破傷風 |
| 破傷風菌は世界中どこの土壌にも(先進国、後進国をとわず)存在します。実は日本の土壌にもいるのです。 土の中に潜んでいる菌で、傷口から感染すると強烈な毒素を作り出します。この毒素は細菌兵器にもつかえるすごい毒で、極微量の毒素でも体全体に回ってしまうため気が付いてから菌を殺してもすでに遅し。 致死率はなんと90%以上!!(運よく生き残れば後遺症はありませんが。) したがって予防していくしかありません。 幸いなことにワクチンが劇的に効きます。 子供のころに接種したワクチンの効果が急速に下がってくる20歳以上の人は海外渡航はしなくても接種しておくべきでしょう。以降は10年に一度の接種でほぼ100%の予防効果があります。 |
疫学 |
人、動物から人への感染ではなく、また土の中にいるため減らすことはできません。(世界中の土を消毒するわけにもいかないので、、、) 先進国では幼児期のワクチン接種が普及しているおかげで患者数は非常に少ないのですが、20歳を過ぎたところから急速にワクチンの効果が下がってくることから、日本でも成人から高齢者にかけての感染が目立ってきております。海外渡航の有無に関わらず、(アウトドアや土いじりをする人は特に)20歳を過ぎたら予防接種を受けるべきです。 |
症状 |
破傷風菌は強烈な神経毒を作り出します。傷口の神経末端から入り、最終的には脳へ回ります。最初は傷口付近がこわばる感じや倦怠感があります。その後、全身にまわり始めると口が開かない、物が飲み込みにくい、手足の硬直、さらには全身のけいれんがはじまります。 とても運よく生き残り、けいれんが治まったとしても手足の硬直が消えるまでは2ヶ月ほどかかります。 |
治療 |
とても困難です。 早期診断、早期治療が重要で、気が付いたらスグに傷口をカットして広げて空気にさらし(破傷風菌は空気にとても弱いのです)、水でよく洗って毒素を少しでも取り除いてください。同時に大きな病院へ転送する手配を行ってください(時間勝負です!!) 抗生物質の投与、抗毒素の投与はとても早ければある程度の効果はありますが、こわばりが出始めるぐらいまでに投与しないと意味がありません。 以降はけいれんに対する治療や気管切開などによる呼吸管理が重要となってきますので、 これらの体制が整った大きな病院にできるだけ早く運ぶことが最も重要です。 |
ワクチン |
| 破傷風のワクチンはトキソイドといって、無毒化した破傷風毒です。 (菌自体にたいする抗体ではなく、毒素に対する中和抗体です。) 毒に対する抗体を作ることによって、毒が傷口から神経に到達するまえに抗体で キャッチしてしまおうという方法です。 このワクチンは劇的な効果があります。 子供のころにDPTワクチン(ジフテリア、小児まひ、破傷風の混合ワクチン)を接種 していれば成人までは免疫力が保持されております。ただ、前述したとおり20歳を過ぎると免疫力が急速に下がってくるため、海外渡航の有無にかかわらず、ワクチンの接種をお勧めします。 |
接種法 |
| ●20〜40歳台で、子供のころにDPTワクチンを含めた破傷風のワクチンを接種したことがある方は1回の接種でOKです。 以降は10年毎に接種することで免疫力は維持されます。 ●破傷風やDPTワクチン接種の既往(記憶も)がない方や、50歳以上の方は、 計2回+追加投与(3回目)の接種が必要です。 2回目の接種は初回から4〜8週あけて行います。 3回目は初回接種から6〜18ヶ月の間に接種を行います。 以降は10年毎に接種することにより十分な免疫力を保持することができます。 3回目の接種は渡航に間に合わないと思われますが、2回の接種でもある程度の免疫力が つき、3〜4年は持ちます。3回目の追加投与を行うとさらに強固な免疫力を得ることが でき、30年ほど免疫力が続きます。帰国後もしくは現地にて受けることをお勧めします。 免疫は比較的早く獲得され、2回目接種後4〜5日ほどで効果がでます。 |