No.27
2005年9月14日登録

 このページは、
 
英夫とジャーナリスト仲間の懇談を
 月一度をめどにお届けします。


  ◎800万超す票の重みを生かせ
護憲勢力の結集で運動を広げよう

▼「改革」の幻想を利用した…


  選挙が終わりました。ひどいことになったね。社民党はちょっと増えて、共産党は現状維持だが、民主党は惨敗。これでは「小泉独裁政権」と言ってよい。

  そうだねえ。まあ、国民の程度の問題だね。だいたい「小泉人気」自体がおかしいんだが、投票率が高かった分、自民党を勝たせてしまった。ちょっと程度を超えている。
「改革」という言葉の幻想で、自民に投票すれば何かが変わるように思いこまされちゃったんだな…。

  各社の出口調査では、これまでと逆転現象が起きて、若い層ほど自民党支持で、年寄りほど野党に入れている。

  そうだな。年寄りは考えて投票するが、若い層にはそれがないんじゃないか。年寄りは経験もあるし、新聞や雑誌に接触しているから常識もある。しかし、今の若い層はテレビしか見ていないから、考え方も単純で、小泉のような単純な物言いに惹かれてしまう。小泉はこれを見事に利用したんだな…。

  レーガンが「チェンジ」(CHANGE)というスローガンで、引っ張っていった。小泉の「改革」と一緒だね。
自民党はことしからPR会社と契約して、報道やテレビ番組をチェックし、きめ細かい対策を始めた。きょう毎日新聞が書いるけど、世耕政隆さんの息子さんで、むかしNTTの広報にいた世耕弘成参院議員をキャップに、「コミュニケーション戦略チーム」を作って、毎朝前日の検討をし、その日の対応策を立てていったそうだ。アメリカの選挙や、広報戦略では当たり前になっているが、これが持ち込まれた。小泉首相の郵政民営化一本槍の発言なども計算済みだったと思う。

  僕は民主党は広報戦略を間違ったと思う。「日本をあきらめない」など拙劣きわまる。「改革を止めるな」は、すっきりしている。しかし、問題なのは、本当の対決点である憲法や増税をテーマにできず、向こうの土俵に引きずり込まれてしまったということだ。その点では、自民も民主も違いはないんだから、民主党が勝つわけはない。
 公明党も太田昭宏が「与党統一候補」って言っていたみたいに、自民党と公明党は一体化してしまっているしね。

 D 今回、「改革」っていう言葉でごまかされたが、実は誰のための改革か、これが問題だ。奥田経団連会長や北城同友会代表幹事が言う「改革」だ。ホリエモンは「強者がより強くなる政治が必要だ」と言っていた。武部幹事長は「感銘を受けた」と言ったけれど、まさに富む者と貧しい者との格差拡大のための「改革」なんだ。フリーターのような庶民のねたみ心から言えば、郵便局員は、強者に見える。それを刺激して、「改革」と言ってつぶそうとする。論理も何もない。
 
  福島さんの言い方にも文句がある。「弱者のための政治」と言っていたが、「強者、弱者をつくらない政治」と言うべきだ。そこが問題なんだなあ。

▼863万票をどうするのか?
 
 今回の選挙で問われているのは、郵政民営化なんかではなく、憲法や税金でなければいけなかった。選挙後でも社民と共産の共闘ムードが広がる可能性があるのではないか、と思っていたけど、何ですか、又市さんが「21選挙区で民主党と選挙協力する」って発表したでしょ。あれは、どうしてそんなことになったんですか? 民主と一緒のところで、憲法も増税反対もいえなくなってしまう。大体、その選挙協力は議席に結びついたんですかね?

