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 Jさんは69歳の女性で夫と2人暮らし・近所に娘さんが3人住んでおられます。H7年に発症し、3年後に呼吸器装着、その1年後に胃瘻を造設されました。これはその方のケア予定表です。写真がなくて残念ですがお母さんも三姉妹もものすごい美人です。Jさんは爪を長く伸ばしてマニュキュアをきれいに塗ってもらって、お団子ヘアで決めておられます。
 表のクリーム色は介護保険で入るヘルパーや訪問入浴、ピンク色は医療保険で入る訪問看護、水色は支援費で入るヘルパーです。
 日中は娘さんたちが交代でケアに当たり、週に2回(火・木)は夜中も泊まっています。ご希望は夜間の滞在型ケアなので、介護保険も支援費も夜間帯に集中して使っています。この方のすんでいる市町村では支援費の利用が22時〜6時の深夜帯は1日2時間までと決まっているので間に介護保険を挟む形になっています。(これも実際の請求としては日中にも割り振った形で行っています。)夜勤の内容は、手足の屈伸、スクイージングと吸引、口のティッシュの交換、洗面、パット交換、注入食管理、テレビのチャンネル操作、孫の手ならぬボディーブラシで痒いところを掻くなどです。
前半のメインは屈伸で、後半3時くらいからは吸引が中心になります。口から食べられているためか痰が非常に多くて、スクイージングと吸引を10〜15分くらい繰り返してようやく落ち着くという感じです。Jさんは首から上の筋肉が比較的よく保たれているので、コールはおでこに光センサーと厚紙をテープで固定して、おでこにしわを寄せることで鳴らす方法をとっています。三三七拍子も器用に鳴らせるくらいで、コールの鳴らし方にも表情が感じられます。コミュニケーションの方法は透明文字盤で、夜間は必要最低限ですが、長女さんとのやり取りは普通の親子以上に雄弁で、文字盤を取りながら母の口調で「あほ!」といいつつ、母の手を持って自分の頭をたたいたり、表裏のない介護をされているのが伝わってきます。
 Jさん自身は“ワーキングウーマン”のはしりで職業意識を求める厳しいところがあり、若いNs.が介護を辞めたいと言うと「ケツまいて逃げるんか?」と言ってみたり、「保健師は偉そうにするだけだから来なくていい」と言ったりもするのですが、キーパーソンである長女さんが明るく自然な感じでフォローされるので、長女さんの人間性に私たちも救われているところが大きいと思います。Jさんは家庭内行事の指示をしたり、姉妹の仲を取り持ったりして、母としての役割をしっかり担っておられます。
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