奈良から車に揺られて5時間
初の三重県熊野交流会。奈良より車に揺られて4〜5時間。上り坂に下り坂。Sカーブが多く、遠い旅だった。さまざまな問題はどこでも同じと思っていても、実際には自分の計り知れない現実があることを改めて実感した。また、大勢の出席者の皆さんとのうれしい出会いでもあった。
交流会の議事は進み、ALS患者の療養生活の紹介や専門医のお話などがあり、患者さんの紹介や会場からの質疑応答も終了し、最後に、患者家族、関係者の方々と共に交流を深め、いくつものカメラを前に美男美女?の記念写真をハイッ!パチリ。楽しいひととき。
それぞれに後片付けを始める中、私は、公立紀南病院に入院の同病患者さん、岡崎さんのお供をして、廊下をクルクル回り、部屋まで見送る。役得である。
岡崎さんの病室のガラス窓から、斜陽が白壁に長く伸びていた。この時期、日は一気に暮れる。宿に急ごう。迎えの方たちと連れ立ち、宿泊先へ向かう。岡崎さんの奥さんやお嬢さん、当地の保健師さんが後から車で来られ、いまは、旧知の友のようだ。
愉快なお酒を飲んでまるでお笑い演芸場
ホテルに食事はついてなく、めいめいにてとのこと。それじゃといっても、見知らぬ土地ゆえ、結局、近畿ブロック事務局の豊浦さん好みのホテル内“赤ちょうちん”と決まり。そこは、こじんまりとして気持ちのいい店だった。どこでも変わりはないが、車椅子ではかなり難しい。しかし、私たちは堂々と入る。
団体で入ると、貸しきり状態。寿美さん(会長)も、私もお酒は飲めないほうだ。私は食欲旺盛というほどでもない。でも、たまには普段の生活にない、ちょっと違った雰囲気も気分転換。皆が明るく愉快なお酒を飲み、ピーチク、パーチクひばりの子も顔負け。
空中を飛び交う笑い声。まるでお笑い演芸場。見聞しているだけでも、思わず「クックックッ」、おなかを抱える。いっぺんに顔の笑いジワが増えてしまった。現在、シワ伸ばしエステに通う。は、冗談だが、日ごろ、おなじみの世話役さんたちとは少し異なる意外な一面を、思いがけず見せてもらって、より親しみを覚え、身近に感じられた。
白い湯けむりにつつまれて温泉気分
就寝前には大阪の保健師の井上さんに入浴をさせてもらい、超ご満悦。またもや顔の表面が緩み、シワくちゃ。部屋の中の小さなお風呂だが、白い湯けむりがゆらゆらと上り、さながら温泉気分。旅の疲れもどこへやら。ちょうどそこへこれ幸いと豊浦さんが入ってきて、井上さんと豊浦さんが二人で「ヨイショ」と私を湯ぶねから引き上げ、ナイトケアで床に就く。
空が白み、夢うつつの間に夜が明け、旅の1日が始まる。風光明媚な七里御浜の海は、春の3月とはいえ、打ち寄せる波は力強く、荒海のごとし。熊野灘の意気込みを見せていた |