事務局だより
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今年の総会交流会は患者さんご自身がご自分の介護体制やケアプランを振り返るというテーマにしたくて、西村隆さんに相談しました。
短い返信の中に、3つの重大ポイントを上げていただきました。一つは介護保険に上乗せする重度訪問介護の計画について、そして快眠快便快食の大問題、それと多くの方が苦しむ「かゆみ」。これらの対策を、発病以来20年間、研究を重ねてこられた西村隆さん(兵庫県芦屋市)から報告していただきます。
そして、長さではひけをとらない20代半ばに告知を受けて30年余。杉本孝子さん(奈良市)、2年前に夫を見送り、独身になりました。西村隆さんが挙げる生活の困難は大波小波かぶり続けてきました。独居になったときにパニックにならなくてすんだのは、病気療養中の夫に依存しない介護プランを確立していたことに尽きます。その生活の様子を報告していただきます。
 もう一人は、昨年の総会に初めて参加された後、人工呼吸器を装着して在宅療養を始めた森本重紀さん(大阪府)、ご家族に頼らない在宅人工呼吸器療養の生活を短期間につくりあげた過程と問題点を、ご本人と担当ケアマネジャーから紹介いただきます。
 
 ALS患者は24時間介護が必要です。その中で、ご家族とともに生きるという患者さんの生き方を選ぶことができるのか。家族の生き方を大事にすることは可能なのか。とても大きな命題です。
そして、前回の会報86号で、「ALSを気ままに生きる」という講演原稿を掲載させていただきました林 静哉さん(和歌山市)はこうおっしゃっています。
「家族に頼らない生き方も良いと思いますが、私には絶対に無理な生き方です。私が常々言ってる自由気ままに生きるって、家族に頼りきってこそなせる技なんです(笑)。
私の介護体制は、ケアマネさんは介護保険のみで、居宅介護の方は妻が管理しています。長い療養生活をするうえで、家族に頼らない生き方は理想ですが、私は家族に頼りすぎる生き方をしています(笑)今回は私の出番ではありません。
6月23日お会いできるのを楽しみにしております。皆さんの話を聞いて参考にさせていただきます。林静哉 拝」
 
そして対極にある実例では、家族によるDV、無視、放置もあります。
いろんな生き方があるように、いろんな介護体制をつくられている当事者と支援者が参加されて、ALSについての考えを深めていきたいものです。当日のご参加をよろしくお願いいたします。
 
 
      重度訪問介護(区分6)の入院中の利用が
可能になりました。
申請不要です。原則90日まで。
 
在宅において重度訪問介護サービスを利用するALS患者が入院した場合、入院中の医療機関においても、重度訪問介護の支援が受けられることになりました。平成30年4月1日からです。
〈特殊な介護が必要〉
コミュニケーションがスムーズにとれないために、吸引をしてほしい、体位を変えてほしいなど、せっぱつまった要求が、慣れない入院先などでは伝わらなくて苦しい思いをすることがあります。受け入れる側の看護職員にしても、一人一人のケアが違うのに、発語が聞き取れなかったり、コミュニケーション手段も人によって異なるので、ALS患者のケアは双方にとってストレスが高まります。
これらの解決のため、平成30年4月1日から、重度訪問介護を利用者について、入院中の医療機関において、利用者の状況などを熟知しているヘルパーを引き続き利用し、そのニーズを的確に医療従事者に伝達する等の支援を行うことができることになりました。
 
