トップ目次次のページへ熊谷寿美 (くまがい・としみ)さん>熊谷寿美の夫である私
   電話機のルームモニター機能(気管切開後の9年前の在宅開始当時)
6) 電話機のルームモニター機能(気管切開後の9年前の在宅開始当時)
 会社員の私と、中高生の2人の子どもとの4人家族で、出身が北海道と長崎という核家族で、24時間、寿美のそばに介護人がいるという介護体制は不可能でした。

 入院時の観察で、吸引の安全間隔は30分であると考え、職場から30分ごとに家に電話をかけ、ルームモニター機能で部屋の中の音が聞こえるようにして、言葉の出ない妻の舌打ちの回数で妻の様子を確認していました。

 1回は大丈夫、2回は都合がつき次第家に戻って欲しい、3回は至急帰って欲しい、と決めました。

 会議中は困りました。30分ごとに席を立ち、電話をかけるタイミングが取れず、会議中にいらいらしたり。その反対に、仕事に熱中して電話をかけるのを忘れてしまい、1時間以上たって気がつき、あわてて冷や汗をかいたりしたことも。

 このように、この方法は妻にとって私からの電話をひたすら待つという受け身の安全確認ですから、妻にとって精神的に大きな不安があったことでしょう。

 現在は、パソコンと舌でOn・Offできるスイッチで、私のポケベルにメッセージを入れる能動的連絡方法に変えて、以前の待つだけの受け身に比べ改善はされましたが、危険と背中あわせの綱渡りの生活であることに変わりはありません。

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