増田さんの手のあたたかさから
      命のぬくもりが伝わったと信じています
 
          ALS奈良つながりの会活動報告  西口尚美
 
 
 桃の花が春の日差しの中、きれいに咲いてきています。
 ALS奈良つながりの会は、今年の春から3年生になります。
 春の日差しにも負けないあたたかい応援を、当事者さんをはじめ多くの方々に頂戴しています。とてもありがたく、うれしく思っています。
 桃の花みたいに春を感じさせてくれるような会になりますように。
    タンポポも息子の嫁も新品種
 
未来のナイチンゲールさんたち ありがとう
*京都中央看護保健大学校(2015年6月30日)池田万喜子先生、西口
 在宅看護の体験談を池田先生のリードのもと、対談形式でお話させていただきました。内容は、前回の会誌80号に掲載させていただいています。
 今回は、学生さんたちからいただいたたくさんの感想文をいくつかご紹介させていただきたいと思います。
<西口さんの話を聞いての感想>
 ・看護師がよかれと思ってやったことでも、対象と家族の住み慣れた環境を変えてしまうことにつながり、結果的に苦痛やストレスを感じさせてしまう。「どうしたらいいですか?」という声かけや、どのような利用者でも家の環境を変えないことを常に頭に入れつつ、在宅での援助を行うことが重要だ。
 ・入院ではなく、在宅を選ばれた理由も考えなければいけない。当事者、家族それぞれにしかわからないこともある。けれどそれを少しでもわかろうと、考えようとすることを一番に大切にしていかなければならないと思いました。
 ・患者にも家族にもニードがあり自分の良いと思うことを押し付けてはいけない。自分がしようと思うことが本当にその患者、家族に必要なことなのかを考えるべきだと思った。
☆印象に残った言葉
 ・「自分がやりたいと思ったことは必ずできる」という言葉が心に残った。健康であるいま、私は自分がやりたいことを全力でやるべきであるなと思えた。
 ・「一度でも多く笑ってほしいし、一日を楽しく過ごしてほしい」ということが本当に印象的だった。その気持ちを私たち医療従事者は大切にし、同じ目標として支援を行わなければならないと気付くことができた。
 ・「どうしたらいいですか?と聞く人が少ない」ということを聞いて、正直驚きました。いままでは、どうするべきか自分で考えて動かなければいけないと勝手に思い込んでいました。ですが、在宅でのケアはそれぞれの思い、やり方があるため各家庭で確認することが大切だと思った。
 ・「本当の思いやり、やさしさを持った看護師になってください」という言葉を忘れないでおこうと思った。
☆感想(西口)
 私は、たったの1年、ALSと闘っている主人のそばにいただけでした。思い出せないこともある中で、今回の体験は、主人との1年を思い出させてくれる機会になりました。また、拙い私の説明や話を真面目に聴いてくださったことに感謝します。言い過ぎたかなとか、愚痴になっているかなと反省していましたが、若い真っ白な心で受け入れてくれたようです。もし、この中の一人でも、いつか今回の話を思い出してくれる時があればとてもうれしいです。そこに、主人が生きているということですから。
 京都中央看護保健大学校に連れて行ってくださった増田さん、私に大きな機会を与えてくださった池田先生、真剣に私の話を傾聴してくださった未来のナイチンゲールさんたちに、心からありがとうございました。
    努力賞 曲がった指が 置き土産

*奈良市飛鳥中学校コミュニュケーション授業 増田英明さんを迎えて
(2015年10月9日)
対象:中学1年生(93人)
参加者:増田さん、奥様、パーソナルアシスタントさん、多氣さん、利光さん、
    藤原さん、西口
司会:前川先生(学年主任)、学級代表(6人)さんと西口
会場:体育館
 増田さんと奥様、パーソナルアシスタントさんの自己紹介の後、増田さんのパワーポイントを使ってのコミュニュケーション授業が始まりました。年の近いパーソナルアシスタントさんの声とわかりやすい内容で、子どもたちも真剣な顔で傾聴していました。その後、ALSの症状についてや、車いす、医材の説明、人工呼吸器、生きるためのグッズ、今朝起きてから今までの様子など、病気のことから日常生活のことまで話していただきました。初めて見ただろう人工呼吸器をつけた人を見て驚いたのか、子どもたちは、静かに話を聞いていました。
 
