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No.7
8月1日登録
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このページは、
田英夫とジャーナリスト仲間の懇談を
月一度をめどにお届けします。
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何とかして「日本の暴走」をくい止めよう
▼戦前のことを思い起こす
―国会が終わりました。どう総括しますか。
田 うん。復帰して議員会館にいろいろ資料を運んだりしたんだが、国会に追われて、まだ資料の整理ができていないんだ…。
イラク特措法では、1回やったけど、あとは太田昌秀さんに任せた。問責決議案で2日間徹夜のようになったのはきつかったね。
つくづく思うのは、今度の国会では、歴史に残る大転換をやられちゃった、ということだ。ぼくは前から「ジャパニーズ・ネオコン」の話をしてきたが、世の中の政治の転換は、誰かが、とか何か一つのグループがやるんじゃなくて、いろんなグループや個人が、役割分担をもって動き、その中で起きてくるんだね。戦前のことを考えるのだが、軍と右翼がそれぞれ動き、特高警察などが絡みながら政治の流れを作った。1929年の世界恐慌などが契機になったが、大正デモクラシーの流れをつぶしていった。
いまは戦前の右翼とは少し違うが、小泉に象徴される右派の政治家が先頭に立って政治の方向を引っ張っていっている。全部が右翼みたいに馬鹿なことをいうのではなく、政治の中身を変えるかのようなことをいって、危険な方向に走っている。
―「改革」と称して実は超タカ派の小泉首相は、いまも高い支持率を誇っている。戦前の「新体制」で国民を惑わした近衛文麿の役回りにも見えますが・・・。
田 いまに始まったことではないかもしれないが、小泉は実にめちゃくちゃなことを言って、この国会を乗り切った。しかし、ぼくはどうも全体として、いまの日本には、それを是認するような民意がある気がするんだね。例えば「日米同盟」という言葉だ。20何年前には、「同盟関係」といった鈴木善幸首相に反発して伊藤正義外相が辞めたくらいだ。「同盟」というのは「軍事同盟」のことなんだ。しかし、いまはみんな「当然」という顔をしている。アメリカを向いて育ってきた30−50代くらいの国民にそれがあるし、政治家がそうなっている。
―党首討論で小泉首相は民主党の菅直人代表に対し「アメリカを大事にしなくてどうするんだ」と言って開き直った。菅氏は「答える必要がない」と対決を避けたが、「ひたすら追随するだけが同盟か」と切り返してほしかった。
田 何でもかんでも追随するのが同盟ではない。きちんと批判して、いい方向に持っていくのがアメリカの本当の友人なんだ――そう言わなければいけないはずだ。これでは日本は、自主性をどんどん失って、属国になっていく。
▼「神学論争」といってごまかすな
田 戦後イラクがこうやって抵抗運動している様子を見ると、日本人はどういう民族なのか、と考える。「鬼畜米英」といっていたし、何百万人も死んだが、米国への抵抗はなかった。だらしなかったのかな、と思う。そしていまの状況だ。野党第1党がああなら、マスコミもひどい。米国批判は驚くほど少ないのだ。
イラクはやはりイスラム教という宗教の筋がピンと通っている。日本人は心棒が通っていないのかもしれない。明治になって、天皇制があんなに簡単に入ってしまったのは、既成の仏教や神道が、本当には根をおおろしていなかったからかもしれないよ。
だから、日本は、経済の復活は猛烈な勢いでやって、世界も驚いた。確かに日本は立派だった。しかし、経済発展がすべてになってしまって、整えるべきことを怠った部分がある。防衛問題が象徴的だが、この問題は本当に憲法の論議、日本の国のあり方を論じてこなかったことに原因がある。
いままでずっと、自民党は自衛隊を軍隊にしようとしてきたが、今度はその是非についての論争を「神学論争」と言って馬鹿にしている。民主党の「対案」なるものも、問題を突き詰めて考えるのではなく、どううまく収めるかだ。「憲法は非常識」とか「説明が付かない」とかいって議論にならないなど、およそ立憲国家ではおかしいことだ。
