第五次声明文

支援者及び関係者の皆様へ

 いつもいつも力強きご支援及び温かいご声援いただき、心より感謝しております。
 皆様ご存知だと思いますが、先日、わが友となった香田証生くんがイラクで拉致され殺害されました。そして、僕は彼の通夜に参列し、ご両親にもお会いして、彼のイラク行きをとめられなかったことについてお詫びをさせていただきました。その数日後に想いを書いた文章はオフィスフォーのHPで紹介しているので、まだご覧になってない方はお読みいただけたらと思います。そして今日の手紙は第五次声明決意文となります。僕の今の新たな気持ちが、皆様に伝わればと願っています。
 まず初めに、現在のイラクの状況について僕が感じていることを書かせていただきます。

 1990年の湾岸戦争後、国連の経済制裁により、イラクでは数十万人もの子供たちが医薬品などの不足により死んでいったと聞き、国民の感情には拭い去れないアメリカに対する憎悪が生まれたと思います。しかし、2003年3月勃発のイラク戦争での恐怖政治体制のフセイン政権が崩壊し、アメリカ軍の勝利を喜んだ市民も多数いたこともまた事実です。そして今、イラク人に対してのアメリカ軍の無謀な振る舞いにより、イラク戦争から現在までのイラク人死者が10万人にも上るという調査結果がでています。死者が10万人ということは、推測でも50万人の負傷者がいると思われます。しかも肉体的な問題だけではなく、精神的に深い傷を負った人々、親を亡くした子供たち、憎しみという気持ちで苦しむ人々、夜も不安や悲しみで眠れない人々……そしてかなりの人々が自分の故郷イラクを捨て国外に移住しているという現実があります。
 そして、現在は外国人武装勢力が誘拐や自爆攻撃などのテロ活動を行い、イラク中を混乱させていますが、一方、イラクの一般市民までが各々の武器を持ち、アメリカ占領軍やイラク国軍に対する抵抗運動を繰り広げています。今後も長期にわたり、あらたな犠牲者が相当数でると、近隣のイスラエルパレスチナ問題も重なり、まったく予想できないイラク国内の分裂や、世界中のイスラム教徒の対キリスト教徒に対する抵抗運動になるとも限りません。

 そんな今だからこそ、広島、長崎での大量虐殺などの戦争の悲劇を体験しながらも、「平和な日本」を築いた日本という国は、すこし立ち止まって、アメリカとの距離を置き、今後の恒久的な日本の平和やイラクを含めた世界の平和についての日本国独自の考えをもつ時期に来ていると思っています。
 また、今後の映画完成に向け、資料映像を収集したり、現地撮影をスムーズに行なうためにも、現地撮影スタッフを可能な限り雇っていく予定です。
 僕はあくまでも今後のイラク住民のためになる映画を創ります。イラク戦争の真実を皆様と世界中の人々、そして何よりアメリカ国民に見てもらえるような映画を創ることをここに誓います。どうぞ皆様の変わらずのご支援ご声援のほど、心からお願い申し上げます。
                                                                                               

2004年11月末 東京にて
ドキュメンタリー映画「戦争と平和」
監督 四ノ宮 浩


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