世界中の貧困と飢餓と戦争と日本人の生き方について6


前回の監督放浪日記の続きです。

以下の記事がasahi.comトップに載りました。
【ODA3%削減へ  円借款は増やし補完、財務省が方針】 2005年12月17日06時53分

 財務省は16日、06年度予算編成で、一般会計の政府の途上国援助(ODA)を05年度当初予算の7862億円から3%余り減らし、89年度並みの7600億円前後にする方針を固めた。削減は00年度以来7年連続。小泉首相はODAを今後5年で増額すると公約しているが、過去の円借款の一部の債権放棄などにより国際基準ベースでの増額は確保する見通し。
 ODA予算は財政難や「無駄遣いが多い」との批判を受け、97年度(1兆1687億円)をピークに削減基調が続く。だが今年7月の主要国首脳会議(G8サミット)で、小泉首相が「今後5年間で国際基準ベースで計100億ドル(約1兆1600億円)増やす」と表明。外務省が増額を主張するなど、ODAは06年度予算の焦点の一つになっていた。
財務省は一般会計での新規国債発行を30兆円程度に抑制する目標があるため「特別扱いできない」と判断し、ODA削減を継続する。ただ首相「公約」を踏まえ、一般会計とは別に財政投融資が原資の円借款を6年ぶりに増やしたり、過去の円借款の一部を債権放棄するなどで、国際基準ベースでは増えるという。

知り合いのNGO関係者からも以下のようなメールが僕に届いた。

政府開発援助(ODA)の増額5年で1兆2千億円は、金額の面では大変喜ばしい回答だとは思いますが、問題はその中身です。既に予算化されている毎年のODAのうちからアフリカの40カ国に回される恐れや、無償援助ではない円借款という国に貸すお金(ほぼ確定と言われています)にすることが懸念されます。これでは、アフリカの貧困層の救済にどこまで貢献できるか疑問に思わざるを得ません。
こういった実態を明らかにし、税金を納めた国民や貧しい国の貧しい民衆の期待に沿えるお金の使い方をするよう日本政府に働きかけていくことが必要と思います。

また別のニュースをインターネットで検索してみると、

政府は16日、海外援助政策の在り方をめぐる有識者会議「海外経済協力に関する検討会」(座長・原田明夫前検事総長)の初会合を首相官邸で開いた。円借款業務や無償資金協力、技術協力など政府開発援助(ODA)全般について、外交戦略上の位置付けなど機能面から幅広く議論することで一致した。 政府系金融機関改革で、国際協力銀行(JBIC)の円借款業務は「他の政策金融と別の機能として残す」とし、具体論は検討会に委ねられた。経済財政諮問会議内で浮上した首相直属機関によるODA政策の一元化には、外務省が強く抵抗。円借款業務を含むODAの見直しが焦点となる。 安倍晋三官房長官はこの後の記者会見で(1)JBICの役割(2)ODAの必要性(3)海外への政策金融の意義−などを論点に挙げ、「効率化追求という行革の方向性に沿った結論を出してほしい」と強調した。 (共同通信) - 12月16日19時36分更新

以前の僕だったら、このニュースなど全然興味がなかったが、世界中の貧しい子供たちの死に直接関係すると思うので、これからも日本政府の外交戦略などに注視していきたいと思ってきた。また、これから日本政府はODAをどうしたいのか。日本政府に何を働きかけていくのがいいのか。そして日本国民は何を考えていかなければいけないのかを明確にするためにもぜひ「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーンの今後のODA全般に関する公式声明を出す時期が近づいている気がする。僕もそうそうたる日本のNGOの方々の見解をぜひ聞いて勉強したいものであるし、日本政府の検討会をリードしていくだけの戦略的プランであれば、今後はODA予算に反比例して日本のNGO団体にも相当予算はつくと思うのである。(だから今後は、日本のNGO御三家と呼ばれるJVC、シャプラ二ール、シャンティやジャパンプラットホームを作ったピースウィンズジャパンそれに国際協力NGOセンターJANICなどのキャンペーンへの積極的ご参加と日本のNGO総体としての公式な会議を持ち、日本政府に対してのODAへの公式声明などもしていったら日本政府も聞く耳を持つと思うのである)ぜひ関係者の方々へのご参加とそろそろ凄腕プロデューサーの出番のような気がするのである。

