トップ目次次のページへ特 集>呼吸器装着後の療養場所の選択について
  最初はガチガチになっていた
* 最初はガチガチになっていた
 私は大阪にある総合病院の神経内科で9年間、看護婦として勤務し、その間に出会ったALS患者さんからもさまざまなことを教えていただきました。

 最初は呼吸器をつけている患者さんに触れるのが正直いって恐くて、ガチガチになっていましたが、患者さんに一つ一つ教えてもらいながらやっていくうちに、このぐらいの位置に調整すれば楽かな、という感覚がわかってきて、スムーズに体勢が決まるようになっていきました。体位交換の才能は結構あるのじゃないかなと、われながら思っているのですが…(自分で言うのが一番怪しい?)。

 神経内科単科ということもあって、年間行事として花火大会やクリスマス会を開いたり、呼吸器をつけていてもシャワー浴を週2回行い、車椅子で散歩に行ったりもしていました。できるだけその人らしく生活できるようにと、患者さんや家族の方とも話をして、担当看護婦を中心にケアをしていましたが、入院期間は限られています。患者さんも、家族も、家に帰りたいと望んでいても、ケアの問題で、それが難しく、結局は転院になることが少なくありません。そのような中で、「家に帰りたいと思う人が帰れないのはなぜなのか」という疑問とともに、私の中にはもうひとつ重たい疑問が生じていきました。

 在宅が困難な場合、転院という形になりますが、受け入れ可能な病院は限られており、患者さんや家族の希望通りの病院や施設に入ることは非常に難しいのが現状です。転院先が神経内科ではなく他科であったりすると、設備的にも人員的にも呼吸器をつけた患者さんがシャワー浴や散歩を行うことはまず無理だと思います。

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