透明文字盤で2文字しりとり
 次は、透明文字盤で2文字だけのしりとりです。奥様が優しく、わかりやすく透明文字盤の使い方を説明してくださったので、子どもたちは、うまく文字盤を読み取ることができていました。増田さんは、二文字の言葉を探すことが難しそうでした。増田さんの番が「の」のとき、皆は「のり」と答えるものとばかり思っていたら、増田さんは、「のむ」と答えられて、ざわざわ(笑)。時間もあったので追加をお願いしました。子どもたちは積極的に参加してくれて、楽しそうでした。増田さんもたくさんの子どもたちとにこにこ顔でした。
 
次は、握手会です。希望者がとても多く、50人以上は握手していただいたと思います。握手したときに、子どもたちから増田さんにひとこと、言ってもらいました。一例をご紹介します。
子どもたち:頑張ってください。
      スーパーマンでいてください。
      元気でいてください。
       how are you?
      お会いできてうれしいです。
前川先生:遠いところから子どもたちのためにお越しくださって本当にありがとうございました。頑張ってください。
 
子どもたちから感謝の歌 アンジェラ・アキの「手紙」
☆増田さんから子どもたちに:最後まで皆さん頑張ってください。(体育館の後ろに書いてある字を読まれました)。やればできる。諦めずに頑張ってください。
☆西口からひとこと:ありがとうございました。
世の中には健康で若い人もいるし、子どもやお年寄りもいます。増田さんのように体が動かない人もいますし、私のように見えない人もいます。でも、子どもやお年寄り、障害者のいない世の中はありませんよね。
授業の最後に子どもたちが感謝の歌をプレゼントしてくれました。増田さんを囲むように集まって、ピアノ伴奏でアンジェラ・アキの「手紙」を熱唱してくれました。感動して増田さんも子どもたちも涙ぐんでいました。
 
男の子たち数人が寄ってきて「もう1回握手してください」
感動して泣いたら、男の子も泣いていたそうです
☆増田さんからお礼のメール
昨日は若々しい中学生のエネルギーをたくさん充電しました。楽しかったです。
会が終わってから男の子たち数人がよってきて、「もう1回握手してください」と言われました。私は感動して泣いたら男の子も泣いていたそうです。はじめてこんな病気の人に会って可哀想に思ったかもしれませんが、私は最初はそれでもいいと思います。
 
☆感想(西口):素直で真っ白な子どもたち。中学1年生。男の子もボーイソプラノ。この子たちが今日のことなど思い出すことのない楽しい日々を送ればそれでいい。でも、長い人生、自分や自分の周りに何が起こるのかわからない。この素直な時期に素敵な出会いがあったことをいつか思い出すこともあるかもしれない。この時期の出会いは成長するのにとても大きく影響するように思います。
この中の一人でも、いつかこの日の出会い、増田さんの手のぬくもりを思い出してくれるかもしれない。そして、本当に頑張らねばならない時も来るかもしれない。私は、増田さんの手の温もりの中から命のぬくもりが伝わったと信じています。そして、自分の意思を伝えられること、コミュニュケーションが必要で、とても大切なことだと伝わったのではないでしょうか。技術技能は後で身に付くけど、心、ハートはこの時期に培われるといいのかもしれません。
 
見えないところで私たちを応援してくださっている
<お礼>
遠い所までお越しくださり、楽しい授業をしてくださった増田さん、ありがとうございました。握手しすぎて腱鞘炎になっていませんように。
透明文字盤をやさしく、わかりやすく教えてくださった増田さんの奥様、増田さんと一緒に説明をしてくれたパーソナルアシスタントさん、ありがとうございました。
また、遠いところ、応援に来ていただいた多氣さん、利光さん、藤原さんに感謝いたします。そして、今回のことは、長年地域で活動を続けていただいている
私の親友でもある古川テル子さんが飛鳥中学校につないでくださったので実現いたしました。彼女がいなければきっと、この計画は夢で終ったことでしょう。授業の当日は残念ながらお仕事のため欠席をされましたが、見えないところで私たちを応援してくださっている方がいることをご紹介させてください。そして、心から、古川さん、ありがとうございました。
 