〈訪問先拡大の対象者〉
日常的に重度訪問介護を利用している最重度の障害者であって、医療機関に入院した者。
 
〈訪問先での支援内容〉
利用者ごとに異なる特殊な介護方法(例:体位交換)について、医療従事者などに的確に伝達し、適切な対応につなげる。
 
〈対象施設について〉
病院、診療所、介護老人保健施設および介護医療院とする。
 
平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1
(平成 30 年3月 30 日)
(2)重度訪問介護
(入院中の提供の算定について@)
問29 重度訪問介護を病院等への入院時に利用するに当たり、在宅時の利用と分けて支給決定をする必要はあるか。
(答) 不要である。
(入院中の提供の算定についてA)
問30 これまで居宅介護のみを利用してきた者が、入院した後に重度訪問介護の支給申請を行った場合、認めることはできるか。
(答) 認められない。本改正では、重度訪問介護によるコミュニケーション支援も含め、比較的長時間にわたり断続的な支援を必要とする利用者に対して、入院中も当該利用者の状態等を熟知したヘルパーによる支援を受けられるようにしたものである。
なお、地域生活支援事業における意思疎通支援事業については、従来どおり、病院等に入院中の障害者にもコミュニケーション支援を行えるものであり、引き続き、対象者等を含めて柔軟に運用していただいて差し支えない。
(入院中の提供の算定についてB)
問31 入院中に重度訪問介護を利用している者について、在宅時の利用から支給量を増やすことはできるか。
(答)支給変更決定を行うことは妨げないが、入院中に必要な支援は、基本的には病院等の職員により行われるものであることから、変更の必要性については慎重に検討されたい。
(入院中の提供の算定についてC)
問32 重度訪問介護は、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援とともに身体介護等を提供するものであるが、入院中においても、意思疎通に対応するための見守りの時間は報酬の対象となるものと考えてよいか。
(答) お見込みのとおり。
(入院中の提供の算定についてD)
問33 入院中の重度訪問介護の利用は、90 日を超えて利用することはできないのか。
(答) 入院先の病院等の職員が、当該利用者とのコミュニケーションの技術の習得に時間を要し、障害者の状態等によっては、90 日を超えて支援を要することも考えられることから、利用者や重度訪問介護事業所等から支援状況の聞き取りを行うなどして、必要に応じて、90 日を超える利用を認めることも差し支えない。
 ただし、重度訪問介護従業者による支援が、病院等において行われるべき支援を代替することにならないよう、支援内容や病院等との連携状況等については、十分に把握した上で判断する必要があることに留意されたい。
 
(入院中の提供の算定についてE)
問34 入院又は入所中の病院等が、重度訪問介護事業所の通常の実施地域以外の地域に所在する場合、当該病院等にヘルパーを派遣したときの交通費を利用者に請求することはできるか。
(答) 基本的にはできないものとする。ただし、病院等が重度訪問介護事業所の通常の実施地域から著しく離れている場合であって、重度訪問介護事業所と利用者との間で合意がされている場合には、交通費の一部を請求することも差し支えないものとする。
 
(入院中の提供の算定についてF)
問35 「入院中の医療機関からの外出・外泊時における同行援護等の取扱いについて」(平成 28 年6月 28 日付け障障発 0331 第8号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)において、医療機関からの外出・外泊時に重度訪問介護を利用できることが示されているが、今後は、当該取扱いについても報酬告示第2の1のロ(病院等に入院又は入所をしている障害者に対して重度訪問介護を提供した場合)により請求することとなるのか。
(答)入院中の医療機関からの外出及び外泊時に重度訪問介護を提供する場合は、報酬告示第2の1のイ(病院等に入院又は入所をしている障害者以外の障害者に対して重度訪問介護を提供する場合)の報酬を請求されたい。
 よって、報酬の請求に当たっては、入院中の病院等において重度訪問介護を提供する時間は、報酬告示第2の1のロのサービスコードを選択し、外出中の時間は報酬告示第2の1のイのサービスコードを選択することとなる。
 
(入院中の提供の算定についてG)
問36 入院中に重度訪問介護を利用できるのは、障害支援区分6であって、入院前から重度訪問介護の利用をしてきた者に限られているが、入院中の病院から外出・外泊する場合も同様の取扱いになるのか。
(答) 病院等からの外出・外泊時に重度訪問介護を行う場合、報酬告示第2の1のイ(病院等に入院又は入所をしている障害者以外の障害者に対して重度訪問介護を提供する場合)に該当するため、障害支援区分4・5の者や、入院前から重度訪問介護を利用していない者などを含め、重度訪問介護の全ての対象者が利用できるものである。
 
