「頬っぺたがヒリヒリする。」、「目の奥が痛い。」
「目の周りがピクピクする。」
いずれも、疲れたり、風邪を引いたりするとよく経験されることです。前者を『三叉神経痛』、後者を『顔面(眼瞼)痙攣』といい、通常経験されるものはウイルスによるものです。
症状の出方によっては、
●三叉神経(感覚神経)領域では、「顔がしびれる」、「歯が痛いが歯科に行ったら異常ないと言われた」などということもありますし、「目の奥、周囲がいたい」という場合、ウイルス(ヘルペス)性の角膜炎や角膜潰瘍(眼科領域)、急性(慢性)副鼻腔炎(耳鼻咽喉科領域)ということもあり該当各科の受診を要します。
●顔面神経(運動神経)領域では、「目の周りがピクピクする、引きつる」、「顔がピクピクする」などの神経の興奮症状ですが、ウイルスが原因の場合、炎症の程度が強くなると神経が骨を通過する経路で絞扼され「目が乾く」、「口が渇く」、「耳が響く」、「味がおかしい、鈍い」、「顔がゆがむ、動かない」などの『顔面神経麻痺』として、別のカテゴリーに入ります(脳外科でも診ますが主に耳鼻咽喉科領域)。
ウイルス性の場合、3日くらいから数週間で改善しますが、40歳代以上で数ヶ月から数年で次第に症状が進行する場合、動脈硬化によるものが考えられます。
動脈硬化により蛇行した血管(主に動脈だが、静脈や繊維性癒着などのこともあり)が顔面神経や三叉神経の脳幹部からの出口を圧迫し、『特発性顔面痙攣、三叉神経痛』を来たします。
初期や症状の軽いものには『ランドセン、テグレトールなどの抗痙攣薬』、『ビタミンB12(末梢神経改善薬)』などの内服、症状が進行したものには『三叉神経痛』に対しては三叉神経ブロック、『顔面痙攣』に対してはテトラドトキシンなどの薬剤の皮下注により緩和します。症状が悪化し内服を含めた保存的治療が有効でない場合、『後頭下開頭神経血管減圧術』という手術で、原因血管の剥離、圧迫解除による根治術を行います。剥離した血管が戻らないように、間に人工血管を噛ませたり、人口硬膜で接着したりします。
尚、『ガンマナイフ(放射線治療)』は、もともと腫瘍などに対する効果を主眼に開発されたものですが、最近、これが『顔面痙攣』、『三叉神経痛』に有効であるという報告が出てきており、今後の治療が注目されています。
脳血管撮影(↓の左椎骨動脈と後下小脳動脈が圧迫血管)
ステレオ撮影のため、右目で左の画像を、左目で右の画像を寄り目をするようにクロスして見ると立体的に見えます。
顔面痙攣術前MRI(↓が顔面神経の圧迫部)

顔面痙攣術後MRI(↓は人工血管)
