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本人や家族と本音で話し合える関係をつくりたい
大木さん 

 鮎原診療所からは、2人の人工呼吸器を装着した患者さん、2人の患者さん、スタッフと共に参加させてもらっています。診療所は淡路島のほぼ中央に位置し、1988年4月、健康管理センター併設の19床入所受け入れ施設として新築されました。現在 、介護療養型12床、医療療養型3床、一般4床となっております。スタッフは医者2名、看護婦12、事務5、保健婦2、ヘルパー7、OT1、ステーション看護婦3、調理員4、栄養士1です。

初めてALS患者を受け入れたのは92年10月。当時は付き添いを認めており、介護体制が違っていました。2か月後、在宅支援体制のもと退院されました。現在は付き添い廃止で、夜勤看護婦1名の2交代制で、家政婦が夜間1名。看護婦は外来の介助、電話の応対、救急患者の受け入れ、入院患者の対応。1人では負担が大きいのが現状です。
診療所で人工呼吸器のALS患者さんを受け入れた
 このような状態で、98年4月、ALS人工呼吸器装着患者のNさんが、県病より転入されました。受け入れにあたり、県病へ状態把握、ポータブル人工呼吸器の操作方法、情報収集に行きました。県病は大きな病院なので、集中看護体制であること。また、人工呼吸器を付けてまだ日も浅く、Nさんの不安は大きかったと思います。

当初はスタッフとのコミュニケーションがうまくいかず、ベットサイドで何十分も筆談したり、吸引ひとつにしても納得してもらえなかったりで、お互いつらい経験もしました。

それに対し、スタッフ間の情報交換に努め、手技の統一を図りました。精神面では、できるだけベッドサイドに行き、声かけをしてコミュニケーションを多く取ることで関係をより深めようとしてきました。そうしていくことで少しずつNさんの笑顔が見られるようになり、スムーズに看護ができるようになったと思います。

お盆に初めての外泊 

診療所では長期の患者さんが多いため、お盆とお正月に家で過ごすことを目的に全員外泊を勧めています。人工呼吸器装着での初めての外泊にあたり、本人、家族の不安は大きかったようですが、救急の対応、訪問看護の体制を整えて、お盆に始めての外泊をしました。

外泊中、うれしい様子がうかがえましたが、家族の負担は大きかったようです。その後、在宅療養に対し、家族と病院側とで誤解が生じたことがありました。そこで保健所保健婦のコーディネイトで、スタッフと本人・家族を交えた本音の話し合いをし、お互い良い関係を築くことができました。気になっていることがあれば、何でも話し合える雰囲気作りが大切ではないかと実感しました。そして、一緒になって考える関係ができればうれしいと思います。
もう一人、人工呼吸器の患者さんが2000年4月、もう1人の人工呼吸器患者Dさんが県病より入院されました。
2人目ということで、ある程度スムーズに受け入れができたと思います。外泊は家族の受け入れ体制が不充分でしたが、患者の家に帰りたいという強い気持ちを聞いて、お盆に一泊の外泊を計画しました。

家族の不安が大きい中、保健所、町保健婦、訪問看護ステーションの協力のもと無事に帰ってくることができました。患者は少し疲れた様子でしたが、孫に会えてうれしかったと喜んでくれました。今後も入院生活を送りながら患者の帰りたいとの希望にそった外泊、外出ができるよう私たちは援助していきたいと思います。しかし、在宅支援体制にはまだまだ問題があります。少しずつですが改善していけたらと思っています。

患者の笑顔を1回でも多く見たい


 診療所では限られた生活の中で、できるだけ楽しみを見つけてもらいたいと思い、お花見会、七夕会、クリスマス会、習字、陶芸、塗り絵、カラオケ会等行っています。週1回の特殊浴はどの患者さんも楽しみで、浴槽に入ってホッと一息つかれています

<診療所での生活の様子のスライド> 
* 病院の風景→意思伝達装置を使ってテレビで囲碁、スポーツ観戦
* リハビリ風景→表情がすごくいい
* お花見風景→みんなで近くのお寺に
* 入浴風景→浴槽に入ってほっと一息
* 外泊の記念写真→お孫さんとにっこり
* 今年の夏大阪でのALSの会に参加→初めて明石大橋を渡ってすごく喜んでいました。

 Dさんは毎日リハビリに出て、作業療法でぬり絵、書道などを行っています。色使いが上手で、クリスマスカードの色ぬりを手伝ってくれています。私たちスタッフは患者の笑顔が1回でも多く見られることを願って、お互い目標を見失うことなく、共に歩み寄り、共に成長し、その人らしい生活が送れるよう援助したいと思っています。


退院後も継続して診ていける医療体制 研修を

急性期を脱した患者さんは、総合病院から転院を強いられる状態です。家族を含め、病気の受け入れが難しい時期での転院ということで、転院までに充分な精神面のフォロー、次の連携が必要になってきます。

退院後、受け入れてくれる病院や診療所はいくつあるのでしょうか。できるだけ住み慣れた地域で支え合えたらいいのではないでしょうか。また、在宅でがんばっている人のショートの受け入れ体制は充実しているでしょうか。退院後も継続して診ていただけるようご検討よろしくお願いします。そして私たちはまだまだ知識が未熟なので、専門病院での研修会を企画していただき、今後もより良い看護を目指していきたいと思っております。

高田さん 

診療所での人工呼吸器装着された患者さんの介護ということで、少ないスタッフでがんばっている様子がおわかりになったと思います。続きまして、専門医の立場から市川桂二先生から、ALS患者さんの組織作り、難病患者全体にいえると思いますが、受け入れ体制あるいは専門医としての感想を聞かせていただきたいと思います。

第一部
妻であり、母であり、女性であることを大切にしたい
公立病院のワーカーの強みを生かして在宅医療
専門医として考えていること
仲間のドクターと連携しながら在宅医療を進めている
ようやく多職種間の担当会議ができました
保健所の地域支援活動に力を入れていきたい
疾病があったおかげでいろんな人と知り合いになれたという感動を
第二部
参加者の声から
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