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<最新トピックス>
ALSに対して何ができるかを考えること
近藤清彦先生(八鹿病院・神経内科医)
地元から80名余りのボランティアが参加

 今日は大勢の患者さんが来られるということで、この交流会をぜひ私たちも手助けしたいと思い、八鹿病院から60名、但馬の3保健所を中心としたいろいろな機関から二十数名の方がボランティアとして来てくれています。皆さんの協力で盛会になってよかったと思います。
 先ほど西村さんが、患者さんから教わることが多いと言われましたが、われわれ医者にとっても、同じことが言えます。この病気について、医学書にはわかったようなことが書いてありますが、わかってないことが多かったのですね。それを私は実証しようと思っています。呼吸器をつけても、しゃべれる人がいる、歩ける人もいるなど、患者さん自身が示してくださっています。

新しい治療法が開発されつつある

 今日は最近のトピックスということでお話させていただきます。
 1999年10月の新聞に、
「岡山大学で、脊髄に神経栄養因子を注入する治療の実施を同大学の倫理委員会に申請した」
 というニュースが出ました。脊髄というのは新聞の間違いで、脊髄腔の中に神経栄養因子という物質を注入する方法です。

  この病気で一番おかされるのは脊髄の神経細胞ですが、神経栄養因子を脊髄の外からしみ込ませて、神経細胞を活性化しようという治療です。アメリカでは一部始まっています。ただ、試験的な治療ですので、倫理委員会にかけるということが新聞に載ったわけです。

  11月3日に山陽地区の神経難病ネットワークづくりの講演会があり、医療関係者、訪問看護ステーションなど、200人近い方が集まりました。その会に参加した折に、岡山大学神経内科の阿部教授に直接うかがってきました。

  方法は、脊髄腔の中に管を入れ、管の反対側に小さなタンクのようなものをつけて皮膚の下に埋め込み、そこに皮膚の外から注射器で液を注入する。ただ、脊髄は非常に狭いところですから、5ccくらいの液を数時間かけてゆっくり入れることになるようです。慣れると自宅で治療を続けられるようですが、頻度や通院間隔、副作用などについて具体的に検討しているということでした。春までに倫理委員会を通し、それから一部の方で試行するということです。

  阿部教授のような新進気鋭の若い教授が、こういう治療に積極的に目を向けてくれたということは、この病気をもつ人にとっても、神経内科においても、非常に大きな進歩だと思います。新しい治療法が次々に開発される時代になったことを実感しました。早く実用的になればよいと思っています。

医療にできることを模索しています

 これまで「ALSに対しては何もすることがない」といわれることが多かったのですが、私がしようとしていることは、「何かできることはないかと考えること」、ただ、それだけの違いです。

  「病気が治らない。原因がわからないから医療は何もできない」ということはない。ワープロを使うなど、残っている機能を使うためにもたくさんの工夫と支援が必要です。

  何よりも自分の生きがいを保ち続けることが人間にとって一番大事なことのような気がします。ALSの患者さんに接して、人間にとって大事なことは何かを、われわれも勉強しながら、医療関係者にとってできることは何かということを模索しつつやっているところです。皆さん、本当に今日はありがとうございました。(拍手)


ALSと人工呼吸器 ――その誤解と伝説こちら
*大川 達さんからのメッセージ

<ミニ公演>
*病人である前にひとりの人間です
西村 隆さん(兵庫県芦屋市)

<参加者の声>
*地元の患者さんとの交流

*新しい意志伝達装置の紹介
田原邦明さん(八鹿病院の理学療法士)
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