p21
 Kさんのライフスタイルは患者さんとしては独特で、夜間はベッドではなく布団で休み、日中はリビングにあるリクライニングの座椅子で過ごされます。毎朝寝巻きから普段着に着替えますし、外出の時にはカニューレの固定紐をきれいなリボンに替え、ピアスもされます。とってもおしゃれです。
 日中のケア内容は掃除、洗濯、調理、吸引、注入食、歯磨き、洗面、ガーゼ交換、物品消毒、尿器介助などで、時々ゴム便器でのGE・ガス抜きなども依頼されます。排泄時には座椅子を倒してそのまま尿器が当てられるように、Kさんのお姉さんがすべてのズボンの股のラインにファスナーを取り付けられています。    
 Kさんは主婦役割をしっかり維持されており、広告をチェックしてその日のおかずを決め、買い物を依頼しています。以前は味見をしながら指示を出されていましたが、嚥下が難しくなったために今は調理方法を指示して後は任せているようです。私はお昼に注入する雑炊orリゾット(かつおだしかコンソメか)を作る程度で複雑な料理は頼まれたことがありません。ちゃんと人を見て依頼されています。味見は私が行い、ちょうど良いと思う味からさらに塩を追加するようにしています。
 ご存知と思いますが、エンシュアリキッドなどの栄養剤は塩分が控えめになっているため、それだけしか使わないとNaが低下する傾向にあります。病院ではNaClを処方してエンシュアに混ぜて注入したりもしています。在宅であれば、家族と同じメニューを少し取り分けてミキサー食にして注入したり(餃子や焼きそば、饅頭なども)、野菜スープやジュース、牛乳などを追加することで、KやCaなども取れます。亜鉛が不足すると皮膚障害も起こりやすくなるので魚介類のスープなどもお薦めです。 ミキサーを使えば簡単で、思っているほど面倒ではないと思います。
 写真はレッツチャットで、少し前まではわずかに声が聞こえたので読唇でコミュニケーションをとっていましたが、徐々に難しくなり、レッツチャットを常時使用するように切り替えました。舌先でセンサーをタッチして入力されています。これによってかなりコミュニケーションがとりやすくなりました。
ページトップ