生きることや笑顔を忘れない増田さんはすごい/将来は医者になりたいのですが、私がALSを治せたらいいですね/あたたかい手と笑顔が好きです
                       ???子どもたちの感想文
 
☆子どもたちが全員感想文を書いてくれました。その中の一部分をご紹介させていただきます。
・手が温かくほっこりしていた。
・『手紙』のとき、増田さんが泣いていたので、私も泣いてしまった。
・人とのつながりが大切だと思った。
・話せなくなって息ができなくなったら僕なら死ぬかもしれない。
・やればできる、信は力なりという言葉を覚えておきたい。
・今までできていたことができなくなるのは辛いと思う。笑顔と暖かい手が好
きです。
・生きることや笑顔を忘れない増田さんはすごい。
・握手したとき、手が温かく柔かかった。
・将来は医者になりたいのですが、私が、ALSを治せたらいいですね。
・言葉はとても大切だと思った。
・奥さんやスタッフの方の努力がすごいんだなと思いました。
・増田さんの笑顔が素敵だった。
・笑顔でいてほしい。
・やればできると増田さんが言った言葉を忘れずに頑張っていきたいと思いま
す。
 
☆飛鳥中学校の皆さんへ
私たちを温かく迎えてくださってありがとうございました。『手紙』とてもよかったです。
皆さんの元気やパワーが言葉や手からバンバン伝わってきました。
心や自分の考えを伝えることについてたくさん考えてくれたと思います。
この日の出会いが皆さんにとっても私たちにとっても素敵な出会いになったと信じています。
最後に、私の手を引いてくださった学級代表の皆さん、ありがとうございました。あたたかい手があったので白杖は、ポイッ!
   言葉より 手から伝える 思いやり
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*難病コミュニケーション支援シンポジウムin近畿に参加して
 (2015年12月20日)大上さん、西口
今回は、発達障害を持つ親と子のかかわりを研究している奈良女子大学大学院生の大上莉奈さんと参加しました。自助努力があって初めて共助や公助が生きること、コミュニュケーションの必要性を考えてくれたと思います。いろんな方がいろんな方向からALSを知ってくれて考えてくれて、今回のシンポジウムを生かしていってほしいと思います。
 
ALSの患者さんから学べることはたくさんある
大上梨奈(奈良女子大学大学院生)
先日のシンポジウムに参加し、初めてALS患者の方にお会いしました。
それまで、言葉ではなんとなく知っていましたが、実際お会いし当事者の方の生活を聞き、私はALSについて何にも知らなかったことを痛感しました。
現在ケアの分野では、「家族によるケアの限界から社会によるケア」へという流れがあります。今回シンポジウムで当事者の方からケアの現実についてお話を聞き、「社会によるケア」の難しさ、たとえ良い介護システムができたとしても、それが本当に“良い”介護にはならないと思いました。
当事者にとって“良い”介護とは一体どのような介護なのか、この問いに対し、私はALS患者の方から学べることはたくさんあると思います。
 
         ★☆★お知らせ☆★☆
     ALS奈良つながりの会 第2回交流会
昨年は、10人の参加者を奈良にお迎えし、いろんな立場や方向からALSについてや、その介護についてなど語り合いました。涙する人もおられましたが笑顔もありました。その後、ALS奈良つながりの会を応援していただいています。立場を超え、一緒にALSをいろんな方向から考えてみませんか?
今回は、公民館でお料理教室もさせていただきたいと思っています。腕に自信のある方もない方も、どなたでも気軽にご参加くださいませ。
とき:平成28年3月23日(水)
 場所:西部公民館6階調理室(近鉄学園前駅南改札出口すぐ横)
 駐車場:1日800円(公民館の印が必要です。また、高さ制限があります。
     1m55pまで)。
 連絡先:西部公民館 0742-44-0101
 時間:午前10時集合(10時半調理開始)16時終了予定。
 参加費:2000円
 締切り:3月20日(日)
  ※参加ご希望の方には、あらためて詳細をお知らせいたします。
        〜申し込み〜★〜
      ALS奈良つながりの会
      代表 西口尚美
      携帯:090-1070-8653
      メール:hideonaomi910@royal.ocn.ne.jp