加藤さん
神戸中央市民病院は、三宮からポートライナーの4つ目の駅にあり、人工埋め立て地に建てられた病院です。ベッド数1000床。救命救急センター機能を有し、24時間の救急医療を行う3次医療機関です。公立病院以外では受け付けてもらえない患者を扱うなど、市民にとって最後の命の砦となっています。
人工呼吸器装着26人、その内ALS患者は7人です。中央市民病院のALS患者は23人(大人13人、子ども10人)ですが、リハビリ目的などで他の医療機関から通ってこられる人もいます。
ALS患者の在宅医療へのかかわりは、1994年に福祉事務所より転勤してきてからになります。患者の付けていた大きな呼吸器がポータブルになり、ポートライナーでの外出を体験し、そしてALS近畿ブロックの
総会への参加、家への外出の試みなど、気持ちを支える中で病院から家へ帰りたい気持ちを訴え始められたのがきっかけでした。
まずホームドクターを探すことから始めた
まずホームドクターを探すことから始まりました。病院からの往診はないからです。今までたくさんのかかりつけ医を探してきましたが、最初からOKは一つもありませんでした。主治医と共にお願いしてきました。神戸市医師会の在宅ケア部役員会で話をして、主治医、家族からお願いし、説明して、やっと決まったこともありました。
いつも最後には助けてもらっています。がんばってみようという医師は必ず現れます。
次に物品の準備と費用の確保です。吸引器、アンビューバック、カット綿など、至るところにお金がかかります。病院側は当然患者側が負担すべきだと考えますし、家族からはいろいろな費用もかさむので何とかならないかという意見が出ます。
医療点数の解釈を、主治医と読み直しました。
いろいろ調べて病院の方が準備することになりましたが、病院の医療課からは「どちらを向いて仕事をしているのか」といわれました。ワーカーとして、揺れる気持ちもあったが、家族が安心して療養できるならと思いました。病院では肩身の狭い思いをしても、公立病院のワーカーの強みを生かしていこうと割り切りました。困ったときは、ALS協会にも助けていただきました。患者、家族の方にも励まされ、私は一人ではないという思いでやってきました。
病院でショートステイを受け入れた
次にレスパイト機能の確立です。密度の濃い看護、ケアが必要になってからのショートステイの受け入れ先がない。それでは在宅が続かない、家族がつぶれてしまう。病院としてショートステイをしていかなければならないと考えました。ショートステイのできる施設が出てくるまで、人によって3か月に2週間、4か月に2週間、ショートステイを取り入れ、その間に家族に休んでもらうという形で始めています。
ショートステイ中にホームドクターが患者に会いに来て、スタッフ会を持ったりして連携を図っています。最近ではデイサービスも、吸引器をつけた人も一緒にやっていこうという施設もできてきました。他の人と同じ扱いは難しいので外出を手伝うなど、少しずつですができてきました。
皆さんの運動の中で療護施設建設の動きも出てきています。神戸市では50床の内、呼吸器装着患者5名のショートステイ、2名の入所ができる予定です。実際難しい面もあるが、密度の濃いケアを必要とする患者も使えるように皆さんの力と私たちも一緒にがんばりたいと思っています。
私はALSだけでなく、いろいろな患者の相談にのっています。重症の方、少しのお手伝いをしたら良い人、車椅子の人、妊婦中の人、乳母車を押した人…すべての人に優しい社会は、だれもが暮らしやすい社会だと思います。
高田さん コーディネーターとして、患者さんと福祉をつなぐ、本当に必要な職種だと思います。いろいろな体制ができていくことを望みます。続きまして、鮎原診療所の大木婦長さんです。診療所で実際にALS患者さんの看護に当たっています。
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