福祉住環境コーディネーターとは簡単に言うと人に優しい住まい作りを提案する職業です。高齢者、障害者などの日常生活を居住環境からサポートして行く専門知識をもち、アドバイスや情報提供を行います。福祉住環境コーディネーターの資格は国家資格ではなく、東京商工会議所という特別民間法人が主催する民間検定試験です。従って、福祉住環境コーディネーターの資格を持っていないとその様な仕事ができないというわけではありませんが、試験に合格することによって幅広い知識を持っていることが認定されるため、日商簿記などと同様の資格であると考えれば間違いではありません。また、看護師やホームヘルパー等は対象者に直接的な関わり方をするのに対し、福祉住環境コーディネーターは住環境という日常生活に密接に関わるものを対象とした特異な側面を対象とした珍しい資格であるため、医療福祉関係従事者等には高い関心をもたれています。高齢化社会が進む日本において、安全で暮らしやすい住まいに対する需要はますます大きくなっています。また医療費の高騰や地域医療の格差などが広がっていることから、いかにして自宅を生活しやすい場所にするかというのは重要な課題となっています。近年ではバリアフリー、ユニバーサルデザインなど高齢者や障害者に配慮した住居や設備が増加している一方で、それらの知識を体系的に学ぶことは難しい状況でした。福祉住環境コーディネーターはこのような時代の要請に応えた資格と言ってよいでしょう。

福祉住環境コーディネーターの試験情報

福祉住環境コーディネーターの資格試験は、毎年2回7月と11月に実施されています。1級から3級までの等級があり、2級と3級は年齢、学歴、実務経験などの受験資格による制限は一切ありません。1級のみ2級合格が受験資格となっています。7月は2級と3級、11月は1級から3級の全ての級の試験が実施されます。平成20年度より試験制度が改正され、1次試験と2次試験に分かれていたのが統合されて一回の試験となりました。福祉住環境コーディネーターの試験形式は2級と3級は全問がマークシート方式で、多肢択一式、選択式、穴埋め式等になっています。1級はマークシート方式と記述式となっています。2級と3級は2時間で100問、1級はマークシート方式と記述式各2時間で100問の計4時間で200問となっています。合格基準はそれぞれ70点以上で、1級はマークシートと記述式のそれぞれが7割以上正答することが必要になっています。問題内容は東京商工会議所発行の各級に対応した公式テキストがあり、書店やインターネットを通じて購入することができます。受験範囲の確認が出来るので、是非最新のものを手に入れるようにしましょう。福祉住環境コーディネーターの資格試験の合格率は、比較的新しい資格であること、問題形式や内容の改正があったことから各級とも変動が激しくなっています。50パーセントを超える年もあれば10パーセント台となる年もあります。過去問題を地道に反復して練習するのが合格への近道のようです。

福祉住環境コーディネーターと就職の情報

福祉住環境コーディネーターの就職状況は、介護福祉施設、建設業など資格の性格上多岐にわたっていますが、受験者の取得資格としては各級ともホームヘルパーがダントツに多く、高齢者や障害者の生活に密着した取り組みが行われている現われといえます。他の資格では、介護福祉士、社会福祉士、看護師ケアマネジャーなどの医療福祉分野のほか、建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターなどの建設、リフォーム分野の資格者も多くなっています。資格という形では表面に出ていませんが、トイレやバス、洗面所などの機器を製作するメーカーに勤務しながら資格取得を目指す人も多いようです。一方で福祉住環境コーディネーターの資格さえ持ってさえいれば即就職に有利、という訳ではなく、むしろ介護福祉分野(或いは建設系の分野)に従事している、もしくはそれらの方面を目指していて、自らの知識と能力を高める意味で資格を取得するのが有効な手段といえます。実務に携わらないペーパーライセンスではあまり意味はありませんが、まずは高齢者や障害者の福祉分野に興味をもち、資格を取得してから進路を決定するという選択肢も悪くはないでしょう。2級までは受験資格の制限が無いので、勉強時間にゆとりがある学生のうちに合格し、その知識を何に行かせるかを考えて就職先を決定するということもできます。高齢化社会は人ごとではなく、福祉住環境コーディネーターの仕事は社会全体に関わる職業といえるからです。