ご承知のようにALSは、大脳から筋肉を動かしなさいという命令が来まして、それが脊髄を通って、末梢神経を通って筋肉に伝えられる。この両方が問題なのですが、一番問題なのは脊髄から筋肉にいたる運動神経に問題があって、筋肉がやせてくるということです。
ALSの患者さんは手がやせたり、舌のやせでしゃべりづらかったり、ものを飲み込みづらいという症状、それから呼吸筋の麻痺が来ますと、気管切開をして人工呼吸器をつなぐということになるわけです。平均して発病してから3年から5年ぐらいで呼吸筋の麻痺に至るといわれています。
患者さんの筋肉を検査で切開して調べますと、筋肉の繊維が細くなりますので、そのために筋肉がやせてくるということです。
患者さんが亡くなって脊髄を検討させていただくことがありますが、脊髄の両脇が白いですね、これが側索といいます。病名は筋萎縮性側索硬化症ですが、側索が硬化するということが特徴であります。
運動神経の通り道である側索と、脊髄の細胞と、ここから筋肉にくる前索に問題があるということです。これほど左右対称の病気というのはあまりないのです。筋萎縮性側索硬化症という名前は、頭から脊髄に来る側索という経路、脊髄から筋肉に来る経路の両方とも問題があるという病気だということです。
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