5.竹筎温胆湯の使用目標

1)原典

  ・竹筎温胆湯は、13種の生薬からなる薬で、竹筎を君薬、黄連・柴胡を臣薬とする。原典は、万病回春の傷寒に、「傷寒日数過多にしてその熱退かず、夢寝安からず、心驚、恍惚、煩躁して痰多く、眠らざるを者を治す。」と記載されている。

 ・その文章を訳すと、「諸熱性病で、日数を経て、小柴胡湯の時期を過ぎ、余熱なお胸中に集まり、痰を挟み、心を侵して物に驚き易く、安眠を得ず、咳嗽などがあって、恍惚として時にうわごとの如きを発する。」となる(漢方処方解説:矢数道明)

2)大久保の使用目標

 ・大久保は、この薬を

@少陽病期後期で、小柴胡湯と麻杏甘石湯をもちいて治療してほぼ急性期の気管支炎が治り、なお湿性の咳が残る時、

A少陽病期前〜中期でやや虚症で、小柴胡湯・麻杏甘石湯が使用づらい時 に使用している。

3)その他

  ・小柴胡湯と麻杏甘石湯の合方の裏の処方と表現することもある。

4)生薬・竹筎とその方剤  (日本医事新報No4137、2003年8月9日号)97ページ 稲木一元氏回答

  ・竹筎は、竹の茎の外皮を薄く剥ぎ去り、皮下の帯緑白色部を薄く削って帯綿状にしたものである。

  ・感冒後の気管支炎などで、微熱が残り粘稠痰を出すため咳き込む時に用いる。咳嗽の程度によらず、不眠傾向を使用目標とする。

  ・鑑別薬剤

    (1)麻杏甘石湯(粘稠痰で咳き込む、胃腸丈夫が目標)

    (2)小青竜湯(アレルギー性鼻炎を伴う)

    (3)麦門冬湯(むせるような咳込み)

    (4)清肺湯(慢性で粘膿性痰多量)

    (5)滋陰降下湯(夜間の咳き込み)

    

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