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* 活性酸素が体内で問題を起こしている

 酸素の毒性というものとALSという人の病気が直接関係があるということがわかったのは1993年で、8年前のことであります。

 このときをもって、ALSというものの原因がよくわかってきたわけです。活性酸素が体内で問題を起こしているということです。

 酸素というものは細胞がエネルギーをつくるとき非常に大切ですし、われわれは酸素がなければ生きていけないわけですね。ところが、温泉なんかで硫黄をどんどん出している、ああいう硫黄の世界は、原始の地球に似ているのですが、酸素がない状態で生きられる生物がいます。ところがわれわれ、ほとんどの地球の生物は、いまは酸素がないと生きていけません。酸素のいいところを利用しているわけです。

 酸素は欠点もありまして、活性酸素という毒性のあるものをつくることが知られています。それはスーパーオキサイドとか、過酸化水素、あるいはパーオキシナイトライトというものですね。金属が錆びたり、イワシとかサバとかの青みの魚が酸敗したりしている。それも酸素の問題です。

 昔、けがをしたとき、過酸化水素を傷口につけるとジュワッと白い泡が出ました。あれは活性酸素の毒性で、そこに付いた細菌を殺していたわけですね。そういう消毒にも使うぐらい強力な毒性を持っているわけです。

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