第3回 エッセイ:GROUPTHINK

このコーナーでは、これまで学校で習った事の中から、ビジネスで役立ちそうな内容を現実問題と結びつけて紹介していきたいと思います。第3回目はGROUPTHINKについてです。このテーマは、フォードスクールのForeign Policyの授業ので習っ議論した内容を自分なりに整理したものです。

三人寄らば文殊の知恵といいますが、現実にはそうならないことがあるようです。社会心理学という分野でこのことは確認されているようで、現実の政策決定過程でもこのようなことが起きているようです。つまり、GROUPTHINKとは、国の政策を決定などのように、頭の良い複数の人、政策決定であれば政府高官、が議論しているにもかかわらず、結果としてとんでもない意思決定をしてしまうことが実際にあるということです。

1986年にレーガン大統領にふりかかった大スキャンダル、イラン・コントラゲート事件がこのGROUPTHINKであったようです。
イラン・コントラゲート事件とは要約すると、レーガン政権が、中米の共産化を阻止する目的で、その当時革命政権下にあったニカラグアに対し、レーガン指示によるCIAが秘密裏に「コントラ」と呼ばれた反政府ゲリラを支援しニカラグアに内戦を引き起こさせた事件です。この事件の一方で、80年代のイラン・イラク戦争でイラクを支援していたレーガンはイランへ武器を売買して、その金でコントラの支援の資金にあてるというとんでもない行為に出たのでした

このようなとんでもない事件を起こしてしまった背景にはGROUPTHINKという現象が起きていたというのです。詳しく説明するには中東とアメリカの外交関係の歴史を紐解かなければならなくなりますのでやめますが、ポイントはアメリカ政府という頭の良い人の集まる組織でさえもGROUPTHINKという現象が起きていたのだということ思います。つまり、このGROUPTHINKは、政府内だけでなく、一般の企業の会議でも起こるだろうし、家族会議などの日常の会議なんかでも起こるかもしれません。会議の決定事項が重要であれば重要であるだけその問題は深刻になります。この現象の恐ろしいことは、会議参加者の頭の善し悪しには全く関係なく起こりうるということです。
会議の参加者は、他にも頭のいい人がたくさん参加しているから大丈夫だろうなどという妙な安心感が働くからかもしれません。

みなさんが日々経験している打合せや会議でもこのGROUPTHINKが起きている可能性も十分あります。そこで、一番知りたくなるのが、一体どんな状況でこのGROUPTHINKという現象が起き、それを防ぐにはどのようにしたらよいかということだと思います。

まずどんな状況で起きるのかということですが、早く結論を出さないといけないという極度のプレッシャーがあるとき、根拠のない楽観的な意見が出るとき、会議に反対意見を受け付けない雰囲気があるときなどがあるそうです。会議の進行役は、一方的な意見に偏らないよう、配慮しないといけないということでしょうか。

また、GROUPTHINK対策ですが、一つの方法は、会議の参加者全員が、GROUPTHINKを理解し、その症状があらわれたときには、参加者がその危険性を察知することだと思います。会議に参加しているのは自分だけではなく、他にも優秀な人が参加しているから、その結論は間違いないと考えるのは、危険な考えでしょう。もし会議参会者のひとりでもGROUPTHINKの症状に気が付いたら他の人に指摘し、危険を回避できるかもしれませんよね。

もしGROUPTHINKについて知りたいと思われたら、社会心理学の分野で実証研究含めてかなり研究されていますので、専門書をあたってみてください。

それではこの辺りで。

mike, Nov 15, 2003





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