トップ目次次のページへ久保フヂノ(くぼ・ふじの)さん
  極楽を見ているような 天橋立展望台
・ 極楽を見ているような 天橋立展望台

 11月15日 夜の8時ごろに車に乗せてもらい、人が見たら「夜逃げみたい」と思える時間に、天橋立を目指して車を走らせました。駐車場が見つからず、天橋立を過ぎて海沿いの道端で車内泊をしました。

 翌日、天橋立に引き返し駐車場に車を止めてから、車椅子に乗せてもらいました。そこからケーブルカーに乗るつもりが、車椅子が大きすぎるから乗れないと言われました。

 天橋立をぐるりと回ってから、車で上がる道があると聞いて、山道を上がったら凹凸道で、死ぬ思いをしながら、「成相山の日本一パノラマ展望所」に着きました。

 運動場ぐらいの広さのところです。次々上がる皆さんの気持ちがわかりました。車を止めて降ろしてもらい、眺めたら、見渡す限り、一言では言いあらわすことの出来ないほど眺めが良くて、極楽を見ているような気持ちになったのです。私はもう少し眺めていたいと言ったのですが、明るいうちに下りなければ怖いからと息子に言われて、車に乗せてもらい、死ぬ思いで下りるかと思ったら、静かに下りてくれました。

 その日も帰り着いたときは夜になっていました。私のような病人が上がれるとは夢にも思えないほど、良い体験をさせてもらい、あの世のお土産になると思いました。息子のおかげで元気な人でも行けないぐらい旅をさせてもらい、これ以上の幸せは望んでいません。

 11月は交流会やいろいろあって、病人の私にとって、ものすごく忙しい日々を過ごすことができたのも、健康のおかげと感謝の気持ちでいっぱいです。テレビの取材(注「ALS患者の選挙権について」)まで引き受けられたのも、毎日親子が温かく見守ってくれるおかげで、ここまでくることができたと思い、お礼を言わせていただきます。

 病名を告げられて20年目になりますが、優しい主人と、子どもにも苦労をかけ続けてきたにもかかわらず、素直に育ってくれたことを私自身が誇りに思います。

1999年(平成11年)12月4日報告                久保フヂノ

〜〜ルート〜〜

* 11/ 5自宅20:20発→中国自動車道→舞鶴自動車道→京都縦貫自動車道(綾部宮津道路)→国道175号・178号経由→道の駅「舟屋の里伊根」2:10着(車中泊)

*「舟屋の里伊根」9:40発→天橋立→成相寺日本一の展望所→国道178号・175号→京都縦貫自動車道→舞鶴自動車道→中国自動車道→自宅21:15着

全走行距離 393.7km

全総合計費用 9,220円 (高速料金代3,300円 他5,920円)