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No.9
10月3日登録
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このページは、
田英夫とジャーナリスト仲間の懇談を
月一度をめどにお届けします。
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2003/9/30収録
◎総選挙の争点は「憲法」と「民主主義」
▼「郵政民営化」とは何か
A 臨時国会が始まりました。代表質問では、民主党の菅代表の質問に、小泉首相がむきになって反論するなど少し変です。国会ではどんな受け取り方をされているのですか。
田 英夫 菅君は自由党と合併して、いよいよ目の前に「政権」がぶら下がっているというわけで、そこに飛びついているんだね。それに、郵政問題では小泉首相が絶叫調に対決した。だが、あれは自民党内向けに言っている感じだな。それだけ小泉は総裁選に一生懸命だった、ということだね。
C でもわからないのは、郵政民営化が小泉首相にとってどうしてそんなに大切なのか、ということだ。利権がどう動くのかね。
田 そうだね。どうするつもりかは、まだ言わない。しかし、郵政が国民から預かっている金は、郵貯と簡保で150兆円以上あるんだ。この金をどうしようとするのかね。郵政公社まではいいとして、その先は問題だ。参院選までは恐らく何も言わないんだろうが。
D 小泉民営論は「小さな政府」論から出ている。国家主導型の経済を切り替えようということだが、何でも民営化すれば、良くなると言うことではない。米国の郵便制度は国がちゃんとしなかったから、めちゃくちゃになった。郵便がしっかりすると小包会社が困る。利権が絡んでいるんだ。
田 郵政の民営化で、郵便貯金や簡保の金を動かせば、結局金融機関の利益になる。もともと何でも自由競争、というのはおかしいんだ。台湾では、孫文の三民主義の影響か、いろんなところに公営が残っている。進んだやり方かもしれない。
アメリカでは大停電があったし、日本では大企業の工場で次々事故が起きている。マネー優先経済が引き起こしたものだ。日本はアメリカのまねをするが、ヨーロッパでは民営化も極端なことはしないね。WTOの決裂も、そういう問題が世界中にあって、アメリカに勝手なことをさせてはいけない、大国支配の経済はダメだということなんだ。
B それにしても、国会の議論は「郵政民営化」が最大の焦点みたい。おかしいよ。
▼「テロ特措法延長」は問題だ
田 そうだね。テロ特措法の延長についていえば、自民党は、衆院は1日、参院は3日でやるという考えで、民主党はこれを飲んだ、といわれている。参議院に来れば私も質問をすることになっている。実は重大な問題なのに、あまりに軽い感じだね。
A テロ特措法は、2年前に「9・11テロ」があって、アフガニスタンのタリバン政権をやっつけなければいけない、という理屈で米国が攻撃し、小泉内閣が内外の反対を押し切って成立させたものだ。インド洋に自衛艦を出し、日本の金で軍艦や航空機に油を提供している。国会で承認という意見もあったのに、そういう仕組みにはならず、派遣計画は半年ずつ延長してやってきた。2年間の期限は、それで一段落するとの見通しだったからだ。
これをもし延長するというなら、いままで何をどうしたか、どんな形でどのくらいの金や人手をかけて何をしたか、その結果どうなったか。2年前といまと情勢はどう違うのか、変わらないのか、をきちんと総括すべきだ。防衛庁は活動についてもほとんど公開しないでやってきている。メディアも報じない。そんないい加減なことで、延長するとすれば、国会議員は何のためにいるのか、といいたい。ビンラディンが捕まるまで、アルカイダが撲滅するまで出すというなら、期限などないではないか。
田 確かにそうだ。小泉首相はとにかく、スローガンみたいなことしかいわないから、何を考えているのかよくわからないところがある。もっとじっくり聞きたいね。
C 僕は今度の改造内閣は、「改憲シフトのネオコン内閣」だと思いますよ。2005年に自民党の改憲案を出すというのを公然と言い出したし、拉致議連から何人も入っているし、危険な内閣だと思いますね。
田 そうだね。君たちが言うとおりだよ。みんな若くて、憲法についても平和や外交の問題でも軽い感じで困ってしまう。重みがなくなっちゃった。自民党は着々と準備している。僕は1年8カ月、国会の外にいて戻ったんだが、そうしてみると、国会というところがいかに特殊で、庶民の感じから離れてしまっていることがよくわかるね。
