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 社会保険労務士の代表的な業務は社会保険(健康保険、年金)と労働保険(雇用保険、労災保険)に関する書類を作成したり手続きを代行したりすることにある。
 しかし単なる書類作成や事務代行にとどまらず、企業や労働者に対して相談や指導を行なうアドバイザーやコンサルタント的な性格も持っている。独立開業、というイメージが強い資格であるが、個人または数人による共同で事務所を開設するほか、企業に属して顧問的な立場でその知識を活かすことも出来る。
最近では大手企業を中心に事務のアウトソーシングが進んだため、煩雑な社会保険の事務作業は社会労務士事務所に外注委託する企業も多く、社会保険労務士へのニーズは高いレベルにあるといえる。社会保険労務士の報酬には規制が無く業者が自由に設定できるが、資格試験としてはかなりの難関となるので、資格を取得することによりレベルの高い年収を期待することができる。
 試験の受験資格は難易度に対して比較的緩やかで、学歴としては大学、短大、高等専門学校を卒業又は一定の単位を取得したもの、一部の専修学校を修了したもの等となっている。
また、学歴以外にも公務員や独立行政法人に就職していたもの、社会保険労務士の補助業務をしていたもの、労働組合の役員または職員として関係する業務に従事していたもの等の職歴期間がが3年以上あればこれも受験資格となる。また、いわゆる上位資格として行政書士となる資格を有する者にも受験資格がある。

社会保険労務士の試験対策

 社会保険労務士は国家資格であるが、試験は全国社会保険労務試連合会が管轄し、社会保険労務士連合会試験センターが試験の手続きを執り行っている。受験資格、受験案内など一度オフィシャルサイトには目を通しておきたい。 社会保険労務士の試験は8月の第4日曜日に開催される。試験時間は、午前が1時間20分(80分)、午後は3時間30分(240分)と資格試験としてはかなりの長丁場となる。全問マークシート方式であるが設問ごとに合格最低点(5問中3問以上正解、等)が設定されているなど広範囲にわたる知識の深い理解を要求されるため、独学での資格取得はかなり困難である。過去10年の合格率も10%未満(※平成19年は例外で10.6%になった)という狭き門のため、資格予備校や通信教育を受講する受験者が大半である。
 資格試験の常として、試験問題は過去問題が再出される確率が80%以上あります。従って、過去問題を完璧にしておけば晴れて社会保険労務士試験に合格、と言いたいところですが、試験に求められる範囲はあまりにも広すぎるので、過去問題を全てつぶす、というのは机上の空論になります。勉強期間は一年で合格すれば早いほうです。一年目は実力試しで受かれば儲けもの、くらいいの気持ちで、まず二年間はしっかりと勉強するつもりで勉強の計画を立てるのが良いでしょう。一冊の参考書を暗記するつもりで読むのと、ひたすら過去問題を解きつづけるのが合格への近道です。

社会保険労務士の就職と開業

 社会保険労務士試験に合格したら即独立開業高額年収ゲット、という訳には行かない。 試験に合格したならばまずは全国社会保険労務士会連合会(以下連合会とする)への登録が必要となる。登録をするためには2年以上の実務経験が必要となるが、実務経験が無い場合は連合会が実施する通信教育を受講したあと、4日間の実務講習を受講することによって実務経験とかえることができる。登録の種類としては「開業社会保険労務士」として個人で事務所を設立するか、「勤務社会保険労務士」として企業などに所属してその企業内の業務として社会保険労務事務を行なうか、「その他」として直接社会保険労務士の業務を行なわない、という選択肢がある。当然独立開業は「勤務社会保険労務士」となります。
 さて個人事務所を設立したら即座に高額報酬を手に入れられるわけではありません。個人事業主ということは当然お客さんがいないと商売にはなりません。例えあなたが広い人脈を持っていたとしても、社会保険労務士の業務というのはそれまでは誰か他の人が行なってきたわけです。それはお客さんとなるべく会社の事務員さんだったり、他の社会保険労務士だったりするわけです。もちろん、新たに会社を起したりする人がいれば新規に仕事が発生するわけですが、それ以外は基本的に他の人の仕事を奪うことになるのは覚えておくべきです。そういった新規顧客の開拓が苦手なのであれば、他の社会保険労務士と共同し社会保険労務私法人を設立する、勤務社会保険労務士となるなどの方がよいでしょう。