昨年(平成24年)度の日本ALS協会近畿ブロックの総会で、大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学講座特任准教授の平田雅之先生に、脳の信号を用いて、自分の言いたいことをコンピューターの画面に表示したり、ロボットアームを動かしたりする「ブレイン・マシン・インターフェース」の臨床研究について講演をしていただきました。その臨床試験が、いよいよ始まったそうです。

「ブレイン・マシン・インターフェース臨床試験」のお知らせ

 

      大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科学講座

       特任准教授  平田雅之

 脳の活動は電気信号でとりおこなわれており、その一部は「脳波」として外部から観察できます。一般病院での「脳波検査」は頭皮の上から検査しますが、脳神経外科の特殊な手術患者さんでは「脳の表面に」電極をおいて精密な「脳表脳波」を検査することがあります。
 
 1.「脳表脳波」を利用すると「考えただけ」で機械を動かすことができる
この「脳表脳波」をうまく解読すると、「患者さんが行おうとしている運動を読み取る」ことができるようになりました。そしてこれを応用すると、人が「考えただけで」コンピュータなどの機械を操作できることが可能となりました。これが実用化されると、ALSや脳卒中、脊髄損傷などにより手足が動かないかたであっても、「脳波だけで機械を操作できる」ことになります。
 
 2.ALSの方での「臨床試験」??「考えただけで機械を動かせるか?」
 しかし、これが実際のALSの患者さんでも可能かどうか、そしてそれが安全かどうかは確認しておく必要があります。今回、大阪大学医学部附属病院ではこれを確認するための「臨床試験」を開始します。対象となる患者さんは病状が進行し、ほぼ完全な四肢麻痺状態で、発話もできず、すでに人工呼吸器をつけておられるかたに限られています。
 
 今回の臨床試験では、手術で実際に脳の表面に電極をおき、安全性の確認とともに、次のことが「考えただけで」どこまでできるかを検査します。
  1)コンピュータ画面を操作して、文字を画面に表示する
  2)ロボットアームを動かして物をつかんだり、離したりする
 
3.この研究の将来展望
 今回の場合、電極からコードが体外に出たままですので、そのままご自宅でも使用し続けることはできません。3週間の試験期間が終了すると電極ごと抜去して、臨床試験を修了することになります。そして、次の段階で「完全埋め込み型ワイアレスシステム」を開発し、自宅で使用できるシステムを開発することになります。
 
(お問い合わせ)
 この臨床試験は、大阪大学医学部付属病院未来医療開発部未来医療センターのプロジェクトとして進められています。現在、おひとりの患者さんが登録され、臨床試験が始まったところです。ご興味のおありのかたは下記までご連絡ください。
大学医学部付属病院未来医療開発部未来医療センター
        BMI臨床研究事務局
         メールアドレス:bmi@hp-mctr.med.osaka-u.ac.jp
 
 
 
 
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