 うん…。多分あれは、組合の問題があったんだろうね。
 
小選挙区では、自民党は得票率47%なのに議席は73%、民主党は36%なのに、で議席数では17.3%しか取れない。小選挙区制のひずみがはっきりしている。
比例区でみると、社民党と共産党の得票率は足すと863万8709票になる。総投票数の12.7%で、公明党の13.3%にほぼ匹敵する。
 どちらにしても、議席はもっとあっていいのに、制度のせいで民意が伝わらない。とすれば、国民の声を国会できちんと発言するために、共同していいはず。それなのに、改憲、増税を主張している民主党と協力するなんて、わからない。

  そうなんだなあ。福島さんと志位さんと、話を聞いて、どこが違うかわからない。同じことを言っているのに、分かれてやって両方とも票を生かしきれない。われわれから見れば、実に馬鹿なことをしている気がする。

  そうだね。社民党は今回議席を2つ回復したし、共産党は何とか現状維持だった。君たちが言うように、社共共闘をアピールする必要があるね。
ただ、共産党については、どうも「俺が俺が」という感じが強いんだね。自分たちの考え方が正しくて、ほかはだめだ、という考え方が強いんじゃないか。だから、社共共闘といってもなかなか譲り合いができないんだね。

 でも、共産党なら491万、社民党なら371万の票を大きくしていかないと、どうしようもない。例えば、憲法とか税金とかだけでもいいから、院内での行動を一緒にする仕掛けができないものですかね。そうだなあ、例えば、田さんが上田耕一郎さん(共産党副委員長)と会って、そういうムードをいっぺんに作っちゃうとか…。

  そうだなあ。共産党では上田さんとなら、話はできるだろうけどね…。だが、そこから先が問題だろうなあ…。

 でも、それは社民党と共産党に入れた多くの人が考えることだと思う。本当に考えてほしい。

 ▼日本はアジアの孤児になるな

  でもとにかく、こうなってしまいました。これからどういうことが起こるんだろうですか。
憲法問題かな。

  自民党は大勝したのだから、これで選挙はしたくない。4年間やろうとするだろうが、2007年の参議院がどうなるか、があるね。それ以前にもいろいろ動かそうとはするだろう。しかし、そう簡単ではない。
 
 憲法を変えると言うことは、正々堂々と海外派遣して米軍と一緒に世界展開すると言うことだ。許すわけにはいかない。まず国民投票法案が出てくるだろうが、きちんと闘わなければね。

 D さっき出たように、若い世代や全共闘世代でも「小泉しかない」という。みんな自分の目先の問題に目を据えていて、憲法とか外交とかアジア関係とかの視点は全くないことがまずい。政治を考える力を持っているはずの人たちでもそう言うから…。

 小泉は会見で、朝鮮問題に言及した。可能性は低い、といったが、どこまで考えているかが問題だ。韓国はいま、与野党の対立もあるにはあるが、統一の意識が強くなっている。いろいろ統一を前提にした計画を進めている。小泉がもし真剣に朝鮮問題を進めようとするなら、統一に日本は協力しなければいかん。小泉が統一に賛成するとすれば、端倪すべからざる人物になる。その可能性は見極めなければならないと思う。
日本はいま、アジアでほんとに孤立してしまっている。6者協議もアメリカについていけば、と拉致問題だけ言って居るんじゃ話にならない。韓国はイラクから撤収する可能性だってあるよ。日本はもっと主体的に行動しなければ…。
 
 パウエルも「あんな演説をしたのは、一生の失敗だ」と言っている。イラク戦争の間違いを認めないのは、ほんとに小泉くらいだ。ブッシュだって、ニューオーリンズでは、イラクのせいで対応ができず、批判を浴びている。貧富の差がこんなにもすごい、って世界中に見せてしまった。ニューオーリンズの悲劇は、「小さな政府」「新自由主義」の間違いですよ。

  ニューオーリンズはむかし、TBS時代に休暇で行ったことがある。テント張りの土間の店で、ディキシーランドジャズを聞いた。「俺は日本にいた」という白人がいたがみんな貧しいところだ。放っておくと日本もそうなる。問題を本質的なところで考えてやっていかなけりゃいけないね。

(2005年9月13日収録)

 

                           




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