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*人工呼吸器使用によって立位や座位が可能に

 呼吸器は装着後も間歇的に離脱可能となることが多く、下肢筋力が保たれている例、特に上肢麻痺や球麻痺で発症した例では歩行機能が維持されることが少なくない。

 これまで、呼吸器を装着した患者の身体を起こすことはあまりされていなかった。呼吸器をつけていると重症感があり、ICU患者のように安静にしているのが普通と考えられていたのかもしれない。

 筆者は1985年に、呼吸器装着後のALS患者が理学療法士の熱心な訓練で座位から立位が可能となり、半年後に再び歩行可能となった例を初めて経験した。当院においても呼吸器装着後も積極的なベッドサイド訓練を行なったところ、21名のALS患者のうち15名で呼吸器装着後も独力ないし介助歩行が可能となった。屋内での介助歩行が可能であった期間は、3か月から29か月間(平均12か月)に及んだ2)。

 呼吸器使用によって呼吸状態が安定すると再び立位や歩行が可能となった例が約半数にみられたことから、低酸素ないし努力呼吸による脱力感・倦怠感が筋力低下に関与していたと考えられる。

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