことはできません。健康な人でも難儀だと思います。 それに、○分後と頻繁になるトイレ介助は誰がしてくれるのでしょうか。「1日中、トイレに座ってないとだめね!」と冗談半分ですが、思わずぼやきそうでした。 薬は胃薬と共に処方してもらって1週間飲み、すっきりとはいきませんでしたが、改善されています。体の構造的なこともあるかもしれませんが、「罹りやすい人はすぐに罹る」ということです。私は本当に再び、再発し、薬は3日間服用して回復です。 膀胱炎がわかってから、再度、排泄の問題を考えてしまいました。 膀胱炎の予防には「排泄時の後始末に気をつけてね!」と教えてもらいましたが、なぜ膀胱炎になってしまったのでしょうか。夏の疲れ? 体調の崩れ? 原因は細菌の感染? 粘膜の炎症?などなど医学的なことは詳しくわかりませんが、いま必要とするケアの中から、排泄は我慢せずに、行きたい時に行けることが大事。 |
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| 女性に配慮された介護体制を | |||
| 排泄の自由を制限されると、「ごうもんだ!」と思うくらいです。苦痛を強いられます。外出先では場所的に難しいときもありますが、家にいながら不自由が先に立ち、安心のために介護者がいるうちにと早め早めのトイレです。 そんなことが重なると、尿は溜まることなく、膀胱の容量も少しずつ少なくなるでしょうし、逆に我慢が積み重なり、膀胱が下がってしまうこともあり得ます。膀胱炎は細菌によるものと思いますが、それに限らず、行きたい時に行けないトイレは、さまざまな症状を引き起こします。精神的にもよくありません。それから、表に出にくいですが、気遣わなければならないケアの方法はもちろん、女性にも配慮された介護体制があっていいです。 家族に依存している介護体制は、家族の体調不良で介護を受ける側にも当然、影響します。生活リズムもくるってしまいます。マイペースはダテではなくて、毎日、療養を維持している自分がギリギリ精一杯で、気持ちの余裕もなく、人に合わすことはできないのです。私の療養環境もさまざまな問題をかかえ容易でない状況ですが、人材確保の難しい時間帯でありますが、まずは深夜の就寝ケア体制を整えている状態です。 今回の膀胱炎の事態には周囲の方々の体験からいろいろ教わりました。 あまり神経質にならず気にせずに過ごしていければいいと思っていますが、すぐに年齢のせいにしてしまっています。やはり自分の大切な体のことですからわかっていたいですね。 今年は長く続いた猛暑日。日頃は元気ALS。夏の暑さは苦手な私、トイレにも汗だくになり、煮野菜のようにクタクタになります。居心地?が良くてまた長くなりそうですが、密室?のトイレにもクーラーがいるわ!と思う今夏でした!<夕暮れ時、「ひぐらし」が窓ぎわのスダレで一休み。疲れを癒すように。 「カナカナーカナカナー」と鳴く、静かに寂しげに。 深い群青(グンジョウ)の夕闇を進む「ひぐらし」。「カナカナーカナカナー」とはかなく響く。夏の終わりを告げに!> |
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