進水式に至るまでの経緯
私は子供の頃から海が大好きで、クルーザー(26Ftから38Ftまで数隻)に約二十年乗っており、若い頃には沖縄レースなど外洋レースにも頻繁に出ました。ヨーロッパに5年間ほど駐在していた時代に、エーゲ海でのチャータークルージングも何回も楽しみ、クルージングの楽しさに目覚めました。
セイリング・クルーザーは、耐候性もあり居住性も高く、レジャーの三大要素である「遊び」と「移動」と「宿泊」が一つの乗り物で出来る非常に素晴らしい乗り物です。特に他人のいないところでゆっくりすることは他の遊びではなかなか出来ません。大海原の真ん中を風と波の音しか聞こえない状態でゆったりと走っていると、最高に幸せを感じます。
しかし、だんだん年を取って来て仕事も忙しくなると、クルージングを楽しむことがどんどん難しくなってきました。特にクルーザーの平均速度は約5ノット(時速10キロ以下)で、遠い海で遊ぶためには国内でも最低一週間必要です。クルーと一週間の休みを調整するのも大変ですし、出航しても時間のほとんどは目的地までの回航に費やされ、現地でゆっくり出来る時間は非常に限られてしまいます。
海外ではチャーターヨットが盛んで、目的地まで飛行機で飛んで、そこでチャーターヨットで楽しむと言うことが出来ます。しかしチャーターヨットは日本には無く、変化に富んだ日本の海のあちらこちらを楽しみたいと思っいても、長期間休みを取ることが不可能な私には実現不可能な話です。
ヨーロッパに駐在していた1882年に海外のヨット雑誌主催のデザインコンテストに入賞した、TIKI-21という自作用の21フィートのTrailerable Sailing Catamaranの記事を見て、”自分の求めていた船はこれだ”と感じて、直ちに設計図を購入しました。
しかし、設計図を購入した時点以降、ずっとマンション住まいでしたので設計図を十数年間眺め続けていましたが、この度ようやく一戸建てに住めることになり、駐車場を建造スペースとして使えそうなので、1999年から建造を開始しました。
2000年末頃まで少しずつ製作をして片ハルをほぼ作り上げましたが、その段階で仕事が極端に忙しくなったことと、自宅の駐車場ではスペースが狭すぎてもう一つのハルを作るスペースがないことで、製作を中断してしまいました。
その後、2年ほどそのまま未完成のまま放置していましたが、スペースと時間がないならその2つを借りればいいのだと割り切り、2002年末に鎌倉在住のステッチ・アンド・グルーのカヤックのビルダーである金井さん(金井さんのホームページ)にその後の製作を依頼しました。金井さんはさすがにプロのビルダーだけに素晴らしくきれいに艇を作ってくれました。
自作を目指して途中で挫折したことは残念でしたが、とてもきれいな船に乗れるようになり満足しています。
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