| 私は同病患者さんやそのご家族、それに看護師さんから、「私にとってこの病の1番苦痛な時期」をよく聞かれます。今の私が常に笑顔を忘れずに来訪者を迎えているため、苦痛なんて全くないように思うのでしょうか。
それで私は、病の進行段階に応じて大変な苦痛に悩まされてきましたが、特に「気管切開時期と呼吸器の装着時期前後」と伝えてきました。
と言いますのは、私がこの病に冒されてから約5年半で、普通に寝ている状態では苦しくなってきたため、まずは呼吸のしやすい体勢を探した結果、身体を左右の真横にするのが1番楽になりました。けれども、私のように痩せこけて骨と皮の状態では、下側になる部分がすぐに痛くなるから、これでは妻に余計な負担を掛け過ぎると思いまして、次の楽な体勢を探しました。
それが、身体は真上向きに寝ていても、顔を思い切り真横に向けたうえに、さらに、あごを真横に突き出す(ちょうど喉元を捻る格好)体勢になると、私の場合は呼吸もしやすくなり、これなら妻にも余計な負担を掛けなくなりました。これを気道確保と言うそうです。
しかし、この体勢は、病の進行で20日も続かないうちに、今度はどのような体勢になっても呼吸は少しも楽にならないため、すぐに胸郭圧迫人工呼吸(胸を押す)を始めると、2分もしないうちに楽になりますが、ある程度の時間(約10時間前後)をおいてから、またも呼吸困難になるため、油断もできなくなりました。
以上のように、私のALSは、1回目の呼吸困難は、気道を閉ざされるための苦しさで気管切開時期でもあり、2回目の呼吸困難は、肺の運動機能の衰え(または止まる)だから、これが呼吸器装着時期であったのではないかと、後になって知らされました。
この人工呼吸を始めてからは確か3日もしないうちに、その呼吸困難になる間隔(約20分前後)が狭くなってきたため、生きて頑張る決心をし、入院して気管切開をしましたが、このときはすでに遅くなり過ぎたらしく、意識不明になっていたからすぐに呼吸器装着となりました。
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