技術的というか、自衛隊をどうするか、という戻るような議論をしないとダメだと思った。自民党の修正案ではダメだ。元に戻って、神学論争もあえてしないとダメだと思う。私は質問で「戦争というのはどういうものか」と聞いたが「国と国の…」とか何とかいう。「人を殺すことだ」というと、ますます答えられなくなった。
―マスコミにも責任がありますね。
田 その通りだ。世界、人類の中で考えると、いま米国主導のグローバリズムに反対する動きがすごい流れになってきている。それが反戦運動を広げた。ところが、日本はこれをメディアも報じないし、グローバリズムの中にどっぷり浸かっている。日本は平和憲法でそうした新しい流れの先頭に立てるのに、全然別のところでとどまっている。
早い話、小泉流の構造改革は、利権の移動の話で、権力を握っている人たちの中のこと。弱者救済の政治への改革ではないではない。世界がそこの議論を始めているのに、どんどん視野を狭めている。これはだめですよ。
この間、劣化ウラン弾のことについて、放射能の専門家の話を聞いたが、劣化ウランというのは、ウラン235を取り出した残りで、れっきとした放射性物質だ。ものすごく堅いので弾丸の頭につけると戦車などを貫き、中で放射能を出すという。半減期は42億年だそうだ。戦車に使われると、その戦車ごと、放射性物質になるという。そんなものを平気で使わせ、そこへ自衛隊を出す。とても被爆国のすることじゃない。
▼辻元逮捕は政治的意図
−辻元前議員の逮捕では、党から何か相談がありましたか?
田 いや。昨年は議員ではなかったから、「かわいそうに…」と思ってみていたが、土井さんは対応を間違ったね。今回聞いてみると、何か60回も事情聴取に応じたし、借金してお金は返している。政治資金規正法違反ではあるかもしれないが、詐欺ではない。これは明らかに政治的意図がある逮捕だよ。
―真紀子には行かせないために、詐欺にしたという話がありますし、辻元さんと親しい男性の資金を洗いたい公安の意図があるといわれています。地検内部では意見が割れていたと聞いています。
田 社民党は打たれ弱い党だね。辻元逮捕には政治的意図がある、ときちんといわなけりゃいけないのにシュンとしている。党存亡の危機で、それは日本を大きく転換させていく。そういう事態につけ込んで、民主党が一本釣りをしたり、選挙の候補者が渋り始めたりしている。このままでは、衆院選があれば、ひと桁になりかねない。共産党も筆坂事件で評判を落としているし、そのときは、いよいよ日本が危ないんだよ。
―イラクはいまも戦闘状態にある。そこへ自衛隊を出そうとしている。国会議員たちは本当にこれでいいと思っているのだろうか。国民はそこを知りたいはずだが。
田 イラク派遣法の問題で日本ジャーナリスト会議(JCJ)から、参院議員にそういう質問状がきたので、答えたよ。ぼくが思うには、議員も絡め取られて基本的な議論ができなくなっている。二世議員が多いし、御身ご大切なんだ。処分されるしね…。
―民主党では「教え子を再び戦場に送るな、といってきた以上賛成できない」と有事法制の採決で棄権した神本みえ子さんも、「昭和の日」の制定に反対した楢崎欣弥さんも処分されましたね。でも、民主党のイラク法案反対が本当なら、自衛隊派遣の恒久法にも反対のはず。選挙の争点にできませんか?
田 そうだね。菅君は*市川房枝さんの応援で政治の世界に入ってきた。私は彼が最初に当選したとき、国立駅前で「必ず通る」といって激励して応援演説をした。それから、18年同じ党で一緒にいた。それがいま、総理大臣候補だ。日本を誤らせないように、私も最後のご奉公のつもりで頑張るよ。
(注・文中リンク 有責:管理人)
市川房枝さん=市川房枝さん(女性運動、婦人参政権運動、女性議員の草分け)
特高警察=特別高等警察の略。戦前の政府に反対する思想や言論、行動を取り締まることを専門にした秘密警察。
社民党の談話 |
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第一号 2002年11月
大局を見た判断と人権重視の報道を
第二号 2002年12月
いまある「戦争の危機」を回避せよ
第三号 2003年 1月
米国のイラク攻撃を支持するな-主体性問われる日本外交
第四号 2003年 3月
右傾化する政治 |
第五号 2003年3月
始まったイラク戦争
第六号 2003年4月
国会に復帰した 田議員 |
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