一般的にこの病気は、脊髄の運動神経がだめになって、その結果、筋肉がやせるといわれていますが、モデル動物の研究によりまして、運動神経が落ちるずっと前に、むしろ筋肉のほうが障害されるということがわかってきました。
運動神経の数を数えますと、一つの脊髄の切片の中に30〜40個あります。これは正常のマウスですが、33週ぐらいまで全く運動神経の数は落ちません。30週ぐらいで発病するわけですが、発病する直前まで運動神経の数はあまり落ちてなくて、発病しても少ししか落ちてないです。こんなふうに運動神経は少ししか落ちないのですが、そのときの筋肉は非常に障害を受けているとわかりました。
(スライド) それをまとめますと、生まれて半年以上は何ごともなかったようにお互い生きていくわけですが、30週を過ぎた頃から、病気のマウスに突然のように症状が出まして、3週間か4週間で亡くなってしまう。そのときに筋肉の低下も症状と一緒に動きます。ところが症状が出る直前、筋肉はかなり変化が起きていますが、運動神経は少ししか悪くなってない。おそらくこの病気の一番初めは筋肉であろうということになってきました。
私も医学生のころは、当時の大学の授業で、この病気は運動神経がだめになって、その結果筋肉がだめになって、症状が出ますと教わったのですが、いまは全く逆になっています。筋肉が悪くなって、その後、運動神経が落ちる。
しかしながら、原因は運動神経がだめになるということですので、先に筋肉がやられるということが一つのミステリーなわけですね。
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