ダブルカヌー/アウトリガーカヌーとポリネシア人

Born Free GEMINI はポリネシア人のダブルカヌーをイメージして、設計された
"TIKI-21"という艇種のダブルエンダーのセイリングカタマランです。
船型/リグはかなりモダナイズされて、下の写真のダブルカヌーとは違いますが、
艇種名の"TIKI"とはポリネシア人の神様のことで、ポリネシアンカヌーの精神は
この船もしっかり引き継いでいます。

マルケサス諸島にあるTIKIの石像(イースター島のモアイ像に似ている)

ポリネシア人のダブルカヌー(下の写真)はアウトリガーカヌーの発展型と考えられ、
通常2つのカヌーの間に板を張り、そこに小屋(キャビン)を乗せているものもあり、
遠洋航海に使ったり、王族などが儀式の時に乗ったものとされています。
ファヒネ島で古代のダブルカヌーとマストの残骸が発掘されていますが、全長は
80フィート、マスト長も12メートルと巨大で充分大洋を越える能力があると
思われます。
  
キャプテン・クックが見たダブルカヌーとそのレプリカ

アウトリガーカヌーは、通常のカヌーの船体に大きく張り出した腕木をつけ、
その先に浮力体(AMA)を取り付け、細長いカヌーの横方向の安定性を向上させたものです。
  
現代のアウトリガーカヌー2種類

アウトリガーカヌーもダブルカヌーも通常ダブルエンダーで、船首尾が高く伸びており、
普通はパドルで漕ぎますが、長距離では上の写真のようなクラブクロウ(カニのハサミ)
リグのセイルをつけて帆走しました。クラブ・クロウ・リグは早そうに見えませんが、
実際には、効率も風上帆走能力も、マルコーニリグに劣らないそうです。

アウトリガーカヌーは、太平洋だけでなく西はマダガスカル、南はオーストラリア/
タスマニア/ニュージーランド、東はイースター島、北は台湾まで、非常に広域に
分布しています。

アウトリガーカヌーの分布域は、オーストロネシア語族(広義のポリネシア人)の分布と
完全に一致しており、ポリネシア人がこれだけの広い地域に拡大していったのは、安定性が
ありかつスピードもあるアウトリガーカヌーを、長距離の航海に使ったからだと思われます。

私は沖縄のサバニも細身の船なので、ポリネシア・カヌーの子孫だと思っていますが、
(太い木が手に入らなくなったので、細い丸木船に側板を取り付けたのでしょう)
ただ、ダブルエンダーでもなく、アウトリガーもありませんし、セイルはジャンク風なので、
ポリネシアンカヌーが、中世に沖縄が朝貢貿易をしていた中国のジャンクの影響をうけ、
ポリネシアンカヌーと別の方向に発展したものだとと思われます。
沖縄の帆掛けサバニ

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