脳出血は一般に、高血圧、糖尿病などによる動脈硬化が起因します。主に、血圧管理が不良の場合に発症しますが、まれに血圧コントロールが良好の方でも発症することがあります。飲酒、喫煙も誘因として挙げられていますが、今のところ定説はありません。一般の方からすると意外に思われるかもしれませんが、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が低すぎても脳出血を起こしやすいことが注目されています。また、肝硬変があったり脳梗塞の予防薬であるアスピリンなどの血液をサラサラさせる薬を服用していると、発症後に血腫が大きくなりやすいことはしばしば経験されます。症状は、意識障害や片麻痺(同じ側の手足の麻痺)を認めることが多く、救急車で搬送されて来るケースがほとんどです。痙攣(けいれん)で発症したり、意識障害の軽いものでは、頭痛
を訴えるものもあり、出血の部位により構語障害(呂律が回らない)、失語(話ができない、相手の言っていることが分からない)、同名半盲(両眼で視野の半分が欠損する)また、ごくまれに片側上下肢、もしくは、上肢のみや下肢のみの軽いしびれ感や脱力感、無症状のものもあります。
血腫が小さい場合、止血剤、脳浮腫改善剤など点滴による保存的治療を行いますが、血腫の大きさ、部位によっては、救命、症状の早期回復のために、『開頭血腫除去術』、『小開頭血腫除去術』などの血腫摘出の手術が必要になることがあります。血腫の大きさによっては、局所麻酔下で穿頭(穴をひとつ開けるだけ)による『ステレオ血腫ドレナージ術』、施設によっては、『内視鏡下血腫吸引術』などがあり、より低侵襲な方法です。
脳出血の慢性期は、@血圧管理、A動脈硬化の予防、Bけいれんに対する注意を踏まえ、処方、画像撮影、患者さんによってはリハビリテーションを含め、外来通院が必要です。@血圧は一般的に135〜140/85〜90以上が治療対象になることが多いのですが、130/85以下が推奨値です。高い場合、処方された降圧剤を正確に飲んで、お家でも時々測って下さい。A高血圧の方は動脈硬化により脳梗塞を合併することもあります。脱水を起こさないよう適度な水分補給、20分以上の散歩など日頃からの適度な運動を心がけて下さい。タバコを喫っている方は控えて下さい。Bけいれんを起こした場合、吐物が気道を塞がないよう横向きに寝かせ、救急受診してください。痙攣止めの薬を飲んでいる方は2〜3日飲まないと痙攣を起こすことがあります。処方された薬は正確に飲んで下さい。
にんにく、ねぎ、らっきょうなどのねぎ類、納豆、黒豆などの豆類、いわし、さんまなどの魚介類は血栓を防止し、ごま、にんじん、トマトなども含め動脈硬化を予防すると言われています。ここから先の話は、分を超えますので、『お昼の某番組』などに花道を譲ります。
ただし、心房細動に対するワーファリンという薬を飲んでいる方は、納豆がビタミンKを豊富に含むことで薬の作用を弱くしてしまうため、食べないで下さい。
術前のCT(推定血腫量約57ml)

術前のCT(皮質下の大きな出血)

術後のCT(『減圧開頭』のため頭蓋骨を外してある)

『小開頭血腫除去術』
『小開頭血腫除去術』