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*患者さん自身からの情報発信を
 病院や施設によってケアの質に差があるのは事実です。しかし、たとえ不満があっても自分が(もしくは家族が)世話になっている病院に“けちをつける”ことは相当覚悟がいります。

 最近では、病院についても第三者評価が行われるようになってきましたが、まだまだケアの質まで報告されるには至りません。風評を頼りにするにしても、患者数の少ない疾患であることで、さらに情報が少ないのが現実だと思われます。また、長期に入院するとなれば施設の数に限りがあり、面会に行ける範囲となればおのずとどの病院か決まってしまうのかもしれません。

 しかし、誰しも少しでも質の高いケアを受けたいと思い、自分で身動きがとれず他者に代行してもらわなければならないALSの患者さんにとって、それは深刻な問題です。少しでも質の高いケアを多くの人が受けられるようにするためには、患者さん自身も情報を発信する必要があるのではないでしょうか。“文句を言え”とは言いません。自分の受けているケアが良いと思えれば、そのことを伝えてもらいたいのです。

 今回、Y氏にインタビューするためにN病院を訪問しましたが、日常的に散歩を行い、呼吸器をつけていても可能な患者さんには口からの食事を介助し、外出や外泊にも熱心に取り組んでいます。数名の患者さんに話をうかがいましたが、好意的な評価がほとんどでした。

 ほめられて嫌な気持ちのする人はいません。病院も同じだと思います。8分ほめて2分意見を言えば、その意見も受け入れやすくなるのが人情ではないでしょうか(すみません、けちをつけろとそそのかしているわけではありません)。

 良いケアを行っている施設がどこなのかがわかれば、そこに入りたいと選択する患者さんが増えるとともに、他の施設の心あるスタッフもそれを見習おうと考えるのではないでしょうか。現状に不満をもっているのは患者さんや家族だけでなく、スタッフの中にもいると思うのです。その人たちの意識改革のためにも患者さんが表明してくださることを期待しています。

 Y氏の経過をもとに私の意見も書いてみましたが、私にはひとつの病院でしか経験がありませんし、在宅の患者さんをあまり知らないために偏った見方になっているかもしれません。ご意見をいただければ幸いです。

                  (会報39号 2002年4月7日発行)

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