D 自衛隊のイラク派遣問題もそうだ。イラク統治評議会のチャラビ氏は、「米国は来年撤退する」といっている。要するに、自分は帰るから、後は日本や多国籍軍に…。ただ、利権指揮権は握ります、だ。
B お金も爆弾で壊しました、復興は国際支援で、という。そんな馬鹿な話はない。
田 しかし、自衛隊はなかなか出せないんじゃないか。政府としては何とかC130は出したいだろうが難しい。こんな形の中で、誰に言われようが、出すべきじゃないよ。金の方は、米国は80億ドルとかいっているようだが、要するに日本円で言えば、1兆円規模ほしいんだね。日本の防衛予算の5分の1になる。この経済危機の中で、そんなこと、いいわけがない。僕もテロ特措法が参院に回るようなことになれば質問する。短い時間しかくれないのでやりにくいが、精一杯やってみるよ。
▼「国連中心」と「家族」も争点
A 大事なのは、選挙の争点ですよ。私は「護憲」と「国連中心主義」の外交にきちんと戻す」ということだと思う。「国際紛争を軍事力で解決するな」ということで、米国の言い分を何でも認めるんじゃなく、国連が必要だ、ということだ。
B 「護憲」も、いままでのように「9条守れ」みたいな護憲だけではだけではダメだな。もっと内実をつくっていく。若い人の中にも新しい護憲的ムードが生まれているよ。そこにアピールしていかなければ…。
田 選挙政策は、社民党も膨大なものを作っている。政策審議会のスタッフが書くんだが、私は「2−3枚でわかるものを作らなければダメだよ」と言っているんだ。あくまで一般大衆レベルの選挙なんだからね。
D そうですね。キャッチフレーズを作って、問題を気づかせずに持っていってしまうやり方は、自民党はうまいですからね。安倍の売り出しなど、マスコミも乗っている。
田 菅直人君は小泉首相と同じような感じがあるよ。新しい物好きで…。以前、「オリーブの木」で騒いだことがある。今度は「マニフェスト」だね。
B 自民党は総裁選というキャンペーンをやった。社民党も何かやったらいい。それで思うんだが、土井さんはこの際、外遊して、国連のアナン事務総長やフランスのシラク大統領と会ってきたらどうかと思うんだな。米国の空気も変わってきているから、ヒラリー上院議員と会うのもいい。社民党がこの際、「日本はあくまで国連の旗の下でなければ行動するべきではない」とだ宣言していくのは大事なことだ。
田 そうだね。選挙のことは社民党も頭が痛い。今回の選挙では、経済も課題になるが、ただ強いものが勝つという政治ではなく、「弱者のための政治」が大事だ。中小企業問題も、年金問題もある。私はいま、スキー連盟の指導委員会をやっているが、スキーをする若者が激減しているというんだ。携帯に金がかかるから、という説もあるが、もっと大きいのは、若者が就職できない、できても給料月10何万でダメだ、ということらしい。
そこまで来ちゃっているのを転換させなければいけないね。
A 僕は、「弱者のための政治」というより、「家族を壊した政治をやめて、家族の再建を」ということだと思う。「弱者」というと、自分のことだとあまりみんな思わないけれど、お父さんの会社はリストラ、会社勤めを辞めたら年金は切り下げだし、健保は値上げ。教育は愛国心の締め付け、大学を出ても就職はできない。要するに、家族がバラバラにされ、みんな問題を抱えている、という図式だ。家族を再建しなければならない。これをアピールしなければ…。
C そうですよ。20歳台の失業率がすごい。高校出ても半分しか就職できない。家族の問題を提起するのは政治の責任だ、小泉自民党政治が家族を壊している。社民党のマニュフェストですよ。
田 その通りだ。いまや核家族ではやっていけなくなった。「いま家族の再興を」「いま家族のきずなの回復を」だね。そこから考えるのが民主主義だ。そんな家族を放っておいて、米国にいい顔をするために家族から引き離して自衛隊をイラクに送ったり、金を出したりする。それは間違っているんだね。
(了)
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第一号 2002年11月
大局を見た判断と人権重視の報道を
第二号 2002年12月
いまある「戦争の危機」を回避せよ
第三号 2003年 1月
米国のイラク攻撃を支持するな-主体性問われる日本外交
第四号 2003年 3月
右傾化する政治 |
第五号 2003年3月
始まったイラク戦争
第六号 2003年4月
国会に復帰した 田議員
第7号 2003年8月
日本の暴走を食い止めよう
第8号 2003年9月4日
◎政治と報道に「常識」を取り戻したい
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