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* 脊髄腔内持続注入療法の中間報告

 次に私のところで行っておりますALSの患者さんに対して、先ほどのような神経栄養因子の蛋白そのものを脊髄腔内に注入する方法は、現在進行しておりますので、中間報告をさせていただきます。

 この方法は、患者さんの脊髄腔の中に細いチューブを入れまして、薬液だめのサーバーとしてドリンク剤の頭ぐらいのものを、わき腹の皮下に埋め込みます。そして外来へ点滴に来ていただいて、外から針を刺して、終わったら抜いて、お帰りいただくということになります。お家でシャワーを浴びることもできるという治療法です。

 対象の患者さんは、ALSの確実例の方です。年齢は70歳以下で、発病後3年以内、1年間ぐらい外来通院が必要ですから、通院可能な程度の軽症の方、あるいは中等症ぐらいの方を考えています。肺活量は70%以上の方。それからALSの臨床的なスコアは、ノリス博士のスケールで102点満点の65点以上の方を考えています。

 これが発表されてから、近畿からも患者さんはずいぶんいらっしゃいましたが、中にはだいぶ重症になっていらっしゃる方も多く、いく人かの方には外来に来ていただいたのですが、この治療ができなかった方もいらっしゃいます。

 1年間の試験であります。登録していただいて、3か月間は経過観察をします。その進行具合を見定めたところで、3か月目に埋め込み手術をしまして、その後2週間に1回、9か月間通っていただいて、この時点で終了ということになります。神経栄養因子はIGF―1という薬を20人程度の方に予定しております。

 去年7月に認められて、いろいろお問い合わせがあったのですが、問い合わせの方は35名、外来に実際にお見えになった方は24名です。問い合わせの方は、電話でお聞きするとか、症状を書いていただいて、かなり重症であるということで、21名の方は今回は無理なんですと。外来に来ていただいた方も、重症すぎて先ほどの基準に合わないということで、入っていただけなかった方もございます。12名の方が来られて、1名は登録待ちです。

 治療は去年12月末から始まりまして、1名の方は細いチューブが途中で詰まりまして中止しています。今月また2名ですので、いまのところ6名ということです。
 登録しても、待っている3か月間にかなり重症化してしまって治療に至らなかった方もございます。その後も患者さんのご希望がありますので、いまは七、八人の状態です。

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