アメリカ留学で必要な3つのスキル(読む・書く・話す)

ミシガン大学フォードスクールでは、経済学や政治学のテーマを勉強することとあわせて、読む・書く・話すのスキルを身につけることが求められています。これはアメリカの大学院で文系科目を勉強する人にはすべて必要とされるスキルではないでしょうか。ここではそれぞれのスキルについて私なりにまとめてみました。

 書くスキル (Policy Memoの書き方)

Policy Memoとは、上司に向けた政策分析メモのこと。政策はメリット・デメリットの両面から分析される。シングルスペース1〜3枚が主流で簡潔に要所をおさえることが求められる。
メモの構成としては、はじめに、政策の背景を簡潔に書きメモの目的を明確にした上で、その政策をとったときの利点と問題点の両面を議論する。そして、利点と問題点のバランスによって、その政策をやるべきかやらないべきかを結論として提言する。

このメモ(レポート)を書くときに常に心がけていることは以下の6つ。(バーバラ・ミント著の「考える技術・書く技術」にかなり影響を受けています。この本については、ビジネス書評のところで詳しく紹介しています。)特に1、2、3、は重要。

  1. 常に読み手(教授、上司、クラスメート、一般)の疑問を想定し、その疑問を全てカバーするメモにする。わざとQ(疑問)を起こさせるような問題提起文をパラグラフのはじめに置いて、パラグラフ中心部でそのA(解答)を披露する。
  2. 「この政策には××つの利点がある。」とはじめに宣言し、First〜、Second、Third、と続ける。
  3. 議論の根拠は、有名な学者の引用か、データによる事実にもとづいて示す。メモではNotesとして根拠を必ず示して、アーギュメントの強さを示す。
  4. 論理と文章のフローに配慮する。Since, this is because, therefore, as a result, consequently, this〜,however, unlike, contrary to, in addition, by 〜ing,
  5. 美しいはじまり。歴史から入ったり(Over the last two decades〜)、用語・問題の定義から入る、テーマから入る。
  6. 美しいおわり。Considering法(これらのメリット・デメリットを考慮して、比較すると××がいいと思います。)、Otherwise法(この政策をしないとこんな大変な問題が起きるから必ずこの政策を実行して下さい。)、We believe法(確かにこの政策には○○の問題もあるが、私はこのメリットが大きいと信じているから実行して下さい。)など。

例として、私のPolicy Memoを公開します。

地球温暖化問題に対するインド政府のとるべき政策(グレードA+)
デトロイトにおける環境正義問題(Envirornmental Justice)のこれまでの政策議論と今後(グレードA-)


 読むスキル

政治系のクラスではかなりの量のリーディングが要求されます。平均すると1日に30ページぐらいの英文を読まないといけません。内容は学術的なものなので速読は難しくなります。日本語であれば多少速読も可能ですが、内容について深い考察や検討をしたければやはり時間をかけることが必要でしょう。スキルと言うほどの大それた自分なりの方法論がまだ確立できていませんが、いつも4点のことを実践してます。なお、リーディングにおいてもバーバラ・ミント著の「考える技術・書く技術」の基本知識は相当役に立ちました。

また、スキルとはやや違いますが英語の語彙数を増やすことは必須です。リーディングでできるだけ辞書を引く時間を少なくすることは、できるだけ論文の内容に集中する必要条件となってきます。

  1. メインQuestionとそのAnswerを考える。必ず論文にはメインQuestionがある。例えば、「民主主義と宗教はいかに結び付いているのか?」とか「政府は大きな政府であるべきかどうか?」など。このメインQuestionをとらえるようにする。こうすればズレたリーディングをすることは少なくなる。
  2. 批判的な読み方をする。アメリカの大学では必ず批判的な意見が授業で求められる。著者の意見に対して反対し、その根拠や例外を考えることが必要。
  3. 気づいたことをメモする(本や記事に直接する)。いつでも読み返したとき思い出せるようにするため。
  4. 時間のないときはイントロと結論のみを読む。英文はイントロと結論を読むだけで大体の内容はわかる構造になっている。そして、イントロ(はじまり)と結論(おわり)はうまく結び付いている場合が多い。



 話すスキル

ディスカッション系のクラスではクラスでの発言は避けられません。大切なことは「クラスの印象に残る発言」をすることです。留学生は当然語学のハンデがありますが、内容的にはアメリカ人と違った内容の発言ができますので、強みはあります。教授も留学生の意見には興味をもっている場合が多いので、注目度という点ではアドバンテージがあります。私がいつも気を付けているのは6点です。

  1. 一度の発言でたくさんのことは話さない。そんな発言は印象に残らない。
  2. Eye Contactをして自身があるふりをする。これだけでも印象が違うらしい。アメリカ人の友人が教えてもらって実践してる。
  3. Yes or No など結論を先に言い自分の立場を明確に印象づける。結論を先に明示して、その理由を言う。日本語とは逆の構造。
  4. 反対意見を述べる(できるだけI agree発言を避ける)。反対意見のほうが議論が発展するきっかけとなる。また、反対意見の方が議論に貢献でき、印象に残る。
  5. 英語はゆっくりと話す。アメリカ人の間の議論ではかなり早い英語だが、留学生はそのマネをしない。早く話せばまず理解してもらえない。
  6. 日本特有の事例を、持論の根拠にもって来ると印象に残る。





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