事務局だより
三寒四温の候
春の到来が待ち遠しい日々です。三寒四温を繰り返して、体調の維持も難しい気候ですね。ある患者さんは、風邪の予防にタートルネックの上衣を愛用されていました。
すぐにしもやけが出来るのにスキーに行きたいある人は、クビ・手首・足首の「3クビ」を冷やさないことを寒さ対策にしています。それプラス、乾燥期には加湿器。四季それぞれの対策を万全にして、乗り越えましょう。
 
昨年12月選挙のときに
上肢、下肢、ともに全廃、全介助のALS患者さんが、大学病院の神経内科で「座位がとれる」という理由で肢体不自由2級の認定が据え置きになっている、座位がとれるといっても、車いすに全介助で移乗している座位です。そのうえ、1級でないと郵便投票はできないと市役所から断られたそうです。
公立八鹿病院の近藤清彦先生にお尋ねしました。
「上下肢障害と体幹障害は別々のものです。この方の場合、四肢麻痺だけでも1級と思いますし、体幹障害は支えなしに座位をとれなければ、それだけで1級になります。」と明快なご返事をいただきました。
その患者さんの担当保健師さんたちが調整していただくことになったそうです。
郵便投票については、要介護5であれば可能という総務省のHPをボランティアの西村泰直さんに教えていただいたので、これもお知らせしました。
 
選挙に何を望むか?の取材依頼
西村隆さん(芦屋市)に取材を受けていただきました。朝日新聞に写真入りの記事が掲載されました。社会に、人の心の中に、障害に対する差別があることを、外出時のエピソードからお話をしていただいています。
村上真嗣さん(大阪府南河内郡)からも、取材は受けられないが、選挙に求めるメッセージが事務局へ届きましたので、ご紹介します。
「ALS患者として一番気になるのは、原発です。なにより、安定的な電気供給を求めます。しかし、原子力村主導の原子力政策は非常に不安であり、怒りさえ覚えます。核のゴミの最終処分地を決めずになぜ原発を稼働出来ますか?困難でも最終処分地を決めなければなりません。原発に活断層など論外です。
2020年原発全廃のドイツの現在の困難な状況を見ると、安易に期日を決められません。そのためには、しっかり安定した政治が必須です。」
 
当事者の力
今会報に大神和子さんが独居自立生活について書いていただいています。地域にサービスが整っていたわけではないけれども、当事者自身に人を信じる力があって、人工呼吸器を使用しての独居生活が開始できました。人任せでは何も進まない。当事者一人の力は弱くても、周囲を動かしていくのですね。もし家族がいて、家族に頼っていたら、とても人工呼吸器をつけて在宅療養はできなかったでしょう。無手勝流の強さといってもいいでしょうか。
 
「喀痰吸引等特定行為登録事業所」と「認定従事者」
2012年4月からは、研修機関で研修を受け、府県に登録の手続きを行った事業所は、喀痰吸引や経管栄養を実施できることになりました。
4月以前から違法性阻却(違法としない)の「経過措置」で吸引を行っていた介護事業所と介護職員については、「経過措置対象者」として「特定行為業務従事者認定証」を交付され実施しています。
2012年4月以降、吸引等を新たに行う介護職員は、登録研修機関で研修を受けることになります。
 
大阪府下では2月現在190以上の事業所が認定登録を受けました。あなたの近くではどの事業所が認定を受けているか、大阪府のホームページを見ていただければ見ることができます。(登録喀痰吸引等事業所 大阪府で検索すれば一覧が出てきます)しかしながら、たとえ認定事業所の認定従事者であっても、新たな「特定の者」の吸引となると、改めて指導看護師により在宅で「実地研修」を行って、府県に認定申請をすることになります。
ということですから、やはり各利用者さんごとに、喀痰吸引ができる事業所と介護職員を育てないといけないということになります。研修の受講費を事業所が負担して、「吸引ができる手続きをとりましょう」と言わせるために、利用者さんと家族の熱意と、ヘルパーが訪問する回数によります。週に1回より、回数多く訪問する介護職員のほうが、ALS患者さんのケアはうまくなります。そういう機会をつくることが、「育てる」ことになります。
研修の受講費
大阪府の場合、3号研修(在宅・特定の者対象)については約10か所の研修機関があります。(これもホームページにアップされています)。研修費用は10万円から1万円まで様々です。それプラス、在宅で行う実地研修を認定された看護師から受ける費用が、5千円〜2万円必要になります。
この費用は、介護職員個人が出すか、介護事業所が出すか。高額なので、出したくないから研修は受けない、という事業所があっても不思議はありません。
手続きを済ませて吸引等を実施した場合に、事業所が介護報酬と共に請求する「吸引加算」は、1日千円です。1か月31日フルに訪問した場合は3万1千円の事業所収入になります。
 
研修機関のうち、社会福祉法人あかつき福祉会は、箕面市の委託事業として研修受講費が5千円で最も安かったのですが、25年2月の研修をもって終了しました。同じく箕面市のNPOポムハウスは今後も1年に5回程度の研修を予定しています。研修費は1万円、障害当事者が演習の指導者になって実践的な研修を行います。インターネットで「NPOポムハウス」を検索していただいて、問い合わせてください。在宅で看護師から受ける実地研修の費用は別です。府県を越えて受講することも可能です。
 
民間の自由競争に任せるばかりではなくて、行政がお金を出して、民間委託を行って、介護事業所や職員の経済負担の軽減をはからないと、せっかくの制度が凍りついてしまうことになります。
 
研修機関の研修に漏れる場合
奈良県は行政が直接研修を行うので、受講料は無料。申込んでも定員オーバーで外れることが多く、待機者が多いという声がある。兵庫県も10年計画で研修受講を進めるようだ。研修を受けたくても研修機関の受け入れに限りがあるので、利用者の不利益にならないように、「違法性阻却」の通知はまだ残っているので、在宅において従来どおりの方法で行っていくことができます。
 
 
厚労省より通知「介護職員等の実施する喀痰吸引等の取り扱いについて(医政発0329第14号・老発0329第7号・社援発0329第19  号)」の「記」の内容から
 
★介護職員等による喀痰吸引等については、平成24年4月1日から改正法に基づき行われることになったが、「改正法に基づかず実施している事実が確認された場合においては、できる限り速やかに改正法に基づいた適用手続きを促すべきであること
→(解釈すると)手続きをとらずに喀痰吸引をしてはいけない。研修受講して、すみやかに手続きを行うように各府県は指導してください。
★「なお、 改正法に基づかない介護職員等の喀痰吸引等がやむを得ないものかどうかは個別具体的に判断されることになるが、その際、喀痰吸引等は改正法に基づいて実施されるべきであることも勘案された上で判断されることとなると考えられること
→(解釈します)受講できない事情については、個別具体的に判断を行う。研修機関が研修を実施する機会が少なく、申し込んでも選に漏れるなどの場合、また認定手続き中である場合などは、個別の事情に当たります。その場合は、従来の実質的違法性阻却の通知に基づいて、従来どおりの方法で喀痰吸引を受けることができます。
 
下記は、SSK月刊『全国障害者介護制度情報』2012年6・7月合併号(編集* 障害者自立生活・介護制度相談センター)から引用させていただきました。
ページトップ