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dear my sister

Bonami 三木 葉苗さんに絵本「dear my sister」について、お話を伺いました。

2016年3月9日(水)「ピープルファクトリー」2F、カフェ&ギャラリーにて

Bonami 三木 葉苗さん    〜「dear my sister」展示会にて〜

妹の咲良さんが水玉模様を描くきっかけとなったのは、色とりどりのペンセットと
滑らかなカレンダーの裏紙。
「何か描いてもらえれば」――と、姉の三木 葉苗さんが咲良さんに手渡すと、
そこには咲良さんの“感情”そのままに、鮮やかな水玉の模様が描き出されていきました。

ためらうことなく、淀みなく描かれる鮮やかな水玉の模様。
ペンを走らせる咲良さんの表情は描きながら、笑っていたり…怒っていたり…。
様々な感情を表しながら描かれた水玉。その一つ一つが、言葉を持たない
咲良さんの“感情”を紙の上に写し出しているようでした。

まず一色のペンで、画面全体に模様が描かれていき、また次の色に持ち替えて……
そうして繰り返し模様が加えられ、画面一面に散らばった水玉は、咲良さんの感情に合わせて、
模様や色の表現が、絶えず変化していきます。
ある時は塗りつぶされた正円、ある時は楕円形、ある時は歪んだ形に、またある時は、
ドーナツのような輪の形へと、様々に描かれます。
形状も色使いも様々に仕上がった模様は、水玉のようにも、ヒョウ柄のようにも、
細胞のようにも思えるような不思議な絵となって、その模様を描いた作品は
一枚一枚が異なり、咲良さんの、その時々の感情が表れているので、二つとして
同じ絵は存在しません。

咲良さんの感情が昂ると、描かれる水玉の密度も増え、表現される模様も変化していくので
姉である葉苗さんは咲良さんが描いた絵を見ると、その時、その時の咲良さんの
感情が分かると言います。

咲良さんが「目に見えない」物や「感情」を色や形、密度で表している、と
自分たちは認識してしまうけれど、もしかすると、言葉を持たない咲良さんの
目に映る世界は、水玉模様や、鮮やかな色合いのように認識されていて、
ただ見たままの世界を描いているのかもしれない。と、葉苗さんは語りました。

最初に絵本「dear my sister」が作られたのは15年前。
葉苗さんがグループ展に参加する際、妹の咲良さんの絵も一緒に紹介したいと考え、
絵にそえる説明として、絵本「dear my sister」を考えました。
最初は“自閉症”を説明するような内容を考えていましたが、自分自身にしか
表現出来ないような物をと思い、“自閉症”を「ポジティブ」に表現する側面だけでなく、
「痛み」や「苦しさ」を、お互いが相手の事を考え、双方の感情を思い合い、尊重するという、
「人」と「人」との関係を絵本で表現したのが、絵本「dear my sister」です。

今回の絵本「dear my sister」の背に貼っている布地は、咲良さんの水玉模様を
葉苗さんが消しゴムはんこに彫り、そのハンコを咲良さんが一つずつ布地に捺していて、
二つとして同じものがない、一冊の絵本として仕上げました。

「Bonamiのカラフル手帳」は、絵本を作るにあたって製本方法を試す
試作品から生まれた製品です。
真鶴での日々の生活から得た様々な色合いが、ページに込められています。
葉苗さんのパートナーの杉山 聡さんが一冊、一冊を丁寧に手作りした
「Bonamiのカラフル手帳」はThe Wonder 500™という経産省の地方創生プロジェクトの
日本全国から発掘された500の商材の一つに選ばれました。

「dear my sister」の絵本は、今回の展示会のために、装いも新たな絵本となって届けられました。
自分たちの手で、自分たちの絵本を作り上げた喜びを、葉苗さんは語ってくれました。

絵本「dear my sister」

*絵本「dear my sister」

展示の様子

*展示の様子

私たち「ピープルファクトリー」も忙しい日々の中、この絵本のページをめくって、
今一度、「人」と「人」との関係性を考えたいと思います。
(インタビュー/文章:「ピープルファクトリー」スタッフ)