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 KOさんは65歳の女性でH11に発症し翌年には胃瘻、さらにその翌年に呼吸器を装着しています。これだけを聞くと進行がとても早いように思えますが、この方は球麻痺から始まっているため嚥下や呼吸障害が早く生じたということで、手足の機能は比較的保たれており、それほど急激に進んでいるわけでもありません。ご主人と2人暮らしで、近所に娘家族・息子家族・KOさんの妹さんたちが住んでおられます。この方の訪問は、呼吸器を装着して在宅に戻られた直後からで、当初はバルンカテーテルが挿入されたままでした。これは気管切開部の痛みがあったための病院側の配慮だったようですが、感染源になりますし、動かなければせっかく今ある機能も衰えるから、とお話すると同時に、呼吸器の回路を柔らかい素材のものに変更し、回転コネクターから二股までの気切に近い蛇腹をシリコン性のものに変更することで振動による痛みの緩和を図りました。最初は「家族に迷惑をかけるからそのまま管を入れておく」と言われていましたが1ヶ月ほどでバルンカテーテルを抜くことに了承されました。以後は毎回トイレに移動しています。
 現在、コミュニケーション方法はベッド上ではパソコン、座位時にはお絵かきボードで筆談です。パソコンは光センサーを手でさえぎることで入力されていますが、徐々に手を持ち上げることが難しくなってきたので天井からゴムで吊るしています。
人を呼ぶ時は右手を横に振るとくくりつけてある鈴がジャラジャラと鳴ります。
 口にくわえているのは唾液が流れないようにするガーゼのハンカチとマスクです。
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