旅行者下痢症


海外旅行で最もかかりやすい病気が下痢です。頻繁に渡航する人はたいがい一度はひどい下痢にみまわれたことがあると思います。
原因は汚染された飲食物からの感染性下痢、水質の違い、グルメに徹しつい食べ過ぎたなど多岐にわたります。特に旅行中は疲れもかさなってひどい下痢を起こしがちです。このようなものを全てひっくるめて’旅行者下痢症’と名づけられております。
ここでは感染性下痢の予防、対処方法につき説明させていただきます。

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発展途上国での感染性下痢のほとんどは細菌によるものです。
他にはウイルス、原虫、蠕虫によるものもあります。

予防が大切です。


感染性腸炎はほとんどの場合、水や不潔な手で調理した食物で感染します。
現地で買うミネラルウォーターも、偽物がでまわっていることもあり必ずしも信用できません。他にも飲み物に入っている氷、汚い手でさわった皿etc.、、、挙げるときりがありません。100%の予防は不可能としても、最大限の努力でかなりの部分は予防できます。
 ・携帯湯沸し機を持参し、いったん煮沸した水をのむ。
 ・プールや河など淡水で泳がない。
 ・歯磨きは煮沸した水など安全な水を使う。
 ・生魚、生野菜を食べない。(常識)
 ・屋台で食べない。(これも常識)
などの注意が必要です。
また、汚染地域に旅行する場合はコレラ等の予防接種をうけることをお勧めします。

下痢をしてしまったら


 もちろんお医者さんにかかり、適切な診断のもとに適切な治療をうけることが大切です。
ただの食あたりだと馬鹿にしているとなかには怖い病気が隠れている可能性もあり、まちがった治療でさらに状態を悪化させる可能性もあるからです。
ただ、その国の医療事情によって診療を受けられない場合に限り、とりあえずの対処法を挙げておきます。

● 水分をしっかりととる。
下痢をするとほぼ100%脱水になります。水分を取りすぎるぐらい取ってもたりないぐらい水がどんどん出ていってしまいます。
細菌性腸炎による死因のほとんどは脱水であり、たいていの下痢は水分をしっかりとって脱水を予防するだけで自然とよくなります。
腸が炎症をおこしているときはただの水では吸収がわるいのでポカリスウェットなどの糖電解質液がいいでしょう。
えっ 海外にはポカリ売ってないって? 大丈夫。
WHOが推奨しているORS(Oral Rehydration Salt)という粉がどこの国の薬局でも買えるので、これを水に溶かして飲めばOKです。
えっ 旅行で買うお金を使い果たした? 
まわりを見てもジャングルで薬屋なんてないって? 大丈夫。
小さじ山盛り四杯の砂糖と小さじ半分の塩を水一リットルに溶かしたものでも代用できます。
ジュースに塩を溶かしたものでもOKです。

● 食事は消化の良いもの(低残渣食=便として残りにくい繊維質が少ない食事 ex.麺類等)にするとよいでしょう。ほかに,脂肪の多い食品,発酵しやすい食品,刺激の強い食品,極端に冷たい食物など は,消化管に負担をかけるので避けることが望ましいでしょう.
乳製品も下痢を悪化させるので取らないでくださいね。(ビオフェルミンと同じ様に乳酸菌がはいっているけど、ヨーグルトもだめですよ。)

● ビオフェルミン等の乳酸菌製剤
すべての腸炎においてリスク無く使える薬です。
また、細菌性腸炎の予防としてもある程度の効果はあるようです。
旅行の時は持っていくと良いでしょう。

▲ 抗生物質
発展途上国の細菌はまだ耐性菌が少ないこともあり、たいがいの場合は抗生剤がよくききますが、場合によってはかえってマイナスとなることもあり自己判断で内服治療をおこなうことはお勧めしません。
ただ、医療事情などで診療を受けられない場合、治療の目安として抗生剤の使用方法をいくつか挙げておきます。
血便が突然始まったときは細菌性赤痢の可能性がありますのでニューキノロン製剤を服用します。
熱や腹痛を伴わず、米のとぎ汁様で一日10リットル以上の多量の下痢がみられるときはコレラの可能性がありますので、テトラサイクリン系の抗生剤を服用すると良いでしょう。

◎ 注意
高熱(39℃以上),激しい腹痛,ひどい血便を伴う症状は別の危険な感染症
の可能性があります.できるだけ早く,何とかしてもよりの医療機関へ行ってください.
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