 
 図 3_3                図 8_8
 
シーズ・ニーズマッチング交流会(大阪会場)参加
 
平成29年12月19日(火)〜20日(水)にOMM大阪マーチャンダイズマートで開催されたシーズ・ニーズマッチング交流会に、増田会長チーム他、誘い合わせて参加しました。
開催の趣旨は「障害者自立支援機器等開発促進事業で採択された機器の一般公開を行い、開発が進められる最新の機器に関する情報提供を行うとともに、関係する障害当事者と開発機関の交流の場を提供する」ということでした。会場には、多数の障害者団体も参加していました。
主催者へ、アンケートの回答を提出しましたので、内容を抜粋してご紹介します。
【出展者及び招待団体向け】
Q.これまでの交流会で得られた成果を差し支えない範囲でご記入下さい。
直接、難病患者に役立つ内容は少ないという意見が参加者からありましたが、個々に開発されている福祉用具等の発表の場として貴重だと思います。
Q.交流の具体的な内容について
患者さん自身が展示品を試用して、まだ実用的でないと2人が意見を言われました。@車イスに乗るギャッジアップ角度が深いので視線が届きにくい(電子文字盤) A目が疲れる(視線入力)。新規開発の方向性として理解できますが、ALS患者個々に適合させる点ではまだ研究の余地があると思います。
Q7.交流会の話し易さ(意見を言いやすい雰囲気)に関する満足度
会場の配置に工夫があり、ALS協会のブースは車いすの患者さん同士が対面できるような余裕がありました(注・会報表紙の内側に患者さんお2人が対面している写真を載せています)。また人工呼吸器と吸引器使用のためにコンセントの手配をお願いしたら、即座に3本の電気コンセントを引いていただいて、手際の良さに驚きました。
Q8.交流会のブース配置や展示に関する満足度
展示や受付などしっかりお世話いただいて、大変スムーズでした。
Q9.交流会の会場に関する(立地や利便性)に関する満足度
公共交通機関で参加できますから、健常者の参加には適していました。いつもなら福祉車両を利用する2人のALS患者(人工呼吸器装着)の方も、電車を乗り継いで参加しました。
Q11.とても印象に残った来場者について、差支えのない範囲で
昔お世話になった上司がALSを発病し、何かしてあげたいという思いで相談に見えた女性がいます。日立伝の心の展示があれば見たかったとのことですが(展示はなし)、身障手帳の給付制度もご存じなかったので、患者さんを訪問して現状把握から始められたほうが良いと説明しました。人工呼吸器利用の患者さんと会われて、家族や介助者との人間関係が大切ということをよく理解されたと思います。
Q13.開催日数(2日間開催)について
患者会として動員力がないので、1日間に集中して来ていただきたいと広報したほうが、参加していただきやすい。また専門職は土日のほうが参加しやすいと思います。
Q15.障害者の自立支援機器に対する期待など
ロボットスーツHALはいま農作業などにも利用されていると聞きます。障害者の生活を支える福祉用具は、高齢者を含めて社会生活で広く利用されて普及することで、障害者にも利用しやすくコストも安い福祉用具になるようです。HALが重度障害者の介護に簡単に利用できるほどに普及してほしいと願っています。
(現状では家庭用のトイレにHALを装着した介助者と患者さんが入ったら、狭いので身動きできないという笑い話もあります)
 
Q16.テクノエイド協会や厚生労働省に対するご意見・ご要望
今回、夫をALSで亡くされた視力障害の女性が介助のヘルパーさん同行で参加、ヘルパーさんの説明を聞きながら会場を一周して、「ALS患者さんに役立つものはないような気がします」と感想を述べられました。視力障害者のホームからの転落事故も続いています。重度障害に対する福祉用具開発の方向性や支援について、国の理解と経済支援が必要だと思います。