トップ目次特 集>呼吸器装着後の療養場所の選択について>迷いがないなら早いめに
*迷いがないなら早いめに
 Y氏の場合、気管切開の時期についての考え方が医療者間で異なったことから、本人は希望しているにもかかわらず延期されて、呼吸困難を増強させることになっていました。

 吸引の頻度については人それぞれであり、事前の予測は難しいものです。しかし、それ以前の状況で、吸引を頻回に必要とする患者さんでは、カニューレ(気管切開部分に設置する管)からの吸引の方がすっきりと痰を取りきれることもあって、吸引頻度は減少する場合が多いように感じます。

 何よりも気管切開によって「息が楽になった」と多くの患者さんは言われますし、気管切開に迷いがないのであれば、早めに行うほうが体力の消耗を押さえられてよいのではないかと私は思います。

 気管切開だけで呼吸器を装着しなくても良い状態の時もありますし、24時間呼吸器をつけなければならないとも限りません。また、カニューレの種類を選択することで(球麻痺がなく、それまで話ができているのであれば)発声が可能な場合もあります。

 しかし、吸引の手技自体はそう難しいものではなくても、物品消毒などの煩雑さは否めません。少しでもその煩雑さが減少するような物品を選択したり、方法を簡便化するなどの専門家のサポートが必要であり、ヘルパーが暗黙の了解のもとで吸引を行うよりも、安全に実施できるように指導する方が実際的ではないかとも思います。

 気管切開を行う前にこれらのことを相談できる往診医や看護ステーションであれば、患者さんやご家族の不安も軽減すると思うのですが、実際にはどうなのでしょうか?

目次へ