また僕はアジア中心に仕事をしてきたのであるが、どうしても今回のキャンペーンでアフリカを中心に置かれることに関して少々違和感を感じてきたので、政府系の仕事をしている知人にその不満をぶつけてみたらこんな答えが返ってきた。

アフリカにフォーカスしているのは、英国のホワイトバンドキャンペーンの影響が大きいと思っていますが、日本としては、アジアの貧困に対しての方が責任も影響力も桁違いに大きいはずです。来年以降、アジアに視点を移していくことは今後、キャンペーンがしていかなくてはならない方向性だと感じます。また、自分たち日本人の大量消費のライフスタイルこそが世界の(特にアジアの)貧困に密接な関係があるという事実。ここを分かってもらわない限り、貧困などしょせん対岸の火事の出来事で終わってしまうんじゃないでしょうか。

まことに的を射た含蓄深い意見であると僕も思うのでこれからも勉強していこうと思う。

さて、2003年3月現在の日本NGO支援無償資金協力の対象国ではアジアが18カ国に上るのである。(インド、インドネシア、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、フィリピン、ブータン、マレーシャ、ミャンマー、モルディブ、モンゴル、ラオス)
また、2001年度日本のNGOの草の根無償資金協力の地域別概要に関してはアジア81%、アフリカはたった9%の比率である。おそらく毎年のODA予算も同比率に近いはずである。

先日もアメリカ抜きでの東アジアサミットが開かれたことをみてもこれからの日本政府は中国とともにアジア外交戦略を外交の柱にしようとすると思うのは僕だけではあるまい。

今こそ財政の切迫したアメリカとの距離を置きながら、日本の東アジアへの貧困解決を足がかりとした外交を展開してもらうためにも、JICA専門家や青年海外協力隊、NGO職員、企業駐在員以外にも将来の日本のためにも、日本政府には、ぜひ3年間、日本人の若者ボランテイアを大挙してアジアの貧しい国々に送り出してほしいものである。また、教育現場の最前線に立つ学校の先生にもぜひ大挙してご参加願いたいものである。(ただアフリカに飢餓の子供たちが大量に存在するのであればその子供たちの命を助けることは最優先されるべきことであると僕は思う)

日本の若者が、旅行ではなく、貧しい国に3年間住み続け、生きる苦労を積みながらも、多くの生と死に出会い、血の涙も流し続け、自分の足元もおぼつかない程精神的に追い込まれながらも、自分の限界を乗り越えた暁には、これからの日本とその貧しい国々を支えていく「ひとりの人間としての生きる思想」が各人に身につくと思うからである。(あまり日本人同士かたまって行動するのでなく、現地の言葉しか通じない状況に己を置いてほしいし、若いうちしか体力的に持たないハードな仕事だと僕は思うのである)

僕が考える人間としての最高の生き方とは、自分自身が考える最高の体験と最低の体験を経験した生き方でその幅が大であればあるほどいいと思う。言い換えれば、自分が考える最高の栄光と最低の挫折を経験することは人間としてすばらしい生き方のような気がする。だから日本の若者には、ぜひ自分ができないと思うことにぜひ挑戦して、ぜひその限界を乗り越えてもらいたいのである。 だから人間はおのずと自分自身の立ち位置が決まるのである。

また、僕はアジアで生きてきた実感として、「人間とは死とい う現実が身近にあるからこそ生を懸命に輝かせて生きようとす るかもしれない」と思う貧しいアジアの人々の多くの事例に接 してきた。日本では自殺者が年間3万人いると聞いて愕然とし たが、死という現実感が感じれない環境だからこそ、死と生に ついて真剣に考える経験がないために、簡単に死を選ぶ人が多 いのかとも思うのである。

今後、生と死の体験豊富なタフな日本人が増えれば増えるほど、世界の日本という国の地位が自動的に上がるのである。

2005年12月17日

四ノ宮 浩

PS,監督放浪日記はまだまだ続きます。

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